今年も警備隊+αで開催されることになったハロウィンは、
「統一感があった方が面白いかもですね」
というガイアなどの思い付き提案に、特に異論を唱える者が居なかったので、各自何かしら自分と関わりのある
怪獣や星人の仮装をすることになった。
そんな訳でハロウィン当日。ウキウキそわそわ嬉しそうに、お手製の怪獣型かぼちゃクッキーを配り歩いている
シーボーズ姿のマンに近付いてきたのは、被り物や着ぐるみとは思えない金属音を響かせたキングジョーだった。
「……重くて暑くない? それ」
「重さは、軽量化した特殊合金を使っているからそうでもないが、暑いし蒸れるな」
呆れ顔のマンの問い掛けに、頭を取ったキングジョーの中身は、セブンだった。
他にもロボ系の仮装をした隊員は居たが、本物の金属を使ってるのは君くらいのものだよね。とのマンの呟きに、
「レイが、『ゴモラも何かコスプレしたいと言っている』って言うから、同じ金属でメカゴモラのパーツを
作ってやったぞ」
とのことで、確かにゴモラなレイとメカゴモラなゴモラの2匹連れが、後で目撃された。
そんなレイ達を引率していたのは、誰もが予想した通りにピグモンなゼロと、「ニセモノ!? ううん。先代」な
ファイヤーマン・ミラーマン・ジャンボーグA・ジャンボーグ9だった(笑)
そして、他の隊員はというと、
ホー@80、カネゴン@ゼアス、リドリアス@コスモス辺りがベタな感じで、
「メビウスが、可愛くない(泣) メビウスの所の怪獣って殆ど僕らの誰かの所ので、確かにあんまり可愛いのは
居ないような気がしなくもないけど、それにしたってファントン星人って!」
「って、モチロンが言うなよ。……ジャック兄も怖ぇし、可愛い感じなのはマン兄と俺位かよ」
「私の何が怖いと?」
「怖いと思います。『ツインテールを引き摺らないで下さい!』って言ったら、今度は担いでますし……」
そんな、グドン(オプション:ツインテール)なジャックと、ルナチクス=ウサミミなエースに、某洗濯機のCMの
ように胴体に臼を着ているようなモチロンタロウ、ファントン星人メビウスに、
「俺を選んだ感性は良しとするが、俺の格好で、俺より持て囃されるとはどういうことだ!?」
と、ザムシャーに言いがかりをつけられ斬りかかられたヒカリや、
「速やかに、鎧を隊長に返却して下さい!」
「えー。ちゃんと借りるって言ったよ」
「『借りるよ』とだけ言い残して勝手に借用していくのは、借りたとは言いません!」
などという言い争いをしながら、白い美女―アウラ―に追い回され、
(緑の方にしとけば良かったのに)
と弟達に心の中で総ツッコミを受けた、メロスの白い鎧姿のゾフィー辺りは、割と解り易くはあった。
他にも、
「えーと、それは何だっけ?」
「僕がリットルで、兄さんがガロンです」
「アストラが選びました」
(あー、ガロンとリットルって、「兄弟怪獣」だっけ。そういや)
と納得された獅子兄弟や、同じようなノリの、
「僕とネオスが協力して倒した怪獣だし、2体で対だしねvv」
という21セレクトのノゼラとサゾラな21とネオスも、言われてみれば納得な理由だったが、21達の方は、
そこに辿り着くまで、散々っぱら他の隊員の地雷を踏みまくる怪獣―EX.ゼットン、ヤプール、バードン―に
化けまくり、「そもそも僕らと関係無いでしょ、それ」とダメ出しを食らいまくっていた。
一方、
「え。それ、ゾグだよね?」
「そうですよ。僕が第一形態で、アグルが第二形態ですv」
という、平気でラスボスをセレクトしているガイアに、
「ティガ。それ何星人?」
「マノン星人ですが、人型に近い星人は、顔まで無いと解り辛いですよね」
「ってか、今年はちゃんと仮装したんだな」
「……ガイアが、コレとキリエルとカミーラを選択肢に挙げて来て、突っぱねたら面倒臭そうだったもので」
