1.何か青いもの


地球をひとまず守り抜いてから3年。この所とみにこまっしゃくれてきた姪の理香に、
「ノブおじちゃん、喜美子さんと結婚しないの?」
と訊かれた元キョウリュウブルー有働ノブハルは、飲んでいたお茶を思い切り吹いて、「おじちゃんキタナイ」と
眉をしかめられた。

「いや、だって、理香。いきなりそんなこと聞かれても」
「いきなりじゃないよ。ずっと思ってたし、喜美子さん近所の人やお客さん達にも『まるふくさんのお嫁さん』て
 呼ばれてるのに、何で結婚しないの?」
「何でって……」

ノブハルがキョウリュウジャーだった当時から、そのことを知っていた理香は、戦いが終わった後。
表向きは以前お見合いした相手で、実際は元喜びの戦騎のキャンデリラこと桃園喜美子と、元楽しみの密偵の
ラッキューロを、ノブハルが居候兼何でも屋の従業員として連れて来た時から、2人のことを「おじちゃんの
お嫁さんと、その弟か妹」と認識しており、母の優子と一緒に「良かったね、おじちゃん」と祝福していたのに、
3年経った未だにハッキリした形をとっていないのが、とても気になっていたらしい。

「楽ちゃんから聞いてるんだよ。『人間を喜ばせたり楽しませたりして、役に立ちたいんなら、僕の所で、
 一緒にやれば良いんだよ』って口説き落として、こっそり頑張ろうとしてた喜美子さん達を、うちに
 連れて来たんでしょ?」
「……うん。まぁ、確かにそんな感じのことは、言ったけどね」
「『アレって、どう聞いてプロポーズだよねー』って楽ちゃん言ってたし、わたしもそう思うよ」

優子もだったけど、女の子って早熟だなぁ。などと、ぼんやり考えることで現実逃避したくなる程、理香の指摘は
正しく、ノブハルに反論の余地など無かった。


「でね、ママとかアミィさんとかに相談したら、おじちゃん達任せにしてたら、いつまでもこのままだろうから、
 わたし達で結婚式の計画を立てることにしたの」

ニコリと笑いながら言い切る理香の様子は、優子そっくりで、本当に女の子は強いなぁ。と、ノブハルは改めて
白旗を掲げるしか出来なかった。


そんな訳で、優子主導、キョウリュウジャー関係者全面協力で企画された結婚式は、「結婚式は花嫁さんの為もので、
新郎はオマケです」感が通常より半端なかったが、

「喜美子さんは、(見た目は)若くて美人だから、何でも似合うわねぇ」
「次は、このドレスね。あ、でも、アレもcuteだから、その次に試着ね!」
「アミィさん、ママ。理香、これも喜美子さんに似合うと思う」
「すごい量のレースですね。でも、確かに喜美子さんなら似合いそうです」
「キャンデリラ様ー、折角なら、カラードレスも着てみましょうよー」

等々、付き添い女子(かどうか不明なのも含む)による着せ替え人形状態のドレスの試着も、喜美子はうんざりする
ことなく、ニコニコ笑って次から次に着ては、
「どう?  似合うかしら?」
と、逐一ノブハルに意見を求め、
「どれも似合ってるから、好きなのにしたら良いよ」
と返しても、
「ダメよ。貴方が一番気に入ったやつが良いの。だから、選んで」
と譲らず、
「じゃあ、僕はどうせ引き立て役だけど、あまり派手派手しいのだと隣に立った時バランス悪くなり過ぎそうだから、
 さっき優子が持ってきたやつか、最初に弥生ちゃんが選んだ奴で」
と、記憶を辿って希望を挙げたら
「引き立て役だなんて、そんなこと無いわ。それじゃ、先にタキシードを選んで、それに合わせたら良いのよ」
なんてトンチンカンなことを言い出したが、優子も
「そうよね。喜美子さんは何だって似合うし、ちゃんとした格好をすれば兄さんだってそれなりなんだから、兄さんに
 合わせるのもアリよね」
と食い付き、他の女子達も割と乗って来たので、今度はノブハルの着せ替えが始まった。

