「ねぇ、作。今年も下坂部君のお花見案内好評みたいだけど、普段は業務とズレた相談に乗ったり
長話してると怒るのに、何でアレはありなの?」
「……花見の相談も、突き詰めりゃ『生活相談』の一種だし、アイツのアレで商店街の売り上げが
伸びたらしいからな」
「ああ。確かに、あの花見弁当とか桜餅とかのおススメ聞いてると、食べたくなってくるよねぇ。
実際今日も、お昼とお茶受けに買って帰ってくるよう義兄さんに言われてるし」
「それだけじゃなくて、たけマート本店の地酒も花見客以外にも売れてるらしいし、他にも普段
商店街を利用しない人なんかも『ついでに』とか『花見で食べておいしかったから』とかいう
理由で買いもんしてったりするんだと」
「ふぅん。で、作の方は、今日も僕とこうやって雑談できる位ヒマなんだね」
「平日はな。休日や週末は、それこそ花見客に関する苦情の処理に追われて、俺自身が花見に
行ったのなんて、もう何年前の話だろうな……」
「御苦労さま」
「ところで数馬。今日は役場に何の用だ?」
「ああ。そうそう。忘れる所だった。うちのバイトくんから下坂部君への届け物と、コレは藤内から君に。
どっちも何か借りてた物みたい。あと、税務課に義兄さんにお使い頼まれたんだ」
先週書いた物のオマケでした
2011.4.25
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