いつの間にか祝日になっていたこの日が近付く度に、私は複雑な気持ちになる。
「初めて彼の地に降り立った日」?
違う。私が、誤って「彼」を殺めた日だ。
「私のおかげで、あんな素晴らしい星の存在を知ることが出来た」?
そうだね。あの星の民は、私達と比べ遥かに弱く脆いようで、その実とても強いし、景色も大気もとても
優しく美しい、実に素晴らしい星だ。
「初めの理由はどうであれ、あの星の民と出逢うきっかけを作ってくれた」?
確かに、私達があの星の民と出逢えたのは、この上無い僥倖だ。けれど、あの星の民にとっても、私達と
出会えたことは、幸いだったのだろうか?
私達を彼ら側の「兵器」とみなした星人も居たし、私達の事情に巻き込んでしまったこともあるじゃないか。
あと、怪獣を倒したら子供達から責められたことあるの、私だけじゃ無いよね?
「あー、もう。何でお前は、そう後ろ向きなんだ。素直に祝われて喜んでろよ!」
「だって、事実だろ? 君らは本当のことを知っているけど、年々、何も知らずに私を英雄視する
若い戦士が増えてるみたいだから」
「だからって、そこまでネガティブキャンペーンかまさなくても良いだろうが」
「もちろん、君や兄さんの前で位しか、こんなこと言わないから安心して。ただ、真実を忘れず、決して
自惚れないようにすることが、私に出来る唯一の贖罪だから」
ウルトラマンの日に、何でこんなネガティブ話浮かぶかな自分……
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