尚、一応
「うち、そんなにっていうか全然お金無いから、予算は抑えてね」
と事前に言っておいたが、
「No problem!  わたしに任せて」
と、アミィお嬢様がスポンサーに名乗り出てしまい、
「これは、わたしからの結婚祝いで、ノッさんじゃなくて、喜美子さんの為なの!」
と押し切られてしまい、結局参列客は戦隊メンバー+αの少人数でこじんまりとした式を挙げる代わりに、
ドレスと会場の装飾は目一杯豪華に行くことになってしまった。

更には、男子組も
「拙者、『うぇでぃんぐ けーき』なる大きなケーキを作るのは、初めてにござる」
と、女子力の高いスィーツ侍はうっきうきでケーキ作成に名乗りを上げるし、何でも出来てしまう王様は、
スピリットベースで女子組が拡げていた雑誌を見つつ
「リングベアっての作ってやるから、ドレス決まったら教えてくれな!」
とかノリノリで、
「それじゃ、ブーケは俺が用意してやるよ」
なんて黒いガンマンまで言い出す始末で、ついでとばかりに緑の剣士も
「あ、じゃあ、俺は招待状とか席順表を書くの位は手伝うから」
と手を挙げた。


そんなドタバタで実にブレイブな結婚式は、準備段階から当日に到るまで、終始当人達よりも周囲が楽しんでいる
感の方が強かった。けれど、イアンがブーケについて、
「それで、コンセプトや、ベースの色なんかはどうする?  ドレスの雰囲気に合わせて、俺のセンスで作って良いか」
と尋ねると、1つだけ、ハッキリとした希望を挙げられた。


「んー。そうねぇ、青ベースが良いわ」
「青、か。まぁそれなりに種類はあるし、something blueで青い花束。ってのは、たまに聞くな」
「サムシング  ブルー?」
「ああ。西洋の慣習で、花嫁が身につけると幸せな結婚生活が送れるとさせる、4つのものの1つだ」

幸せは喜びや楽しみに通じるから、元々知っていたのかもしれないし、単にノッさんの色だから。ってだけかも
しれないが、どちらにしろ悪くない。との話を、イアンから聞いた他のメンバーも、会場の飾り付けから招待状の
色遣いまで、青基調にピンクとハートで埋め尽くしたのは、言うまでもなかった。



そして、
「嬉しくても、涙って出るのね」
と、流れる涙をそのままに笑う彼女が、これからもっと沢山の、喜怒哀楽の混ざり合った複雑な感情を覚えていくことを
願いながら、喜び以外の涙を流す日が来ないよう、全力で守ってみせる。との決意を新たにしたことを、二次会という
名の飲みの席で、ほろ酔いのノブハルから聞かされた中に、それを笑う者は一人も居らず、皆一様に「ノッさんなら
出来るさ」と太鼓判を押したのだった。






2.何か新しいもの


デーボス軍との戦いが終わった後。
相変わらずのようで、それでもやっぱり関係の変わったダイゴとアミィの関係が、更に変わったのは、アミィの
大学卒業を控えた頃のこと。

結月家の一人娘として、いずれはしかるべき婿を取り家を継がなければいけないことは解っていたけど、その相手が
キングじゃ、どこがダメなのよ!
と憤慨するアミィに、
「世間的に見たら、どこもかしこもだと思う……」
と言えなかったのは、愚痴に付き合わされたソウジだったが、世界を股に掛け何でも出来る王様は、職業で言えば
「住所不定  無職」な訳で、学歴どころか学校に通ったことがあるのかすら怪しく、辛うじて日本国籍を持っている
らしいことすらアノ父親からすると奇跡レベルなんじゃ……。が、仲間内ですら密かな共通見解であるからして、
お嬢様相手で無くても、まず認められる訳が無かった。

