〜三匹のこぶた(体育委員)〜
ある日お母さん(?)豚の滝夜叉丸が
「何も出来ん赤子でもないお前らを、この私が養ってやるいわれはない! 出て行け!」
といって、三匹の兄弟子豚を、家からたたきだしました。
そこで仕方がないので、三匹はそれぞれ自分で家を作ることにしました。
長男の三之助は、面倒臭かったので、てきとーに四隅に柱を立て、わらの筵で
囲っただけの簡単な小屋で済ませ、次男の四郎兵衛は、頑張ってそれなりに
ちゃんとした木の小屋を、末っ子の金吾は、石造りの頑丈な家を作ろうとしました。
そんな子豚達の元に、小平太狼がやってきて、
「バレーしよう!」
といって、ボールをクソ力でアタックしてきました。
もちろん、わらの掘っ立て小屋は簡単に吹っ飛び、
木の小屋も大破し、石造りの家にも穴が開きました。
何しろよく見たら、小平太狼がボール代わりにして
いたのは、何故か鉄球だったのだから、仕方ありません。
しかも、子豚達を誘いに来る前に、滝夜叉丸豚も、とっくに
強制的参加させられていたので、三匹は、おとなしく狼の
バレーボールに付き合い、それからマラソンに行きました。
おしまい
キャスト
母…滝
長男…三之助
次男…四郎兵衛
三男…金吾
狼…小平太
〜シンデレラ(45年生)〜
ある所に、タカ丸という名のシンデレラがいました。
…じゃない。本名はタカ丸だけど、何故か「シンデレラ」と呼ばれている、
猫っぽくてちょっとお馬鹿かもしれない、元髪結の少年が居ました。
お父さんは、多分死んではいません。
忙しくて留守がちとか、そんな感じです。
そのお父さんの後妻さんは、喜八郎さんという、穴掘り以外には
あまり興味のなさそうな美人さんで、滝夜叉丸と三木ヱ門という、
綺麗だけど、仲が悪くてちょっぴり自己中な連れ子がいました。
喜八郎お義母さまも、連れ子のお義姉さま方も、別に
タカ丸シンデレラをいじめたりはしていません。
タカ丸の要領が悪くて失敗が多いだけのことです。
とまぁ、そこそこ仲良く暮らしていたある日。
王子の婚約者を決める舞踏会が、開かれることになりました。
ちなみに王子は兵助ですが、実はただの消去法による配役です。
でもって王子自身は、結婚する気は特に無さ気な感じです。
しかしお義姉さま達は、競い合うように、張り切ってタカ丸シンデレラに
ヘアメイクを頼むためにケンカをはじめ、喜八郎お義母さまも、何だか
乗り気でした。(どうも、城内に穴を掘ってみたかったらしいです)
綺麗な子をさらに綺麗に可愛くすることが好きなタカ丸が、嬉々として
三人を飾り立てて、お城の舞踏会に送り出し、道具を片付けながら一息
つこうとすると、突然誰かに声をかけられました。
「タカ丸さんは、舞踏会に行かなくていいんですか?」
「えっとー、別に興味ないからいいよ」
「ふぅん。舞踏会には、国中の人間が集まっているから、
『くずれた髪を直す』という名目で髪をいじらせてもらえたり、
カットモデル探すのにもちょうどいいと思いますけど?」
タカ丸シンデレラに声をかけてきたのは、何故か魔女っ子コスの
三郎&雷蔵でした。どうも衣装は、三郎の趣味だそうです。
三郎が何を企んでいるのか知りませんが、(雷蔵の方は、純粋な善意です)
その言葉に心躍ったタカ丸が興味を示すと、彼はタカ丸シンデレラを
素早くドレスに着替えさせ、化粧も施し、ガラスの靴を用意すると、
「髪はご自分でどうぞ」
といって、髪をいじっている間に、注意事項を挙げていきました。
そして、元ネズミなのかよく解らない八左ヱ門の人力車でお城まで
送られたタカ丸シンデレラは、思う存分城内の客の髪をいじらせて
もらい、気付くと三郎魔女に言われた約束の時間―十二時―になって
いたので、帰ろうとした途中で大事な鋏を落としてしまいました。
その鋏を拾った兵助王子は
「持ち主を探せ」
とお触れを出し、それが花嫁探しだと国中が「我こそは」と
名乗りを挙げましたが、よく見ると名前が彫ってあったので、
ちゃんとタカ丸シンデレラにたどり着くことができました。
しかし王子は、単に拾い物を届けたつもりなだけだった
ようで、結局その後、なぁんにも起こりませんでした。
おしまい
キャスト
シンデレラ…タカ
継母…綾
継姉…三木 滝
馬(元ネズミ)…竹
魔法使い…似非双児
王子…たうふ
〜赤ずきん(3年)〜
ある日、ものすごく忙しかった藤内お母さんは、「無謀かな」と思いつつも、
二人の子供達に、数馬おばあちゃんのおうちへのお使いを頼むことにしました。
「左門。三之助。この籠の中身を、数馬のところまで届けてくれ」
「わかった! 任せておけ」
「でも、何でこんな真っ赤な頭巾を被んなきゃいけないんだ?」
「目印だ。…二人共、頼んだぞ」
森の中でも目立つ赤ずきんを被らせて、二人を送り出した藤内お母さんは、念の為
作兵衛狼さんに、「二人の後ろからついて行ってやってくれ」とお願いしました。
