ある日レイは、警備隊の近所の公園で、1人でゴモラと遊んでいました。
	普段は大抵誰か保護者が一緒にいますが、近所でも評判のマッドサイエンティストの養父―セブン―に大量の
	護身具をこっそり持たされ、大きな獣―ゴモラ―に守られ、ついでに近隣住民が家族やその他顔見知りの面々を
	把握している為、不審者は近付けないだろうし、何かあったら分かるので、短時間なら1人にしていても大丈夫
	だろう。ということで、この日もマンが近所のスーパーで買い出しをしている十数分だけ1人で遊ばせていたの
	ですが、その間にレイに近づいた少年がいました。
	けれど、じ公園にいた他の子の親も、通りすがりの近隣住民も、斜め向かいのガソリンスタンドのバイトくん達も、
	その少年はレイの義兄のゼロだと思い、気にしませんでした。しかしレイが「ぜろ?」と呼びかけると少年は

	「オレハ、ゼロジャナイ」

	と片言っぽく答え、よく見るとゼロは銀髪なのに少年は黒髪だったり、服の色なども違いました。
	その謎のゼロ似の少年は、その後何をするでもなく、ゴモラと遊ぶレイを眺めていて、レイもまだ幼い上に元々
	あまり自分から他人に興味を持たないので、特に気にしていませんでした。そして買い物を終えたマンがレイを
	迎えに来た時には姿を消していましたが、その後もレイが1人で居るとふらりと現れ、とりあえずゴモラに興味が
	あるように思えたので、一緒に遊びに誘ってみたりもしました。そしてその内に、姿は見られないようにしつつ
	後ろをついてきたり、家の近くにも現れるようになりました。

	けれど、遊んでくれても力加減が下手でレイやゴモラに怪我をさせてしまったり、警備隊の面々を避けてはいる
	ようでも周囲には目撃されており、誰がどう見てもゼロとそっくりなので、色々噂になりつつあったりします。
	その噂の内で、最も有力だと囁かれているのは、
	「あの子はゼロくんの兄弟ではないか」
	というもので、特に双児説が有力ですが、今の所真相は定かではありませんし、噂でその存在を知った兄弟達が
	セブンに問い質した所

	「俺の子は、ゼロだけ……の筈だ!」

	という、何とも心許ない返事が返ってきましたが、こっそりマンにだけ洩らした言葉曰く

	「俺がアイツの、ゼロの事を知ったのは、生まれてから少し経った頃なんで、もしかしたらもう1人居た可能性も、
	 無いとは言い難いんだよ」

	とのことだそうです。




公式が判明する前に、「ゼロの双児のお兄ちゃんだったらいいのに」との願望を込めて書いてみました。 ホントは、もうちょっとブラックくんのセリフや描写を入れたかったんですが、レイちゃんとの会話が成立しなそうな 気がしたし、色々確認が面倒だったので、今回は省いちゃいました。 その内、他のメンツとの顔合わせも書けたらなぁ…… 2010.8.14