しかしながら、経歴だけでは分からない、「桐生ダイゴ」が「キング」である所以や彼の人となりは、直に接してみれば
すぐに解る筈だから、アミィの両親を懐柔したいなら、ジェントルを味方に付けろ。とのアドバイスをしたのは、参謀
ポジションのイアンや、それなりの人生経験があるノブハルだったが、根がシンプルでどちらかと言えば激情型の2人が
出した結論は、
「駆け落ちでもするか!」
「YES!  そうしましょう」
で、それを聞いた仲間達総出―イアンに至っては、海外での発掘調査を中断してまで飛んで来たのに―の説得の甲斐もなく、
アミィの卒業と同時に駆け落ちが決行されることになってしまった。
そうなると、一旦決めた以上は多分何を言っても聞かないだろうな。と、早々に悟った仲間達は、じゃあせめて、日本を
離れる前に、式だけでも挙げていけ。と提案したが、ダイゴの答えは
「何でだ?」
というもので、その発言にブチ切れたのは、まさかの弥生だった。

「何でって、結婚式は、女の子の夢なんです!  親御さんに結婚を反対されて、駆け落ちして、これから沢山苦労
 するんですよ。だったら、せめて結婚式だけでも挙げてあげるのが、アミィさんの為なんですダイゴさん!」

そう力説する弥生は、更に

「私は、ダイゴさんのことも、アミィさんのことも好きだから、お二人の為に身を引きました。ですから、私の為にも、
 ダイゴさんとアミィさんには幸せになってもらわないと困るんです。というわけで、アミィさんの夢を叶えてあげ
 なかったら、ダイゴさんであっても許しませんからね」

と続けた。その、無茶苦茶なようで一理あるかもしれない理屈に賛同したのは、こちらもまさかのキャンデリラと
ラッキューロで、

「愛する人の笑顔ひとつ守れないようじゃ、地球は守れないわ、キョウリュウレッド。ピンクはね、わたし達の結婚式の
 手伝いをしながら、自分の時の夢を、たーっくさん語ってくれたのよ」
「そーそー、結婚式は、女の子みんなの憧れなんだぞキョウリュウレッド」


との、喜びの歌姫にして一応人妻なキャンデリラと、楽しみ担当で少女マンガを愛読するラッキューロの言葉には、
かなりの説得力があった。
そこで、ダイゴがアミィに「そうなのか?」と尋ねてみると、
「それは、わたしだって女の子だもの。出来るならしたいわよ。でも、キングは、そういうこと興味ないでしょ?」
との答えが返ってきた。
そして、そのことを耳にした他の男性陣にも

「良いかキング。お前は、いい加減一人で突っ走る癖を改めろ。アミィちゃんは、似た者同士ではあるが、お前とは
 違うんだからな」
「ホントは駆け落ちしないのが一番だけど、それは無しだって言うなら、せめて結婚式くらいは、アミィさんの為に
 してあげなよ」
「そうそう。結婚式は、大抵は花嫁さんの為のものなんだから。これから苦労かける分、それ位はしてあげナイトゲーム」
「左様。アミィ殿の望みを叶えて差し上げるべきにござる」

と、口々に言い聞かせられ、とどめは

「先代のキングっちも、その辺無頓着で、トリンっちに呆れられてたからのぉ。お前さんの戸籍があるのも、トリンっちが
 子供が産まれたのを聞いて、手続きちゃんとしたか確かめたからだぞい」

とのドクターの証言で、それを聞いて流石のダイゴも

「そーかー。トリンにも叱られるか。まぁ、俺はアミィが好きなようにすれば良いと思うけどな」

と、あっさりその件だけは提案を飲んだが、やっぱり駆け落ちを撤回する気は無さげだった。


そんなわけで、場所はスピリットベース。ドレスは既製品と見まごうばかりだがまさかの新郎の手縫い。参列者は
仲間達(獣電竜含む)だけ。という、何か色々無茶苦茶な結婚式は、ある意味実に彼ららしく、アミィも満足げでは
あったが、やはり両親に認められて、大々的にやりたかったな。という夢も捨て切れてはいなかった。と、後から
聞いたのは、弥生だけで、しかしアミィの希望で、そのことは永らく他の誰にも明かさなかった。


