六月の花嫁

	「しんべヱが、取引相手から『六月の花嫁は幸せになれる』って言い伝えが、南蛮の何処かの
	 国にはあるって話を聞いたそうなんすけど」
	「ふぅん。素敵な言い伝えだね。けど、別に六月じゃなかったけど、幸せだよ?」
	「あー、はい。そうっすね。ご馳走様です。この話振った俺が悪かったです」


	きり(20)と伊(25)位




梅雨

	「あっめ、あっめ、ふれふれ、母さんが〜♪」
	「(時代を思いっきり無視してるけど)楽しそうだね、喜三太」
	「うん。この時期は、ナメさん達も楽しそうだし、可愛いナメさんにも沢山出会えるからねぇ」
	「そっか。良かったね」
	「うん」
	「だけど、物がカビたり腐ったりもしやすい季節だから、伊助ちゃんや金吾をキレさせないようにしなね」
	「はぁーい」


	現在 喜三太と乱(多分)





子供談義(父の日派生)

	「食満先輩の所のお子さんって、娘さんばっかりって本当ですか?」
	「ああ。3人共娘だ」
	「良いなぁ。俺んとこなんか、息子2人なんですよ」
	「しかも、虎若の所の息子と親しくて、全員どことなくお前ら似なんだってな。きり丸から聞いてるぞ」
	「そうなんですよー。しかも父ちゃんや嫁さん達が言うには、『似なくて良い所ばかりそっくり』で」
	「それも聞いている。おまけに、嫁さん同士も仲良くて、結託しているんだって?」
	「うーわー、そこまで聞いてますか。何か、手紙のやり取りでグチりあってるみたいなんですよ。おかげで、
	 旦那としても父親としても威厳が無くて……」
	「諦めろ。うちは娘達が母親と結託してるし、男1人だから除け者にされたりもよくする」
	「あー、そっか。女ばっかだと、そういうのがあるんですねぇ」
	「あとは、ひとくくりに『娘』や『息子』と言っても、それぞれだからな。……七松の所の真ん中の娘なんか、
	 見てくれも中身も父親そっくりだぞ」
	「……。俺似の娘だったら、確かに微妙だし、先が不安かも」


	団と留(共に30代位)


父親談義(父の日代わり)

	「すごくて、尊敬してる」
	「俺も。だけど、じいちゃんの方が、もっとすごいよな」
	「そうだな。あと、母ちゃんの尻に敷かれてる!」
	「それも、うちの父ちゃんも同じだな」

	
	「……って、君らの息子達が言ってたよ」
	「そうか。そんな報告いらなかったけどな、兵太夫」
	「違うでしょー、この場合は、『笹山先生』。僕は、教師として普段の息子達について教えてあげたんだから」
	「確かに、訊いたのは俺らだけとさぁ……」 


	加藤&佐武父子と笹山様




六月生まれ

	「……」
	「どうした?」
	「んー。お腹張ってきたなぁ、って思って」
	「生まれんのか!?」
	「ううん。まだ大分かかる……筈」
	「そうか」
	「だけど、一応準備はしてもらえる? 初産じゃ無いから、前の時程は時間がかからない筈だから」
	「解った。……伊織の時は、どれ位掛かったんだ?」
	「えっとね。この感じの時からだと、1日半位。破水してから生まれるまで、丸1日掛かったから」
	「……。そん時、居てやらなくて悪かった」
	「いいよ。もう過ぎたことは仕方ないし、今回こうやって居てくれるだけで、充分だよ」
	「何か他に出来ることはあるか?」
	「そうだなぁ。もうちょっと陣痛の感覚が狭まってきたら、腰をさすってくれたりすると楽かも。あと、
	 余裕なくなってきたら、おんちゃんの世話をお願い」
	「解った」


	潮江夫妻(20) 息子が生まれた日の話





旧拍手御礼文 当初は父の日ネタを書こうかと思ったものの、文伊が書きたくなってこんな感じに 2010.7.2