1.最強呪文?
今日も今日とて、宇宙警備隊の隊長でウルトラ兄弟の長兄なゾフィーは、部下で義弟な
マンから、こんこんと説教を食らっていた。─溜め込んだ書類の処理と同時進行で。
そんな兄達を横目で見つつ、自分達の仕事を片付けながら
「いつになったら懲りるんだろうな、ゾフィー兄」
「そうですね。ただ、エースにだけは言われたくないと思いますが?」
「そうだよエース兄さん。夕子に会いに行くために、僕に書類丸投げするのとか、
ホントやめてもらえないかな」
「まぁ、エースはタロウや俺らに押し付けることはあっても、基本的には自分で片付けて
行くだけマシだろ。アイツは、半分マンに構ってもらいたくてサボってる節があるからな」
「さーっすがセブン兄さん。よく解ってるね(笑)」
「セブン兄さんは、自分の分をさっさと片付けて、マン兄さんの分も手伝い、
褒めてもらいたい方ですよね」
「その辺だけは、弟気質が抜けねぇもんな、ブン兄(笑)」
などという、ウルトラ兄弟に憧れる若手や一般市民には、とても聞かせられないような、
残念な会話を交わしていた。
「……。ところで、アイツだいぶ前に、小さめの八つ裂き光輪を、投げずに手元で
弄べるようになったって知ってたか?」
「へぇー、そうなんですか。知らなかったですけど、脅しにはぴったりですねぇ」
「てか、どう考えてもそれ、今の状況向けの技だよな」
「確かに。スペシウム光線の構えよりも、効くかもしれませんね」
セブンが僅かに逸らした話題に、再度チラリと長男次男を見やった弟達は、
「今回は、まだお説教だけで済んでいますね」
「だな。けど、このままだと実力行使よりも、最強呪文出そうじゃね?」
「あー、うん。かなりプッツンしかけてるもんね」
などと頷きあっていたが、セブンの手伝いで居合わせたゼロには、何のことだかさっぱり解らなかったので、
「呪文て何だよ。アイツ何か術とか魔法でも使えんのかよ」
と、義弟のレイと一緒になって観ていた日曜朝の某ヒーローを浮かべ、ちょっとワクワクしながら尋ねた。
「マン兄さんと、僕も一応使える、対ウルトラ兄弟専用呪文だけど、一番破壊力を発揮するのは、
やっぱりゾフィー兄さん相手かな。次点がセブン兄さんで、僕らはほとんど言われたこと無いけど」
「あと、アミアも使えるって、前にユリアンから聞いたぜ」
「ちなみに、どんなんだ?」
「んー。『お兄ちゃんなんか大っ嫌い』」
「は?」
「それはタロウやアミアの場合でしょう。マン兄さんは、『兄さんなんか嫌いです』か、
『セブンなんか大っ嫌い』もしくは、『ブンちゃんの馬鹿』ですよ」
「ちょっ、ジャック! 2つめの方、何で知ってんだよ!?」
「…………」
しれっと答えた叔父達と、色々残念な父を、ゼロは「何の冗談だ」と言いたげな、しょっぱ〜い顔で見たが、
「気持ちは解るけどなぁ、マジでその一言で、ブン兄を廃人にしかけたり、ゾフィー兄をとりあえず
1ヶ月サボり0にしたことがあんだよ」
「で、アミアも使えるのは、ジョーニアスも超ド級のシスコンだから」
「タロウの場合は、これでも元『可愛い末っ子』ですからね」
はっきりいって、タロウはともかくマンは、それを口にすると自分もかなりダメージを食らうので、
最終手段にしているらしいが、それでも半年〜1年に1度は、長兄ないし三男相手に使われている
とかいないとか……。
2.シャレにならない
「……いつか、ゼロからピグモンを嫁として紹介されても、おかしくない気がするんだ」
「えーと、いきなりどうしたのセブン?」
「いや。ゼロファイトのピグモンの扱いは、完全に姫クラスのヒロインポジションで、
最近マックスのところのピグモンの話も聞いたらしくてな」
「ああ。女の子のアンドロイドと一体化したっていう……」
「ものすごく食い付いて、詳細を聞き出していたと、ナインからレイ経由で聞いたんだ」
「うん。確かにそれは、ピグモンがお嫁さんな確率が、グンと上がった感じがするね」
「だろ? しかも、『その内、ノアの奴がサービスとか何とか抜かして、人型に変化させたとしても、
不思議ないね』と、ティガが言っていたとダイナから!」
「……否定しきれないけど、流石にそれは無いんじゃないかな」
3.だから太るんじゃないかしら……
夕子「熱中症には気をつけて、水分だけじゃなくて、塩分も摂ってね」
A「了解。ポカリ飲むな」
夕子「スポーツドリンクは点滴と同じような成分だから、お茶と塩アメの方が太らないとは思うけど……」
A「んじゃ、ジャック兄が作り置いてるアクエリアスで(笑)」
夕子「だから『太るわよ』って」
A「アクエリアスはカロリー低いんで大丈夫な筈。大量には飲まないし」
夕子「……そう。好きにすれば良いけど」
A「おう。ま、ダイエットは必須だけどな」
※ほぼ実録。15kg増(17kg太って2kg減ったらしい)のツレと、私の先日の会話から
思い付くまま書いてみた、残念な代物でした(笑)
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