お年玉

	元旦。良い子で未成年のメビウスは、「明けましておめでとうございます!」と挨拶しただけで、父にも
	兄達にも、兄達の友人達―ヒカリとかメロスさんとか―やキング爺さんや獅子兄弟や、年始の挨拶に来た
	80や近所のお兄さん達からも、お年玉をもらうことができました。
	一方、元末っ子で唯一父母の実子なタロウと、実の兄弟同然に育ったエースも、それなりに良い歳だけど
	「お年玉下さい!」
	と自分からねだり、長兄とその友人達、父母、キング爺からはもらえましたが、他の人達からは流石に
	もらえませんでした。

	そして、年齢的にも立場的にももらえて当然なセブンの息子ゼロも、祖父さん達やおじさん達に目一杯
	もらえましたが、まだ小さいレイの方は、協議の結果お年玉袋にお菓子を入れて渡す。ということに
	なりました。

	ついでに、冗談―半ば本気の可能性も否定はしませんが―で同居人や家主にお年玉を要求したダイナや
	マックスは、丸餅を渾身の力で投げつけられたり、ピンポン球を落として「お年玉」という、寒ーい
	ギャグを頂戴しました。



お正月の遊び

	お正月ということで、折角なのでそれらしい遊びをすることにはしましたが、早々に室内での遊びに
	飽きたゼロが、何か外で出来る遊びの道具は無いかと訊くと、コマや凧に混じり、80と一緒に挨拶に
	来ていたユリアンから、羽子板ならあると言われましたが、
	「んな、女の遊びが出来るかよ」
	と馬鹿にした調子で返すと、
	「甘いわね。そういうことは、私に勝ててから言いなさい」
	そんな風に鼻で笑って挑発されたため、むきになって挑んだところ。全く歯が立たずに墨まみれにされて
	しまいました。

	ついでに室内遊びでも、百人一首は母が最強でユリアンにも敵わず、かるたは
	「母さんが作ってくれたんだvv」
	とタロウが引っ張り出して来た、母が絵を描きそれ以外は父が作った標語カルタや、レイがもう片方の家族の
	ペンドラゴン一家からお年玉代わりにもらった、監修オキ、加工クマノ、読み(CDに録音)ハルナ&ボスの
	お手製怪獣カルタも、何だかイラっと来たので各1回付き合ってやっただけで、福笑いやすごろくも、性に
	合わなかったようです。



雑煮と餅

	「みなさん、お雑煮にお餅はいくついれます?」
	「えーと、私は2個で」
	「私の分は最後で構いませんが、1つでお願いします。というか、手伝います」
	「ゼロはいくつだ?」
	「親父と同じで良い」
	「じゃあ、2人共2個で、レイは1個かな」
	「私もマン兄さんと同じく、後回しにして下さって構いませんが、2個でお願いします」
	「僕は2個が良いです]

	「俺は5個!」
	「僕6個で!」

	「いや、お前ら。雑煮にそんな入れたら、餅でいっぱいになるだろ」
	「そうだよ。お餅が食べたいなら、お雑煮に入れないで、そのまま焼いて食べなよ」
	「餅まみれの雑煮とか、有り得ねぇだろ」

	「仕方ねぇ。俺、部屋から七輪持ってくるから、タロ坊は餅買って来いよ」
	「あら。タロウとエースのお餅なら、1人1袋用意してありますけど、それじゃ足りないかしら?」
	「え、ホント? 流石母さん。ありがとう!!」

	「……そりゃ、毎年のことだしねぇ」



若手の風景(一部年末)

	「おはよう。明けましておめでとう、ダイナ。お雑煮のおつゆは右の小鍋で、おせちの補充分は冷蔵庫。
	 お餅はとりあえず2袋買ってあって、どれも好きに食べていいけど、風呂敷で包んである方のお重は、
	 後で警備隊の皆さんの所に、ご挨拶に行く時に持っていく分だから、手をつけないように。それから、
	 紙袋に入っているお重はガイア達に頼まれていた分だから、来たら渡して。……という訳で、ひとまず
	 実家に顔出して、戻ってきたら年始周りに行くからね」
	「らじゃー。あけましておめでとう、ティガ。にしても毎年、新年早々お疲れさん。今年は振袖着せられ
	 ないといいな(笑)」
	「ほんとだよ。……ところで、君は本当に帰らなくて平気なの?」
	「おう。年末に、『旅行に行くから帰って来なくて良い』って言われたから」



	「たでーまー。あけましておめでとう。外さみー。はらへった。何か食うもんある、ゼノン?」
	「……明けましておめでとう。お帰りマックス。相変わらず、新年早々騒がしいね君は。とりあえず、
	 お餅ならあるから、自分で焼いて食べなさい」
	「おー、解った。って、何でヒーターあんのに火鉢が出てんだ?」
	「ああ、去年ティガくんやマンくんから、彼らの所にも、大量にお餅を食べる子が居て、いちいち焼いてやる
	 のは面倒だし、他の人の分が焼けないから、七輪やカセットコンロを使わせているという話を聞いて」
	「で、うちは火鉢……って、コレ売りもんじゃないのか?」
	「いいえ。私の私物です」
	(年賀状の配達バイトに行っていたマックスと、古物商ゼノン)



	「さて、と。そろそろ出た方が良いかな」
	「どこへ行くんだ、ガイア」
	「我夢と2年参りに行く約束してるんだけど、アグルも来る?」
	「……藤宮も来るなら、つきあってやっても構わない」
	「解った。じゃあ、訊いてみるね。……もしもし我夢? アグルが、藤宮くんも行くなら2年参り一緒に
	 来るって言ってるけど、そっちは?……そっか。うん。じゃあ、現地で。……向こうも同じこと言ってる
	 らしいから、4人で行くよ(笑)」
	(ガイアと我夢、アグルと藤宮は、それぞれ親友です)



	「ジャスティス、来年のカレンダーはどんなのにしようかぁ」
	「例年通り、シンプルで機能的なものでいいだろう」
	「居間のはそれでいいけどぉ、折角兎年だし、部屋用に可愛いのも買わない? ほら、イラストのも写真のも、
	 いっぱいあるよぉ」
	「……。では、コスモスが好きなのを選べばいいだろう」
	「うん。そうするねぇ。……あ、そうだ! 病院の分は大きいのは業者さんにもらったのがあるけどぉ、
	 受け付け用の卓上のも欲しいから、そっちはジャスティスが選んでくれるかなぁ?」
	「……解った」
	「あとぉ、卓上のはジャスティスも職場に置けるよねぇ? だからぁ、おんなじのか迷ったの両方買って、
	 それぞれ置かない?」
	「……それだと、あまり可愛いのは選べないか」
	「職場の人に訊かれたら、僕が選んだって言っちゃっていいからぁ、好きなの選んで平気だよぉ」
	(可愛い獣医と、隠れ可愛い物好きな警官のご夫婦)



一昨日姉さんと話した内容を元に、思い付くまま色々と 2011.1.4