1 「暑い!」 「そりゃ、夏だからな」 「という訳で伊作。海と川とプール、どれが良い?」 「え?」 「海ならプライベートビーチ。川ならキャンプ場。プールも各所の優待券を持っているから、泳ぎに行くぞ」 「すげー、さっすが仙ちゃん」 「絵に描いたような、典型的な良い所の坊ちゃんだからなぁ」 「いや、でも、水着持って無いから……」 「そんなもの、いくらでも買ってやる。という訳で、まずは水着選びだな。……お前らも選びたければ、 ついて来ても良いぞ」 「……男5人で、水着選び」 「案ずるな長次。私も女装で行けば、女子2人に男4人ならば、そうおかしくは見えない筈だ」 「そうかなぁ……」 2 「いさっく……じゃなくて、いさちゃん! こんなのは?」 「ごめん、こへ。そういうのは、胸無いと無理だから」 「そっかぁ」 こへと伊作 「やはりここは、清楚なワンピースタイプか」 「いや。それよりも、キャミソールとパレオが付いたやつの方がいいだろ」 「それもそうだな。では、そうすると、この辺りだな」 保護者様ペア 「……お前は、好みを主張しなくて良いのか、文次郎?」 「俺は、無理矢理連れて来られただけだ」 「そうか」 「長次! コレとコレなら、どちらが良い」 「その2つなら右だが、それなら、色は白よりも茶色の方が似合うように思う」 「……。お前は好み主張すんのかよ」 「ああ。その為に来たんだろう?」 長次さんと文次郎 3 「ねぇ、文次。この中ならどれが良いか、選んでくれる?」 「何で俺が」 「コレ、全部みんなのイチオシなんだけど、みんながみんな譲らないから、決着つかなくて」 「んなの、お前が好きなのにすりゃいいだろ」 「そうなんだけど、どれもイマイチピンと来なくて」 「なら自分で選べよ」 「まぁ、そうなんだけどねぇ……一応、参考までに文次のおススメも訊いていい? 色とかだけでも良いんだけど」 「……んじゃ、そこに飾ってあるやつ」 「あ。結構良いかも。じゃあ、みんなにも訊いてみるね」