1.

不意に名を呼ばれたので、「何の用だ」と応えたら、自分で呼んでおきながら、驚いた顔をしている
腐れ縁の顔が目に入った。

「何だその顔は」
「いや。ヒカリちゃんは、憶えてたんだね、自分の名前」
「当たり前だろうが。自分の名前だぞ」

そんなこともわからんとは、ついにそこまで焼きが回りきったのか、このバカ隊長は。コーヒー狂で
兄バカでサボリ魔のヘタレだが、辛うじて頭の中身と面だけは良い部類に入ってたってのに。

「全部、口に出てるからねヒカリちゃん。そうじゃなくて、『ヒカリ』でも、『ツルギ』でもない、
 元々の本名を。ってこと!   こないだ、何でそんな話になったのか忘れたけど、マンは子供の頃の
 呼び名を憶えてなくて淋しかった。って、セブンが言ってたから」
「そういう意味か。俺は、マンとは違って、過去を忘れた訳では無いからな」
「それもそっか。でも、論文も記録も研究成果も特許も、全部遡って『ヒカリ』名義に直しちゃってるし、
 誰にも呼ばれないから、もう昔の名前は憶えて無いかもなぁ。って思って」
「確かに、憶えてる奴は少ないだろうし、過去の名前での実績と今の俺が結びつかないことも多いな」
「でしょ?」
「それでも、お前は憶えてるんだろ?」
「まぁね。それこそ、『ヒカリ』より付き合い長いし」




2.

※ウルトラエッグがカプセル怪獣やマケット怪獣に準ずる性能を持つという前提で




0「なぁ、親父。ウルトラエッグの開発者って、どんな奴なんだ?」

7「Dr.エッグのことなら、お前もよく知ってるだろ」

0「いや。ナイスのおふざけじゃなくて、本物の開発者のこと訊いてんだけど」

7「ナイスがDr.エッグで、本当にウルトラエッグの開発者だぞ」

0「は?」

7「疑うならヒカリやガイアにも聞いてみても良いが、ナイスはアレで科技局入りを蹴って保育士になった変わり種だ」

0「マジかよ」

7「信じがたいだろうし、アイツ1人で開発した訳では無いが、『あくまでも、私の本職は
  保育園の先生ですから☆』とかいう理屈で変名を使い、変装のつもりらしい格好も
  バレバレとはいえ、研究チームのリーダーはアイツで、開発者として『Dr.エッグ』の
  名前が記載されているのは事実なんだよ」




書きかけで放置していたものを見つけたので完成させてみた代物 ナイスさんに夢見過ぎてる件は認めます