推定卒寿(90歳)越えながら、未だお達者な大川平次渦正学園長は、相変わらずはた迷惑な思い付きが大得意で、
今回の思い付きは
「2学年ずつ、各5日間委員会を入れ替えじゃ☆」
だった。
作法委員6年 立花泉様の場合
富松「……流石、6年で立花先輩のご子息だな。器用なもんだ」
泉「どうも。罠作りで慣れていますし、食満殿は僕の師匠ですから」
富松「どういうことだ?」
泉「もちろん、一番尊敬していていて目標でもあるのは父上ですが、2番目か3番目に尊敬しているのが
食満殿なんです。器用で人当たりも面倒見も良くて、腕っぷしも強いなんて、すごいじゃないですか」
富松「まぁ、確かにそうだな」
泉「ですから、たまに修理や改良の相談に乗っていただいたり、手合わせをしていただくこともあるんです」
会計委員3年 潮江文多のバヤイ
森蔵「意外と手当も調薬も上手いし、妙に医務室の配置に詳しいんだねぇ、君って。よく怪我して
通い慣れてるから?」
文多「それもありますけど、うちの母ちゃん薬師なんすよ」
川西「おまけに、お前は覚えてないだろうけど、僕がまだ新米の頃に、新野先生がお留守にする時なんかに
臨職をお願いしていたこともあるんだよ」
文多「あと、母ちゃんの助手してた猪名寺先生は、ここの卒業生で川西先生の後輩だし」
森蔵「『猪名寺』さん? 何か聞いたことある名前かも」
川西「……お前の3人前の不運小僧だよ、5代目」
学級委員2年 不破風早の場合
藍之丞「どうしたの、風早。『私なら、どこの委員会に行っても卒なくこなせる』とか豪語してたのに、
妙な顔して。どこ引いたわけ?」
風早「ああ、ランタン。会計なんだが、確かに委員会自体は何処でも問題無くこなせるだろうが、会計には
副顧問で兵助が居るんだよ」
藍之丞「そうだね。けど、何気にどこの委員会行っても、親御さんの学生時代の知り合いだらけじゃない」
風早「父上達の現役時代を知っている先生方も、先輩後輩もそのお子さん方も確かに多い。しかし、父上の過去から
現在に至るまでの所業を把握していて、かつ私や父上が何をしようと流すのは兵助位のものなんだ」
藍之丞「ふぅん。そこまで言うって、どれだけ何をやらかしたの、君ら父子は」
生物1年 土井晴丸&体育1年 七松鶏介の場合
鶏介「お。俺生物だ。晴は?」
晴丸「……。学園長に嘆願して、変えてもらってくる」
鶏介「へ? ホントどこ引いたんだよ」
晴丸「火薬」
鶏介「あー、親父さんとこか。そりゃ無理だな。変えてもらえるか解んないけど、俺も一緒に頼みに行ってやるよ」
晴丸「ありがとう。じゃあ、僕は生物の注意事項教えてあげるね」
鶏介「助かる。けど、多分大丈夫だと思う。ある程度は慣れてるし」
晴丸「ああ、うん。君のうちって、山の中らしいしね」
用具委員4年 浦風内海の場合
笹山「うわぁ。すごい懐かしいっていうか、やっぱり浦風先輩似だね、内海」
内海「それはどうも。この場合、素直に喜んで良いのかは怪しい所ですが」
笹山「えー。僕的には、褒めてるつもりなんだけど。だって、首フィギュアの修繕も巧いし、大体の作法は
バッチリで、オマケに物の配置まで把握してるとかすごいじゃない」
内海「それはまぁ、一応父さん仕込みですし、こういった事態の時の為に、各委員会の要点は聞いていますので」
笹山「え? それって、全部の委員会分?」
内海「いえ。残念ながら、父さんやご友人の所属していた委員会分だけですので、正直引き当てたのが作法で
助かりました」
笹山「そっか。……ホント先輩似だね、内海」
内海「どういう意味ですか?」
笹山「んー。後で、君のとこの本来の顧問の富松先生に訊くと良いよ。アレコレ教えてくれるだろうから(笑)」
オマケ 用具委員5年 平生人吉+保健委員5年 樹衣森蔵のバヤイ
1年生「あれー。人吉先輩、何でいらっしゃるんですか?」
人吉「何でって……」
1年生「今日から、5年生と2年生が委員会交代ですよねぇ?」
人吉「……うん。おれ、用具委員だから、普段は」
1年生「あれぇ? そうでしたっけ?」
人吉「そうなんだよ。おれと森蔵は、おんなじ組だから」
1年生「あー、そっか。そういえばそうですねぇ。じゃあ、樹衣先輩はどこの委員会に行ったのか知ってますか?」
人吉「作法だよ。……それはもう目を輝かせて、『死に化粧と解剖の作法を覚えて来るね★』って言ってた」
元拍手御礼
浦風義息子は途中で足したけど、斉藤のお嬢(作法)を忘れてたことに、今気付きました……
2012.9.23(拍手期間 2012.6.17〜9.22)
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