アタシには、兄様が一人居る。
正しくは従兄というか乳兄弟だし、他に実の兄に当たる人も何人か居る筈だけど、アタシが「兄様」と
呼ぶのは、三郎兄様一人だけ。
兄様は、母上の兄上夫婦の息子で、その伯父上と伯母上の無念を晴らす為に、母上は父上の妾に甘んじて
アタシを産んだのだという。でもって、将来的にはアタシを兄様に嫁がせて、二人で父上を苦しめさせ
たかったみたいだけど、兄様は別な人を選び、父上を陥れるのは協力するけど、それはそれとして自分の
道を歩むと決めた。
その宣言を聞いた時、母上は少し不満そうだったけど、アタシはその方が良いと思った。
忍術学園に入ってから兄様は、卒業して報告に顔を出した以外は一度も帰って来なくて、だから六年ぶりに
会った時の変わり様に、凄く驚いた。必要最低限しか口を開かなくて、表情も全く無かった兄様が、人を
食ったような笑い方で、アノ母上を丸め込むだなんて、思いもしなかったから。
その後は、文のやり取りか兄様が此方に顔を出して打ち合わせをして、父上の邪魔をしていたんだけど、
今回アタシが兄様を訪ねてみたのは、出来心。
動機は単純。兄様を変えた人と、ついでに兄様の息子ってのを見てみたかったから。
その所為で、大喧嘩になっちゃったっぽいのは、ゴメンね兄様。でも、そんな兄様も、アタシはアリだと思う。
三郎の従妹で義妹な楓香さん(多分3〜4歳下で独身)
今後の出番は、あるような無いような。だけでもどうしてもやりたいネタがあるので、その前に一応……
それだけの動機で、バイト中にメモ書きしたのを起こしただけなので、内容はほぼございません
2010.1.9
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