14年前

「滝しゃん。お花あげるー」
「ああ。ありがとう、しろ」


「滝さん。コレ、家庭科の時間に作ったエプロンなんですけど…」
「あ、俺も。作ったんじゃなくて、買ったやつだけど」

「ちょっと待て。金吾、三之助。お前らは、母親が健在だろうが」

「うちの母さんは、『エプロンはたくさん持ってるから、滝さんにあげたらどうかしら』って」
「うちのお袋は、『普段世話になってんだから、あっちにも同じもん買ってらっしゃい』だそうッス」



「滝ちゃん、かたたき券とマッサージ券、どっちがいい?」
「どちらもいらん!」





現在

「滝さん。今日は、家事しなくて良いです! 僕達で、きり丸さんに頼みました」
「そうか。ありがとう四郎兵衛」
「金吾兄ちゃん達も、お金出してくれたんですよ」
「わかった。後で若い衆にも礼を言っておく」


「滝ちゃん、今日ヒマなんでしょ?  何処か出掛けよう。僕が奢るから」
「きぃ。毎年言っているが、何でお前まで、母の日に私に何かしようとするんだ」
「ん〜。何となく?」


「滝ー。何か欲しいもんあるか?」
「そうですねぇ。乾燥機でしょうか」
「業務用の?」
「はい」
「洗濯機に、釜に鍋に冷蔵庫に掃除機に、ここ数年そんなのばっかだな。しかも全部業務用のデカいやつ」




元母の日限定拍手お礼 七松組の姐さん(違)は、拾いっ子が小さい内は「無下にするのもどうか」と思い、大人しく祝われていて、 その後年々慣れて当たり前になっていったけども、従兄にまで母親扱いされたくない模様。 2009.5.11