その後。予定通りに駆け落ちはしたが、仲間達には定期的に送られてくる近況を、ソウジやノブハルがジェントルに流し、
その情報を更にジェントルがアミィの両親にも伝えていたようで、「子供が産まれた」との報告を受けた所で、
「認めてやるから、孫の顔を見せに帰って来い」
という形でようやく和解が成立した。
しかし、ダイゴは相変わらずの流浪の王様で、婿殿としての役目は果たせそうに無かった。けれど、アミィやその子供達が
跡を継げば問題無いし、どこへ行ってもアミィを帰る場所と定めているなら、それで構わない。と、アミィの両親が態度を
軟化させたのは、アミィが様々な経験を経て充分立派な大人に成長したことや、反対や強制をしたらまた出て行きそうな
ことに加え、ジェントルの説得があったとか無かったとか……。





3.何か古いもの


なんだかんだで、それなりに現代社会に溶け込み、仲間達の尽力で一応戸籍も手には入れたが、妻を娶り子を成すことは
まず無いだろう。と、自他共に思っていた空蝉丸に、
「大きくなったら、ウッチーのお嫁さんになってあげるね」
との宣言したのは、我らが赤い王様とピンクのお嬢様の娘だった。

5歳かそこらのお姫様のセリフに、
「理香や優子も、小さい頃はそんな風に言ってくれたなぁ」
と昔を懐かしんだノブハルを初めとする、仲間達全員が微笑ましく思い、空蝉丸自身も
「おお、拙者に嫁いでくださると申すか。楽しみにしているでござるよ」
と返しはしたが、誰もが幼児期にありがちな発言だと解釈し、本気にはしていなかった。しかし、それから10年強。
四十路も半ばを過ぎてもやっぱり独り身の空蝉丸の元に、

「ウッチー、わたし16歳になったの!  だから、約束通りお嫁さんにしてね!」

と、高校の制服姿のお姫様が宣言しに来た。

確かに、小学校に上がっても、年に数回は「お嫁さんにしてね」とか「ウッチーのお嫁さんになるの」的な発言は
あったし、他のメンバーなどが結婚したり子供が産まれる度、
「で、ウッチーは結婚は?」
「ウッチーには、わたしが居るの!」
みたいなやり取りが交わされてはいた。だがしかし、中学校に上がった頃から、あまり言わなくなっていたので、
やっぱり子供特有の発言だと思っていたのに……。と、空蝉丸当人以外も唖然としたが、
「押してもダメなら引いてみろ。っていうし、あんまり押せ押せだと、はしたないから、セーブしてたの」
とのことで、本気だったらしい。

そんな娘に対し、両親は

「ブレイブだな!  てことは、ウッチーが俺らの息子になるのか」
「WAO!  それはso goodね!」

といった感じに相変わらずで、

(そうだよな。この2人の血を、色濃く継いだ娘だもんな。止まるわけがないか)
(うん。世間一般の常識や感覚とは、別世界に生きてるよね)
(まぁ、規格外なのはウッチーもだし、戦国の世は、政略結婚とかだけど現代よりも年の差婚は珍しく無かったみたい
だから、いっそアリ鴨鍋?)
(逆だと犯罪ですけど、娘さんの方からですものねぇ)

と、顛末を聞いた仲間達も、納得するより他無かった。

そして、空蝉丸自身にとっても、意味合いは違えど大切な存在であることは間違いなく、本気であれこれグルグル
考えてみた結果。
(殿の姫御を貰い受けるは、名誉では無かろうか)
という、正しいのかズレているのか分からない結論に達したとか達しないとか。




4.何か借りたもの


元キョウリュウブルー有働ノブハルの姪で、元二代目キョウリュウシアン福井優子の一人娘である理香は、
小学生の頃から、よくよく考えると大卒で元一流商社マンの伯父と、「おじちゃんのお友達」という名の、
帰国子女の女子大生に、名門高校の現役生徒に、考古学者に戦国の剣士に世界を旅するブレイブな王様。
という、ものすごくハイレベルな面々から勉強を教わっていたため、中学校に上がった頃から、眉目秀麗で
成績優秀かつ品行方正。という、非の打ち所がない「まるふくさんちの自慢のお嬢さん」として評判で、
もちろん大変にモテた。
しかし、理想が天井知らずに高いことでも有名で、けれど本人にはその理想がどれだけ高いのかの自覚は無かった。
というのも、
「ソウジくんやウッチーさんみたいに強くて、イアンさんみたいに物知りで紳士で、ダイゴさん位話が面白くて、
 ノブおじちゃんより力持ちな人」
が理想なのだが、そんな超人、中高生どころか成人男子でも居ないよ。と、例に挙げられた全員を知る、誰もが思っていた。

