「もうじき母の日なので、似顔絵と折り紙のカーネーションを作ろう☆」
今日は託児室の隅っこに預けられていたレイとナインと(一応)子守要員のレジェンドは、基本的には
間借りしているだけで他の子供達とは別扱い─何しろ外見は大人なので、いっしょくたに扱うのは
難しい─ではあるが、たまにお遊戯や工作の時間に交ぜてもらうこともある。
そんなわけで、他の園児同様ナイスの提案に従って似顔絵とカーネーションを作る。ということに
したは良いが、
『僕もレイも、「母親」は居ないように思う』
「もちろん、お母さん代わりやおばあちゃんやお姉さんでもオッケーだとも」
堅物というか情報量が足りないというかベースがやっぱり堅物のジャンだから……なナインの大真面目に
ズレた反応は、ナイスには予想の範疇だったらしく、親指ポーズで「レイはちゃーんと相手が決まってる
ようだぞ」と付け加えられた。そして、レイに『そうなのか?』とナインが尋ねると、レイはコクンと頷き、
「母と、ハルナと、マンと、あとケイトとチームブラックも」
正確には、母とウルトラ兄弟とゴモラとリトラとエレキングと……と、ハルナとボスとクマさんとオキと
ゴモラとリトラとエレキングと……と、マンとセブンとゼロとゴモラとリトラとエレキングと……と、
ケイトとチームブラックとゴモラとリトラとエレキングと……らしいが、
『ナイスが言ったような人達と、好きなものを描けば良いのだな』
と解釈したナインは、とりあえずレイに倣って母代表としてウルトラの母の似顔絵を描いてから、
またも気が付いた。
『創造者はビートスターで、今現在面倒を看てくれている兄さんは居るが、姉に当たる存在も居ない。
グレンやナイトやゼロも、兄のようなもの……』
確かに、レイと違ってUFZの中に、お母さんorお姉さん的ポジションの子は居ないなぁ。てことは、
この子達に母の日を提案した私のミスかな。と、その呟きが聞こえたナイスは思ったが、
「……エメラナが名付け親だと、コスモスから聞いた」
『そうか。名付け親も親代わりだという情報がヒットした。礼を言う、レジェンド』
淡々と2人分の似顔絵を描いていたレジェンドの助言(?)で、ナインの中で一応の決着が着いたようだった。
しかし、それらの経緯を聞き、似顔絵の現物を見せられたジャンは、
『母の日に、姫様に……姫様が、母親ないしは姉……』
等々呟きながらフリーズし、グレンに
「焼き鳥ー。黒焦げになりそうな位煙出てんぜ(笑)」
とからかわれても反応しない程に混乱したという。
母の日な精神年齢チビッ子の集いを書こうと思ったものの、ナインにはお母さん的な
相手居ないなぁ。と気付いた結果こんなことに(笑)
2013.5.6
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