その1 
「……。ヒカリちゃん、珍しい頭してるね」
「いつもの結い方だと、汗などで首筋に貼り付いて、鬱陶しいからな」
「だからって、良い年こいておだんごはどうだろう。しかもかんざしって……」
「コレのことを言ってるなら、ただの箸だぞ。ペンだと短かったんだ」
「……」
「何だその目は」
「いやぁ。だったらまだ、自前でもかんざしの方がマシだったかもなぁ。って思って」



その2
「……セブン。邪魔なのも暑いのも解るけど、何でヘアクリップ?」
「ああ。コレだと、簡単だし絡まったり痕も付かないから」
「それなら、バレッタでも良くない?」
「それもアリだが、別にどっちでも良くないか?」
「まぁ、私は別に何だっていいけど、ついさっきその後ろ姿を見たゼロが、ショックを受けていたみたいだから」



その3
「ポニーテールとぉ、三つ編みとおだんご、どれがい〜い?」
「いきなり何だ、コスモス」
「ん〜、ジャスティス、髪そのままだと暑そうだから〜、結んであげようかと思って」
「別にいい」
「そ〜ぉ? じゃあ、銀隊長やメビウスくんとおんなじ、ツインテールはぁ?」
「……。それなら、まだ先に挙げられたやつの方がマシだ」
「うん。それじゃあ、そういう感じにするねぇ」
「いや。だから、別に結ばなくても良いと言っているんだが……」
				・
				・
				・
「おや、珍しい。見事な編み込みですねぇ」
「……。コスモスに、妙な入れ知恵をしたのは、お前かセブン21!?」
「違いますよ! 何ですかその濡れ衣」
「万一、この件に限っては違うのだとしても、日頃の己の所業を振り返れ。そんな下らないことをしかねないのは、
 お前位のものだ!」



その4
「21、最近あんまり変装してないよね?」
「そうか? まぁ、暑いからな」
「ああ。汗で化粧が落ちたり、蒸れたりするんだ」
「それと、身体の方も詰め物とか、逆に締め付けるのも結構暑い」
(だったら、女子に変装しなきゃいいのに)
「とはいえ、素でも暑いことには変わりないけどな」
「だからって、ファンシーなヘアピンとボンボンは、今すぐ外さなかったら、今から一緒に出掛けるのはナシにするからね」

そんなやり取りがあった数日後。21が、「今日はツインテールかな」と呟いていて、一緒に出掛ける予定も特にないから
放っておいたら、しばらくして出来を見て欲しいと声をかけられ、振り向いたら――

「……確かに、それも『ツインテール』ではあるけどさぁ」

21は、二つ結びの髪型では無くて、古代怪獣の方のツインテールの格好をしていた。けど、暑いからあまり変装していない
って言っていたのに、ソレ、思い切り着ぐるみだから、普通の変装の何十倍も暑いと思うんだけど……




その5
「最近、髪を結んでいる方が多いのは、夏だからかしら?」
「多分そうでしょうね」
「わたし達の古い知人にも、髪がとても長くて、その上だいぶ傷んでいるものだから、夏の時期はとても暑そうな人が居たの」
(それはまさか、ベリアルのことだったりしますか?)
「それでね、本人も暑くて邪魔だったようで、時々結んでいることもあったんです。けれど、無造作に輪ゴムで縛っていた
 ので、ある時、代わりにわたしが使っていたリボンを差し上げてみたのですが、それ以降そのリボンで結んでいるのを
 見たことが無いの。ですから、おそらく捨てられてしまったのでしょうね」
(いえ。多分、後生大事に、未だに持っていると思います)



その6
「何か、ティガがでこっぱちになってんの見ると、『夏だ』って感じがするな」
「この長さだと、暑かったり邪魔なこともあるけど、切る気は無いからね。僕も、ダイナが手ぬぐい巻いてるのを見ると、
 夏を感じる気がするかも」

(※ティガがヘアバンド、ダイナが手ぬぐいを着用している時の会話)




思い付くまま&自分が長髪で暑い! ってな思いを込めて書いてみたもの 掲示板に挙げたのも挙げて無いのも混合で 2010.7.30