1.ティガの場合
「君、訓練生だよね? こんな所で何をしているのかな」
「誰だよテメェ。俺は、訓練生なんかじゃなくて、セブンの息子のゼロだぞ」
「あぁ、君が例の。……僕はティガ。地球出身者で構成されている、遊撃中心の分隊のまとめ役を任されている」
「ダイナから何か聞いた気がするけど、女だったのかよ」
「僕は女性に見られることが一番嫌いで、しかも女性を蔑視するような言い方だね。今はまだ少ないけれど、
警備隊にも訓練生にも女性隊員は居るのに」
「んだよ、その面で男かよ。分隊長とか言ってっけど、んなヒョロくて務まんのか」
「少なくとも、力押ししか芸の無いような、初心者の君よりはマシだと思うけど?」
「何だと!?」
「とりあえず、ダイナに勝てるようになったらかかっておいで。アイツ程の体力は無いけど、今の所勝率は
7割越えているから」
「――とか言われたんだけど、マジでアイツ強いのかよ」
「んー。俺らん中じゃ、一番強いというか器用。能力値なら勝ってるけど、何てぇか隙が無いんだよな。あと、
キレると怖いし厳しいから、軽い牽制で済んで良かったじゃん。俺なんか最初の頃、『調子に乗るな』って
叩きのめされたし」
2.ガイアの場合
「あ、そこの若手くん。危ないから、下がってた方が良いよ」
「馬鹿にしやがって、俺を誰だと思ってんだよ!」
「知らない。だけど、君が何者にしろ、今から手合わせやるから、近寄らない方が良いのは間違いないし」
「んじゃ、何でお前は離れねぇんだよ」
「だって、審判役だし、周りが見えなくなってやり過ぎそうになった場合、アグル止められるの僕しか居ないもん」
「アグル?」
「あっちの、青い方。僕の相方で、剣術が割と得意なんで、こないだヒカリさんが忙しい代わりにメビウスくんに
稽古をつけてあげるの頼まれて、今日はそれを見てたゼノンさんに、マックスの指導も頼まれたから」
「あっそ。で、お前は誰なんだよ」
「地球の、大地の化身ってことになってるガイアだけど、人様に名前を訊く時は、先に自分から名乗る。って、
地球だけの常識だったっけ?」
「……。ゼロだ。ホントにお前、俺のこと知らねぇのかよ」
「ふぅん。君が、自称『警備隊の新星』な、調子に乗ってるセブンさんの息子かぁ。誰もが自分のことを知っていて
当然とか、どれだけ自意識過剰なの? 正直僕もアグルもティガも、別に君になんか興味ないんだけど」
日記もどきに書いたあと、しばらく放置していたもの
平成組とゼロの初対面を考えたら、こんな感じがしっくりきたのと、
ゼロ坊の鼻っ柱を折りたかった結果だった筈です
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