セブンの養いっ子レイとジャンボットの弟分ジャンナインの共通点は、見た目は大人のように見えるが
	中身は幼児なことで、保護者達に見守っている余裕が無いが、保育室に預ける訳にもいかない時などは、
	医務室の隅っこに預けられていることが珍しくない。

	そんなある日。宇宙風邪が流行っているので銀十字軍は忙しく、保育室の職員や児童にも休みがチラホラ
	居たので、2人は保育室の端の方で、「非番で暇なんだったらぁ、お手伝いしておいで〜」とコスモスに
	貸し出されたレジェンドに子守をされていた。

	レジェンドは、2人揃って性別不詳のコスモスとジャスティスの子供(多分)で、表情と口数と語彙も若干
	乏しいため、レイ達と似たような急速成長かと思いきや、案外そうでもないらしく、ジャスティス曰く
	「言っておくが、アレでも精神年齢はゼロとメビウスの中間程度だ」
	とのことだが、中二病全開のツンデレ小僧と世間知らずで天然な末っ子の間って、精々高校生くらいで、
	やっぱりまだまだ子供なんじゃ……とは、突っ込んではいけないらしい。

	そして、高校生でも幼児からすれば充分お兄ちゃん(?)だし、コスモスの所のリドリアスとレイのリトラは
	同じ鳥系で仲良しで、ナインもナイスやグレンのようなテンションが高くてたまに理解も検索も難しい相手
	よりは、訊けば教えてくれるが無駄話はほとんどしないレジェンドの方が良いようなので、保護者達も
	「困ったことがあったら、銀十字の誰かやナイスを頼ればいいし」と、安心して任せていた。

	だがしかし、「何時なんどき何があるかわからないし」と言い訳をし、ナイスとジャンに許可を取って
	保育室に監視カメラを設置し、ナインの録画機能─「そんな機能よく見つけたね」とマンに呆れられた─を
	ONにして録画した結果……


	怪獣遣いのレイと、多分自動翻訳機能もついている機械のナインはともかく、レジェも通訳無しでゴモラ達と
	会話成立してるっぽいのは、やっぱりコスモスの所の子だからかなぁ。とか、どうやったらタオルを落とさず
	踊れるか考えるのは良いけど、カッコイイ決めポーズの研究は要りません。とか、ある意味間違ってなくも
	ないけどやっぱり間違ってる言葉やら表現を、ナインに教えないのレイ!  てかレジェンドも、感心したり
	流さないで訂正してよ。
	等々、見ていてもどかしい、突っ込み所満載の光景が次々と展開されていた。

	中でも最たるものは、お昼寝の後のレジェンドに対する何故何コーナーで出た質問で、たまーにズレては
	いるけれど、自分に解る限りの内容を真面目に答えているレジェンドと、真剣にその答えを学習している
	精神年齢ちびっこの様は、とーっても微笑ましかったが、

	「レジェンドと、コスモスとジャスティスは家族か?」
	(コクン)
	『レジェンドとコスモスとジャスティスは、兄弟なのか?』
	「(ふるふる)……兄弟じゃなくて、親子。多分」

	ぶっちゃけ〜、レジェンド自身、あんまりよく解ってないですからねぇ。と、後でほわほわ教えてくれたのは
	コスモスだが、「どちらが父親で母親なのか」とはレイもナインも尋ねなかったのは、多分一般的な親子像を
	知らないのと、親子と兄弟と家族と仲間の違いがイマイチ解っていないからだろうな。と、セブン達は思った。

	ちなみに、「家族」=ウルトラの父母とウルトラ兄弟、レイとゼロとセブン(と、ゴモラとリトラとカプセル
	怪獣達と、マンも?)、メロスとアウラとファイタス。あと、ジャックとナイスも奥さんと子供居るらしい。
	「兄弟」=ウルトラ兄弟、レイとゼロ、ナインとジャン、レオとアストラ。程度の認識は、一応レイには
	あった(ナインは、自分達とゼロ絡みとウルトラ兄弟も多少は。しか知らないらしい)が、詳しい線引きは
	やっぱりよく解っていないらしい。


