コマ回し(家族モノ)
	「こへおじちゃーん。コマの回し方教えて」
	「おー、良いぞ。……って、アレ? 上手くいかないな。文次、ちょっと見本見して」
	「貸せ。お前はヒモの巻き方が雑なんだ。……こう巻いて、勢いをつけて回せば、っと」
	「おぉー。父ちゃんうめぇ」
	「……まぁ、小平太よりはな」
	「けど、文次も兄ちゃんも、ヒモの上渡したり投げたりとか、出来るよな」
	「文次おじちゃん、そんなこと出来んの!?」
	「簡単なのならな」
	「すっげぇ。やってやってー」

	「……お父さん、ああいうの上手なんですね」
	「まぁ、子供時代に散々やってるからね。……他の遊びはともかく、コマだけは普通のコマもベーゴマも、
	 留兄と文次は実力が均衡してたけど、こへはからっきしだったんだよねぇ」
	「おとーさん。べーごまできるの?」
	「うん。未だに持ってて回せる筈だよ。だから、今度『教えて』って言ったら、きっと喜ぶよ」





お年玉(転生)
	「……」
	「どうした、ちぃ?」
	「今、みんなからもらったお年玉を確認してみたら、全員1万円以上入ってて……」
	「潮江からもか?」
	「あ、いや。文次は千円。でも、正直その位で充分なのに」
	「まぁ、他の連中にとっても、元親友で可愛い姪っ子みたいなもんだし、全員結構稼ぎのある独身だからな。
	 ありがたくもらっとけ」
	「……うん。それじゃ、今年もこのお年玉の一部を貯金して、残りを使っていくから、お小遣いは要らない」
	「解った。親としては情けないけど、そうしてもらえると助かるのは事実だしな」


(※ちぃ姫こと、元伊作な千幸ちゃんは、留さんの娘で父子家庭です)




おせち(七松組)
	「昨日、スーパー福富でおせちの予約のポスター見たんだけどさ、七松組とか毎年大変そうだけど、
	 注文してたりするのかなぁ」
	「んー。滝さんの手作りだって、前に金吾が言ってた気がするけど?」
	「ってことは、何人分でどれだけ時間掛かるんだろう」
	「七松家の人達の分と、幹部や来客用だけで、3段重3〜4個程度らしいぞ」
	「へぇー。そうなんですか」
	「平が作るのは、田作りやなますなどの古典的な品ばかりだからな。若手がほとんど食わず、
	 そのことにキレて以降、身内と客の分しか作らんことにしたそうだ」



百人一首(無月)
	団「休み明けに、百人一首大会とか、めんどくせぇ」
	伊「そう? 僕は毎年家でやってたから、割と楽しみだけど」
	しん「ああ。だから伊助、強いんだぁ」
	喜「上の句読んでる間に、バシバシ取るもんねぇ」
	三治「でも、それは兵ちゃんや庄ちゃんもじゃない?」
	庄「僕は一字決まりや、すごく有名な句しか覚えてないよ」
	兵「僕も、それ以外に好きな句はあるけど、伊助には敵わないかな」
	虎「竹谷先輩から聞いたんだけどさ、鉢屋先輩は恋の歌は全部覚えてるらしくて、すごいけどキモイって」
	きり「不破先輩は、一応全部覚えてて言えるのに、取る時には迷うから、1枚も取れなかったりするらしいぜ」
	乱「保健委員の先輩方は、一応それなりに覚えてるのに、何故か自分の前の札は殆ど読まれなくて、
	  読まれても誰かの得意札で取られちゃうことが多いって……」



すごろく
	「何で右に進むんだ左門!『奇数だったら左』って書いてあるだろうが!」
	「すごろくでも方向音痴か。そこまで行くと見事だな」
	「……また1回休みかぁ。何で僕は、1回休みか『○マス戻る』位しか止まれないんだろう」
	「不運だからじゃねぇの?」
	「うるさい三之助! 『○マス進む』とか『もう一度さいころを振る』ばっかで、さっさと上がったから
	 ヒマなのは解るけど、そんな無駄な所が先輩に似ててもどうしようも無いくせに」
	「確かに、迷う間もなく上がったよな。……『○マス進む』と『○マス戻る』で行ったり来たりを繰り返して、
	 ついさっき『上がり』の手前でふりだしに戻った俺も、不運だよな」
	「そうだな。まぁ、それでも特に変わった指示のマスに止まらず上がるよりは、楽しいんじゃないか?」
	「そういや孫兵は、罰ゲームマス1回も止まんなかったな」
	「逆に、罰ゲームマスに一番多く止まったのは、数馬か?」
	「1回休みとか戻るのなら僕だけど、それ以外は作だと思う」




お正月仕様の、元拍手お礼 短いので、各部屋に分けずにまとめて挙げてみました