何故か代々不運な者ばかりが集まる保健委員会の中でも、特に運に見放された「不運小僧」の五代目との
	異名を持つ樹衣森蔵きころ もりぞうは、確かに学園一運が悪い。
	しかし、彼の次に運が無いのは、他の保健委員の誰かではなく、最も親しい同期の友人だったりする。

	その友人の名は平生人吉ひらばえひとよしといい、所属する用具委員会の顧問である富松作兵衛に妙に心酔し、図書委員で
	暴君なくのいちの姉・葵の使いっぱ扱いで、森蔵と一緒に様々な不運に見舞われるのが日課と化している
	少年で、森蔵共々は組っ子である。

	
	彼らの不運は、入学手続きの直後に後ろから激突され落とし穴に落ちた所から始まっており、2人揃って
	穴に落ちたり罠に掛かったりケンカや鍛錬に巻き込まれたり獣使いな先輩の手懐けた獣に「じゃれられてる
	っていうか襲われてますから!」その他諸々、何の不運にも巻き込まれない日は無かったりする。

	そんな不運の中でも特に多いのは、


	「人吉ー。まぁた君の相方が僕の試作品に引っ掛かったから、回収しといてくれる?」
	「笹山先生……」
	「今回のはさぁ、泉の自信作使ってて、文多に仕掛けるつもりだったのに。って泉がかなりブーたれてるから、
	 後で再設置も手伝ってよね。用具だから出来るでしょ? 良いですよね、富松先生」
	「そうだな。人吉居なくても平気だよな、菊之助」
	「はい。居なくても何の問題も無いですねー」

	という、1年上の作法委員立花泉と作法委員の副顧問である笹山兵太夫作のカラクリや罠に掛かっては
	文句を言われ、顧問である作兵衛にも、委員長の九原菊之助にもあっさり委員会の仕事を免除されて
	貸し出されしまうことで、時折
	
	「……先生も委員長も、たとえ事実でもそんなにあっさり承諾してしまうのは先輩に可愛そうなので、
	 振りでも良いからもう少し渋ってあげましょうよ、たまには」

	などと言ってくれる1年下の後輩がいることと、その後輩が作兵衛の友人である浦風藤内の養子の
	浦風内海であることが、ほんのちょっぴり救いになっていたりするが、そこで調子に乗ったり萌え
	すぎたり、泉達の罠だけでなく3年下の釈藍之丞や不破風早の仕掛けにまで引っ掛かった時などは、
	呆れられて放置されることも無くはない。

	

	そして更に、姉の葵も弟に負けず劣らず不運なようで、不運と同じ位不注意で雑な自爆型で、森蔵も不運に
	加えて不注意や不器用な所がある為、

	「純粋に一番運に見放されてるのってさ、お姉ちゃんと親友がアノ2人なことも含めて、実は人吉じゃ
	 ないかって気がするんだけど、どう思う?」
	「確かに、歴代の『不運小僧』と呼ばれていた先輩方の路線に近いのは、人吉の方だって川西先生も
	 言っていましたね」
	「富松先生や今福さんも、『食満先輩と善法寺先輩というよりは伏木蔵と乱太郎っぽいんだよなぁ、
	 アイツら』って言ってましたねぇ」

	などと、時々話の種にされていたりするという。



3周年リク木綿分 「オリキャラ先輩後輩と人吉の話」になってるよね? 2011.9.11