クリスマスはバイトで、年末は何故か大量のおせち作りに追われ、年始は母さんの方に顔出したり、
クソ親父やターバンとターバンの部下達―うちは表向き一般家庭なんだから、連れてくんなよ!―が、
うちに溜まって飲んでんのの給仕をやらされたり何だりしていたんで、この所長期休み恒例と化して
いる某所には連れて行かれないですんだ。
……のだが、失念していた。正月明けにまたすぐある、3連休の存在を。
という訳で、例によって例の如く、俺はまた光の国に連れて来られている。
しかも、年末に大量に作らされたおせちの半分―残り半分は、ターバンの部下共に食いつくされた―は、
クソ親父が正月の内に持って来てたらしく、何かやけに礼やら感想を言われた。
ってことは、今度は鏡開きの汁粉か雑煮とか、ちょっと遅い七草粥の炊き出し的なことでもやらされんのか?
そんな風に、今回連れて来られた理由を考えていたら、
「こないだ来たらね、ゼロくんに友達出来てたから、お前にも会わせてみようかと思って」
と親父に聞かされたので、どうせ類友のケンカ友達系だろうけど、まぁ良かったんじゃないかと思ったが、
「学級委員長タイプで引き籠りで多分マザコンな子と、喧嘩っ早くてお笑い担当っぽいホッカイロくんと、
変形ロボな焼き鳥くん」
という、訳の分からない説明をされた。特に、ホッカイロと焼き鳥って何だよ!
その疑問は、引き合わされてお互いに自己紹介をしている最中に解けた。
要は、炎を操れるグレンファイヤーって奴の仇名の付け方がおかしく、そいつに「焼き鳥」と呼ばれている
変形ロボらしいジャンボットが、代わりに「ホッカイロ」と言い返したらしく、残るミラーナイト―コイツが
妖怪共の言う所の「引き籠りだった学級委員長」だそうだ―が名乗ったり、俺が名乗ったり、お互いとゼロの
関係とかを説明し合ってる間も、ずっとそんな下らない言い合いを繰り返していた。
「……お前、何かちょっと成長した上に、あんなめんどくさそうなのと組めるようになったんだな」
結局、いつものメンツに手伝ってもらいながら雑煮や汁粉を大量に作った後。相変わらず態度の悪いツンデレ
ヤンキーのようで、セブン達に言われなくてもレイをみてやったり、グレン達を放置しつつも時々つっこみを
入れたりしているゼロの様に、そんな感想を漏らすと、「まぁな」と、ぶっきらぼうながら照れ隠しなのが
見え見えの答えが返ってきた。
僅かとはいえ成長して、友達というか仲間が出来たんなら、俺がゼロに何か教えたり相手してやる為に
こっちに連れて来られることは減るだろうと思った。というか、減って欲しい。
けど、やっぱり無理な話なんだろうな、どうせ。
特に深い理由は無く、単にみこっちゃんとも顔見知りにしてあげたかっただけ。
そんな、ノリと勢いで書いてみた代物でした
2011.1.10
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