まず、ソウジや空蝉丸並に強い。は、たとえ実際は全く敵わなくとも、ある程度の剣や武術の腕があれば、何とか
ならなくもない。次いで、イアン並の扱いも、まぁ出来なくはない。しかし、一応曲がりなりにも考古学者のイアンを
上回る知識を持ち、とにかくブレイブなダイゴ並の体験談を持つ輩など、今は亡き賢神トリンや、ダイゴの父ダンテツや
ドクターウルシェード以外に居たら、いっそお目にかかりたいものだと皆思っており、一番ハードルが低そうなノブハル
以上の力持ちも、大抵の男子が理香本人にすら腕相撲で勝てない時点で、無理である。

そんな理香が、結婚を決めた。との情報を耳にした時。日本に居なかったメンバーですら、帰国したり電話で相手が
何者なのかノブハルに問い合わせてきたが、

「それがねぇ、大学時代の先輩らしいんだけど、理香が昔挙げてた条件とは、あんまり当てはまらない人っぽいんだ」

とっても礼儀正しくて、人も好さそうで、好印象だったけどね。と付け加えたノブハルの説明によると、地方出身で、
おっとりとした雰囲気の大人しそうな青年だが、武道を嗜んでいるらしく、見た目に反して結構強く、しかしちょっと
お人好しすぎるので、「私が付いててあげないと」と思ったのだという。

「とりあえず、理香に腕相撲で勝てて、誰にでも優しくて親切らしいけど、どちらかと言えば口下手で、僕に言われたくは
 無いだろうけど、ちょっと野暮ったくて冴えない感じ。っていうのが、僕の印象かな」

との人物像に、一同首を傾げはしたが、結局
「理香ちゃんが選んだ人なんだから、良い人に決まってるし」
と、詮索はせずに、素直に祝福することに決めた。


けれど、結婚式当日。こっそりと優子とキャンデリラこと喜美子が教えてくれた所に依ると、

「これ言ったら、絶対に兄さんが手放さなくなっちゃうから、内緒にして。って頼まれたんだけど、兄さんと、ちょっと
 似てたんですって」
「大学の、サークルの、歓迎会?  の帰りに、酔っ払いの人に絡まれて、その時に、身体を張って守ってくれたのが、
 キョウリュウブルーとダブったんですってぇ」
「柔道と少林寺拳法の段持ちで、投げ技が得意らしいわ」

とのことで、確かにそんな話を聞いたら、お父さん代わりとしては、
「理香はどこにもお嫁にやりません!」
とか言い出しそうだし、そうか俺らの要素も混じってはいたが、理香ちゃんの理想はノッさんだったか。そりゃ、
どれだけイケメンに口説かれても、なびかないわけだ。と、一同大いに納得してしまった(笑)


その夜。理香が産まれてから今日に至るまでの話を、ベロベロに酔いながら仲間達に延々と語るノブハルの様は、
完全に一人娘を嫁がせた花嫁の父そのもので、

「理香ちゃんが居なくなるのは、ちょっぴり寂しいけど、わたしも、優子さんも、ラッキューロも居るじゃないの。
 だから、キープスマイリングよ♪」

と笑うキャンデリラにも、「でも……」とぐじぐじ拗ね続け、

「私の時は、そこまで荒れなかったわよね兄さん」

と、優子に若干ムッとされたが、全部込み込みで「やっぱ家族って良いよな」と思わせるような、とても幸せな光景だと、
皆思ったという。





本編ろくに観てないのに、勢いだけで6月の花嫁にちなんで(?)、好き放題書いてみました。 共通テーマは「結婚」と「女の子は無敵」です 2014.6.8