ある日、ティガがポツリと呟いた。


	「……黒=悪なのかな?」
	「え」
	「確かに、ベリアルも、バーストモードのレイも、ゼットンもエンペラ星人もザギも僕もカミーラ達も
	 黒を基調としているけど、でも、黒いから悪。っていうのは、短絡的じゃないかな、って」
	「まぁねぇ。僕らのところのラスボスの第一形態は、白い天使様だし、朱鷺色の悪魔なんかも居るもんね」

	さらっと自分をダーク様でカウントしていることはスルーして、ガイアが相づちをうつと、

	「真っ黒くても良い奴も居るもんな。ヒマラとか」

	と、それ某ステージショー限定だろうけど、確かに憎めないキャラではあるよねアノ怪盗。な例を
	ダイナも挙げた。

	「まぁ、僕やベリアルやレイや、あとダークビースト達やカオスロイド達もかな。なんかに限って言えば、
	 闇=黒のイメージだろうから、解らなくも無いけど」
	「あとは、ニセモノ達に黒混じりが多いのも、そんなイメージだからじゃないの?」
	「あー、ザラブが化けたのとか、ゼアスんとこのシャドーとか、ロプスとかもそうだな」


	短絡的で安直だけど、やっぱり分かり易いし、一般的なイメージなのかな。そう─ティガ的にはイマイチ
	納得がいかないが─結論付けようとした矢先。

	「……俺やジャスティスはともかくとして、お前も黒が使われているよな、ガイア」

	と、アグルがボソリと呟いた。

	「ああ、うん。黒ライン入ってるね」

	光の国出身ではない自分達は、光の国のウルトラ戦士達とは顔立ちも色使いもだいぶ違っていて、確かに
	紫のティガ程じゃないけど、僕らの黒も異色といえば異色だよね。あ、けど、ジャスティスも黒入りで
	コスモスのスペースコロナモードやレジェンドは紫だけど、あの3人って光の国出身なのかなぁ。
	等々、ガイアは横道にそれたことを考え始め、アグルは単に学者気質から例を挙げただけらしく、ティガも
	「何か混ぜっ返された気がする……」と、この議論自体を面倒くさく感じかけていると、

	「あ! 身体全体とか、顔に黒入ってんのが悪役。って感じがする。あと、アグルとかジャスティスとか
	 ヒカリさんみたいに、目付き悪いのも」

	ポンっと手を打ち、自分なりの結論を出したダイナに、他の3人は
	「その理屈でいくと、黒こそ入っていないけど、誰よりも目付きの悪いゼロは、やっぱり悪役っぽい。
	 ってことになるよなぁ」
	と思ったが、あえて口に出すことはしなかった。その代わり、

	「黒の反対に、正義っぽいイメージは、金なのかな。僕らのグリッターや、ゼロのシャイニングみたいに」
	「えー、でも、シャイニングは何かくすんだ金だし、アレはアレでチンピラっぽくない?」

	そんな率直な意見を交わしていると、通りすがりに

	「……金髪のチンピラ居るよ」
	「うん。かなりウザい金髪が、僕の所にも居るね」

	と、アストラとタロウが呟いた。

	「ババルウとバルキーすか。確かにアイツらは、全身金色の悪役っすね」
	「あと、ひよこ頭も一応金髪」
	「……マグマ星人のことですか?」
	
	仮にも仇敵を、チンピラだのひよこ頭扱いはどうなんだろう。と思いつつも、やっぱり黒くない強敵は
	割といるな。と再認識したが、


	「ところでさぁ、何でティガは、いきなり『黒は悪か』なんて話始めたの?」
	「ああ、いや、この間のダークチャーム事件の時に、『闇の者』といいつつ、ゾグは白いし、イーヴィルも
	 銀基調で、ヒマラは自分の意思で僕達に付いたし、他の怪獣や星人もあまり黒くなかったりしたから」
	「確かに、思いっきり黒くて闇で敵だったのは、ザキ位か」





5周年記念品 黒3「邪悪」 お題に対しての疑問をティガ様に代弁していただいてみた。 ちょうど良いのでこないだのランドネタをオチにしてみたら、思いの外しっくりと