	『家族とは、何だ』
	「……一緒に暮らしている、相手?」
	「仲間とは違うのか。ボスや副長やクマさんとは一緒だったぞ」
	「違うと思う。けど、ウルトラ兄弟は、仲間で家族?」

	誰一人根本的な所を理解していないし、本人を含める周囲の例が特殊過ぎて説明が難しいのだな。とそこだけ
	理解し、ならば代わりにと

	『家族には色々あるのだということは解った。では、コスモスとジャスティスとレジェンドの家族について、
	 教えて欲しい』

	そう尋ねたナインに「解った」と答えたレジェンドは、聞いているのがレイとナインで無かったら、「そんな
	ラブいちゃのレポートは要らん」と突っ込みたくなるような、コスモスとジャスティスの日常─「おはようと
	おやすみのチューの攻防はコスモスが勝ったというかジャスティスが折れたが、行ってきますとおかえりの
	チューはまだジャスティスが拒否っている」だの、「空気読んでリドリアスの散歩を長めにしてみる日がある」
	だの、コスモスの惚気の数々だの─を、それはもう、顔色一つ変えずに、淡々と説明した。
	それだけで、勝手に撮影していたりそれを一緒に見せられていたメンツからすれば、もう充分すぎる程に充分
	だったが、レジェンドの話の後に、少し考えるような素振りをしたレイが、ゴモラ達と何言か交わしてから

	「……マンとセブンも、たまにそんな感じ?」
	
	と呟いた。そして、その場にはその発言に突っ込みを入れる者は居ないどころか、

	『ナイトに対するゼロも、たまにジャスティスと似通っているように思う』

	などという爆弾発言をナインがかましたが、そちらにも一切突っ込みは入らなかった。


	そんな一部始終の記録を、名指しされた当人含む保護者+αが見たのは、お迎えついでに隠しカメラと
	ナインのデータを回収した終業後(以前、何度かリアルタイムで監視をしていて、マン及びジャックに
	クソミソに怒られたので、今回は若干自重した)だったため、わざわざその話題を掘り返すのもなんだし、
	何がどうアウトだったのかも説明し辛いので、注意するわけにも行かなかったが、かといって外─特に
	ユリアン─で話されても困るし、お子様目線でどこをどう見たらそう感じたのかもすごく問い詰めたい。
	と─無責任に馬鹿笑いするグレン以外─、一同頭を抱えたのだった。






年末の正月ウル(変な表現だな)帰りのカラオケにて、姉さんと何か色々盛り上がったネタの1つがようやく完成。 だがしかし、肝心の部分がほぼ何も書いてないに等しいという残念な仕上がりに…… 2013.1.24 オマケ M「……ナイス。君、あの子達と同じ部屋で他の子供見てたんだから、断片的にとはいえ、この会話聞こえてたよね」 N「もちろん、バッチリ聞こえてましたよ☆」 7「じゃあ止めろよ。何であのまま放置した!?」 N「えぇー、何か問題でも?」 0「大アリに決まってんだろうが!」 N「でもでも〜、わたしも実情は知らないし、あの後わたしにも質問に来たので、我が家の妻と息子とのラブラブな   日常を話したら、3人共納得してたし、ウルトラの母にも訊いてみる。と言っていたぞ、ゼロ」 M「うーん。間にナイスの家庭や母上のお話を挟むと、何か自然になっちゃうのか、アレも」 7「母には抗議し辛いというか、レイ達へ並に何がマズイかの説明が難しいからな」 0「いやっ、けど、親父達はともかく、俺は!」 M「私だって、レイに母親ポジションと認識されかけている所までしか、認めないからね」 7「そこまではアリなのかよお前……」