色々と落ち込むことが相次ぎ、「このまま怪獣墓場に居れば良い!」と主張するケイトや、
「いっそ戻って来るか?」とのペンドラゴンの面々の提案に揺らぎかけていたレイを、
「お前それ、プロポーズじゃねぇの?」な言い方でゼロが引き留めた顛末を聞いたセブンは、
しばしフリーズした後。

「……。どこの馬の骨とも知れない相手にかっさらわれるよりは、いっそ良いかもな」

との結論に達した。
そんな三兄に、弟達は揃って

「いやいやいや。流石に、それは無いでしょセブン兄さん」
「ブン兄、テンパって考えすぎて、熱暴走でも起こしたか?」
「色々と間違っていますよね」

等のツッコミを入れ、次兄にして親友のマンからも

「まだまだ子供達を手元に置いておきたい。っていう気持ちは、解らないでもないよ。
 でも、その結論は暴論過ぎるだろう」

と呆れられたが、長兄ゾフィーだけは、無駄に良い笑顔で肩をポンと叩き、ナイス並に
グッと親指を立て

「うんうん。解るよセブン。いっそ身内でまとまってくれたら、可愛い弟達は
 全員揃ったままだな。って、私も思ったから」

と言い切った。



「……これは、引っ掛かりを覚えて、ツッコミ入れるべきなんでしょうか?」
「あー、うーん。ビミョー。俺としては、気付かなかったことにしてスルーしたい」
「僕も同感。見当はつくけど、口に出したらアウトでしょ」

要するに、マンがゼロやレイの母親ポジション通り越してセブンの嫁扱いまで行ってるけど、
他の誰かに持ってかれるよりは……。ってことだよね。
等の、弟達のひそひそ話は、テレパシーで交わされていたので聞こえなかった筈だが、
同じ結論に至ってしまったのか、

「ゾフィー兄さん? 何をほざいてらっしゃるんですか、貴方は!?」

と、とりあえず見事な背負い投げをかましてから、マンはゾフィーを睨み付け、
「そんなんだから『残念な長兄』扱いされるんですよ」からスタートし、
延々と説教が続いたが、

(……ヒカリちゃんも、親友で弟みたいな感じでも無くもないから、メビウスが妙な
相手に引っ掛かるよりは良いかな。なんて思ったのは、口が裂けても言えないなぁ)

というもう1つの本音はバレずに済み、矛先が早々に長兄に移ったセブンも、

「俺もアレと同類ってのはどうかと思うが、でもやっぱり、手放したくないもんな」

と、改めて先程の結論を良しとする決意を固めていたとかいないとか……。




7/14のショックをどうにか癒すために、姉さんと2人で暴走しまくった 結果の、姉さんちのネタの続きです。 姉さんちはコチラ→『旅籠 猫屋』