連日猛暑日で、熱中症で倒れる人が多数いる。そんな夏の日の子守り(?)風景です。
その1
中学のプール帰りなどに、ゼロは公園でレイと遊んでいるダイナを何度か見かけました。
そして、こちらに気付いたダイナやレイに誘われ、一緒に遊んだ―というか、見てただけ―こともあり、ダイナは
暑さをモノともせず力任せに目一杯遊んでいましたが、いつもレイはしっかり帽子を被っており、小さな子供用の
水筒をリトラリュックに入れていて、定期的に休憩を取って飲んだり、その中身が無くなると更にダイナが持って
来ていた大きな水筒の中身をもらったり、更にその休憩の際にゼロもちゃんと水分補給をするよう言われた上に、
アメだのチョコだのキャラメルだの塩コンブだのまで出て来たのが、何だか意外でした。そしてその見事な熱中症
対策は、おそらくティガの指示なのだろうとゼロは思っていましたが、
「確かに水筒を持たせているのも帽子を被せてるのも僕だけど、ダイナは元々野球小僧だから、水分や休憩だけで
なく、糖分や塩分の補給も必要なことを、よく解っているんだよ」
とのことらしいです。
その2
「マン兄、レイ連れて遊び行っても良いか?」
「どこに?」
「遊園地のプールの割引券をもらったんで、連れて行ってあげようかと思ったんです」
「なら良いよ。ただし、ちゃんと帽子を被って行くようにね」
「なぁ、マン。何でエースやタロウには、毎回どこに連れてく気か訊くんだ?」
「昔、メビウスを連れて公園に行って、延々水分も取らずに遊び続け、熱中症になった前科があるからですよ、兄さん」
「って、それはまだ、あの2人も小さい頃のことだよね。流石に今は、もう少し成長してるんじゃない?」
「それでも、今年は特に暑いから念の為にです」
その3
「……何作ってるの、セブン」
「熱中症対策の、特製ドリンクだ。市販のだと、糖分が多過ぎるから」
「ふぅん。一口頂戴。……うん。クソマズイから、レイには持たせないように」
その4
「いい、レイ。アイスは1個。ジュースは、3杯までかな。それ以上は、買ってくれるって言っても、『いらない』
って言うんだよ。その代わり、お茶はリトラに水筒を入れておくし、父にも渡しておいたから」
「うん」
「では、父。お菓子やおもちゃなどはなるべく買い与えず、事故と熱中症には注意してくださいね」
「……解っとる。そんなに私は信用無いのか」
「ありません。レイは、タロウやエースと違って何かをねだることは殆どありませんし、メビウスのように何かに
興味を持っていきなり駆けだすようなこともしませんが、だからこそ逆に甘やかそうとするでしょう」
「……マン兄さん、完璧にレイの母親のような言い草ですね」
「まぁ、でも、アレ母の真似だし」
「そうなんですか?」
「うん。君らが小さい頃、父だけでどこかに連れて行く時は、いつもあんな感じで、帰って来てその日の出来事や
買ってもらったものを訊き出しては、君らが寝た後でお説教してたよ」
「……ねぇ、エース兄さん。僕の記憶が確かなら、父さんだけじゃなくてゾフィー兄さんも一緒に出掛けて、帰って
きてから母さんに、『もう、 どうして止めてくれなかったの』みたいなことを、よく言われてなかったっけ?」
「あー、あったあった。俺が冷たいもんの取り過ぎで腹壊したり、タロ坊が高いもん買ってもらったのバレたり
しては、そうやって怒られてた」
ギリで間に合ったか微妙な、真夏の風景でした。
思い付くまま書いたら、子守り風景というより、ダメな保護者ランキングの方が近いような……
2010.8.31
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