ある日。医務室に預けられていたレイが、隅っこでゴモラと遊んだりお絵描きをしながら、時々猫が
顔を洗うように、顔を腕でこするような仕草をしていることに気がついたのは、ユリアンでした。
そしてよく見てみると、どうも伸びてきた前髪が邪魔なので払っていることが解ったので、持っていた
髪ゴムで結んであげたら気に入ったようで、めずらしくにっこりとレイが笑いました。その、とっても
レアな笑顔に、ユリアンがはしゃいでいると、他の職員達も「どうかしたの?」と集まって来て、特に
急ぎの仕事も急病人や怪我人もいなかったので、みんなでレイを囲み、自前のヘアアクセを持ちよって、
アレコレ髪型を変えたり、結び方を教えてくれたりして遊んでくれました。
そんなわけで、それからしばらく「かみのけをむずぶこと」がレイのお気に入りになったようでした。
しかも、自分が結んでもらうだけでなく、人に結ぶこともです。
一番最初に結んでみたのは、居間でうたた寝をしていたゼロで、ウサミミっぽい謎の髪型は、ボンボンを
結びつけるのにちょうどいい感じでした。続いて、長髪のセブンの後ろ髪も結ばせてもらい、あまり上手
には出来ませんでしたが、それでもどうにか結ぶことが出来ました。
しかし、母やメビウスのツインテールや、ヒカリのポニーテールなどは難易度が高いようだ。という話を、
マンが預けるついでにティガに話し、それをティガがガイア達にもした所。
「じゃあ、僕かアグルの髪で練習してみる? ティガの長さだと、下の方でちょっとくくるのは出来ても、
上にあげるのは無理でしょ」
ということで、ヒカリと同じ位の長さのガイア―アグルには嫌がって逃げられました―の髪で、色々と遊び
ながら練習してみた結果。一度シンプルなゴムで結んだ上から、ボンボンやシュシュをつければ良いんじゃ
ないかとの解決策が出ました。
なので、それ以降。可愛らしい髪ゴムをつけた母やメビウスはまだしも、もこもこのシュシュで髪をくくった
セブンだのピンクのハートのボンボンをつけたヒカリだのという、奇怪なものがしょっちゅう目撃された
だけでなく、「長い奴ばっかずりぃ」と言い出したエースやタロウなどの髪に、ヘアピンやヘアバンドなどが
ついていることがあったのは、ガイアや21の仕業との噂ですが、実際は純粋に
「えーすに、『せぶんにぃたちはずるい』っていわれた」
と言ったレイに、ユリアン達が面白がって
「じゃあ、代わりにコレをつけてあげるといいわ」
とくれたんだとか(笑)
以前、雑談中に出たネタを、ハニカがイラストにしたり私が小話にしてみたことがありまして、
それをレイちゃん3歳児版で書いてみた。ってな感じです。
元ネタと擬人化での髪の長さは、姉さんの所を見に行ってくださいませ
2010.11.5
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