「折角なら、僕と一緒に綺麗系も良いなぁって思ったんですもん」
ということで、渋々で、しかもそれも微妙にトラウマというか根に持ってる回の星人では……なティガと、
ついでにアグルも拒否するのが面倒だっただけらしかった。
そんなテンション低めの面々と対照的に、生き生きとかつハロウィン向きっぽい仮装を選んだのは、
マウンテンガリバー5号のダイナと、メトロン星人のマックスだったが、
「ゼノさん、それ……」
「上から順に、ミケ・クロ・タマですが?」
自分が戦った相手は少ないしゼットンはアウトなので、マックスの所のなら良いでしょう。と、普段の
猫耳帽からの連想でかゼノンが選んだ宇宙化け猫は、縦に並べるとジャシュライン、横並びだとダダや
ギギっぽいと言われたが、本人的には「何か問題がありますか?」といった感じだったらしい。
そんなゼノンと似たようなポジションの、ジャスティスとレジェンドは何の仮装をしていたかというと、
「アレ何星人? ていうか誰!?」
「ジャスティスで〜、カオスヘッダーだよぉ」
様々な怪獣や星人の仮装の隊員+αが行き交う中。ガイアのゾグ(第一形態)並か、それ以上に綺羅綺羅しい
美人が目撃され、確かにその横には、リドリアスなコスモスと、ロボだか怪獣だか良く解らないのが居た。
「私は、規定に沿うならばレイジャかサンドロスもしくはゴルメデ辺りだろうと言ったのだが、コスモスが
ごり押ししたんだ……」
「だってぇ、似合うと思ったし〜、グローカー系はレジェンドがやれば良いと思ったんだもん〜」
目潰しかという勢いで光っているので解り難いが、どうも真っ赤になっているジャスティスに、ガイアとほぼ
同様の理屈を挙げたコスモスに、グローカービショップなレジェンドも、静かに頷いていた。
といった感じで盛り上がっている警備隊内を、可愛いどころか怖いかグロい敵しか居なかったが、それでもまだ
マシなガルベロスの仮装をしようとしたが、21に借りた着ぐるみの臭さと暑さで気分が悪くなって、医務室
行きになったネクサスに代わってぶらついていたノアが、ゼロ達に何のお菓子をあげるか、それとも悪戯でも
しちゃおっかなぁ。などと考えていると、視界の端に、ドッペルゲンガー的な、自分と同じ格好の人物が映った。
そしてその人物は、「まさか」と思うまでも無く振りかえると、やっぱり赤眼の粘着質なストーカーで、
「何で居るのぉ、ザギ」
「我らを招待したのは、お前ではないのか、ノア」
「そうですよ。『ファウストちゃんがコレ着てくれるなら、来ても良いよ』って、衣装送りつけて来たのは
そっちでしょう」
ということで、白い髪のカツラに結構際どい衣装のハーランコスのダークファウストや、「ついでなんで」で
ペンドラゴンのクマノ&「ザギ様の代わりに」でダイルの格好な男2人をお供に引き連れており、通りすがりの
レイに大いに困惑されただけでなく、何故かメビウスにも、彼らしくない苦虫を噛み潰したような顔をされた。
「って、レイはともかく何でメビウスもだ!?」
「えっとねぇ、ヒルカワ・メフィラス・ソリチュラ、あとメイツ星人もかな。は、メビウスが『人間が一番怖い』
って思いかけた原因。要は、トラウマの引き金なんだよね」
そんな理由を、ゼロがタロウ達から聞いたのは後の話になるが、そんなこんなで、だいぶカオスなハロウィンと
なったが、「ナイスの部屋」繋がりでマグマ星人の格好で隊内レポートをしていたナイス曰く、
「ボーイくんも大絶賛の、ナイスな出来ばかりだったぞ☆」
とのことらしい。
2012年版ハロウィンでした。
全員分仮装を考えたら、それを出すだけで
いっぱいいっぱいになっちゃったけど、
書いてて楽しかったですv
2012.10.27
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