「なぁ、尊。お前の名前って、親父が地球で使ってたのと同じって本当か?」
	「は?」
	「ああ。そういえば、『モロボシダン』だから、同じ苗字だねぇ。あと、同じ名前と言えば、
	 ティガくんのお嬢ちゃんも『ヒカリ』ちゃんっていうんだよね?」
	「ええ、まぁ……」
	「お前も子供いたのか!?」
	「正確には、僕の半身であるダイゴの娘が、『ヒカリ』っていうんだよ」
	

	(光の国部屋の掲示板ログ 転生タソガレドキ父子+ゼロとティガ)


夏休みのある日。親父から5千円札を1枚ポンと手渡され、 「コレで、買えるだけカレールー買ってきて。銘柄はなるべく色々で、甘口3:辛口2:中辛5位の割合でね」 と言われた。多分、光の国の連中の所へまた訊ねて行く時の手土産か、お中元の季節でもあるな。 けど…… 「1箱精々2〜300円もしないもんを、んな大量に買ったら不審がられるだろ。しかも全部銘柄や辛さ違うとか、  どんな客だよ」 「平気平気。この時期、合宿とかキャンプとかで、大量に買ってく人珍しくないし、メモ持ってけば、色々好みが  煩い人達にお使い任されたみたいに見えるから」 ……。面倒で行きたくないから屁理屈こねたの、解っててマトモに返しやがったな、この親父。 「ちなみに、私はこれでも学校の先生だから、色々やることあって、これから出掛けるんで、お使いよろしくね★  どうせお前は、今日はヒマでしょ」 すげぇイラっとくる。けど、反論の余地が無いのが、更にムカつく。
予想通り、お盆休みに妖怪共に連れられて光の国に行ったら、向こうにも小学校や何かがあって、一応夏休みも あるらしく、ボーイとかいうチビっこいのが、 「宿題の自由研究に、色々聞かせて下さい!」 とか言って寄ってきた。 色んな意味で面倒臭いんで、ほったらかして逃げようとしたが、途中で遭遇した平成組の連中曰く 「アグルにも平気で話しかけるような度胸のある子だし、結構しぶといから、とりあえず相手してあげて、適当に  答えちゃうのが、一番手っ取り早いよ」 とのことらしい。……何者だよ、そのガキ。