赤ずきんは、狼さん用の目印だったわけです。
意気揚々と出掛けた二人の迷子な赤ずきん達は、猛スピードで明後日な方角へと
突き進み、狼さんは時々二人を見失いそうになりながらも、赤ずきんを目印に
発見しては、それとなく看板を立てたり、道を作ってやったりと誘導していた
のですが、二人が花畑に迷い込んだ挙句に休憩しだした辺りで、ブチ切れました。
「お前ら! さっさと目的地にたどり着けよ!」
「おお! 作兵衛だ。どうしたんだ?」
「狼の格好だな。そのきぐるみは委員長が作ったのか?」
「俺のことはどうでもいいから、とっとと行け!」
キレている作兵衛狼さんとは対照的に、迷子な赤ずきんちゃんは能天気でした。
(ちなみに、狼さんのきぐるみは、指摘通りに用具委員長のお手製です)
その時、近くを猟師役の孫兵(+じゅんこ)が通りすがりましたが、
自分達には無関係だと判断して、そのまま通り過ぎてしまいました。
そして結局赤ずきん達は、数馬おばちゃんのおうちには辿り着けませんでした。
おしまい
「…解ってたけどさぁ、僕出番無し?」
キャスト
赤ずきん…迷子
母…藤
狼…作
祖母…数
猟師…孫
〜ヘンゼルとグレーテル(3年)〜
ある日ヘンゼル三之助と、グレーテル左門は、作兵衛父さんと
藤内母さんが、何やら内緒話をしているのを聞いてしまいました。
その内容は、「家計は苦しいが、まだ育ちざかりの子供達もいるし…」的な、割と
ありがちなものだったのですが、時々家の手伝いをしたりする以外は、特に何も
していない自覚が一応ある二人は、「自分達に出来ることはないか」と相談し合い、
「そうだ! 作兵衛の仕事を手伝えば、その分稼げるはずだ!」
「でも、『ついてくんな』って、いつも言われているぞ?」
「だったら、後ろからこっそりついて行って、こっそり手伝えばいいんだ」
という結論になりました。ちなみに作兵衛父さんのお仕事は大工ですが、自分で
材料の木を伐りにも行くので、木材調達を手伝って売ればいいと考えたようです。
翌日。二人は、自信満々にパン屑を目印としてまきながら作兵衛父さんの
後をこっそりとついて行きましたが、そのパン屑は、通りすがりの孫兵に
連れられていたヘビのじゅんこが、すべて食べてしまいました。
そして帰り道が分からなくなった二人が、何やら良い匂いに釣られて
森の奥に迷い込むと、そこにはおいしそうなお菓子の家がありました。
何も考えずに、二人がそのお菓子の家を食べ始めてすぐ、家の中から
魔女の数馬が現れ「何してんの? お前たち」と訊いてきました。
グレーテル左門が、ずらずら経緯やら何やらをと答えると、数馬魔女は
面倒臭そうな顔をしてから、少し考えて「わかった」と言いました。
「左門。お前は、どこかへ行って、そこで見聞きしてきたことを、全部
僕に話すこと。三之助は、まき割りとか力仕事。それを毎日ちゃんと
やるんなら、ここに置いてあげるし、お菓子も少しは食べていいよ」
こうして数馬魔女は、グレーテル左門が集めた情報を売ったり、下請けに出された
力仕事をヘンゼル三之助にやらせたり、本業の薬を売ったりしながらお金を貯めて、
「久し振り、藤内。そこの器用貧乏なんか見捨てて、僕と暮らさない?」
子供達も僕の所に居るよ。と、親友だった藤内お母さんを誘いに行き、
悪い想像から暴走した作兵衛父さんに、ボコボコにされかけ、結局
家族4人+魔女。で暮らすように、なったとかならないとか……
(しかも時々、ヘビ連れのお客が遊びに来るという噂も)
おしまい
キャスト
ヘンゼル…三之助
グレーテル…左門
父…作兵衛
母…藤内
魔女…数馬
通りすがり…孫兵+じゅんこ
〜桃太郎(用具+α)〜
むかしむかしある所に、(数馬)おじいさんと(藤内)おばあさんが住んでいました。
おじいさんは山へ柴刈りへ、おばあさんは川へ洗濯に行きました。
おばあさんが川で洗濯をしていると、上流から馬鹿でかい桃が流れてきました。
(中略)
桃から生まれた作兵衛は、きびだんごを持って鬼ヶ島へ鬼退治に向かうことにしました。
まず最初に出会った平太犬にきびだんごをやって仲間にし、
次に喜三太猿としんべヱ雉を…って、何でしんべヱが雉なんだ?
「知りませんよ。僕に訊かないで下さい」by作
……。まぁいいか。とにかく3匹を仲間にし、鬼ヶ島に
乗り込んだ一行は、暑苦しい鬼共をギタギタにしました。
てぇことで、さっさとくたばれ潮江
「煩せぇ。わかってる。指図すんな食満!」
「まぁまぁまぁ。素直に従いましょう先輩。でないと、話が終わりませんから」
「そうだ。田村の言う通りだぞ潮江。天の声に逆らうんじゃねぇよ」゛
もういいよ。終わっとけ
キャスト
桃太郎…作
猿…喜
犬…平
雉…しん
天の声(ナレーション)…留
鬼…会計
じじばば…3は
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