「おい、おっさん」
「もしかして、それは私のことかな、ゼロ?」
「そうだよ。親父の兄貴をおっさんって言って、何が悪いんだよ」
「ああ、まぁ確かに」
「実際ゾフィー兄さんは、年齢も充分『おじさん』ですしねぇ」
「えぇー。それは酷くない、みんな。それに、だったら私と同い年で、ゼロと同年代のメビウスと付き合ってる
ヒカリはどうなるんだい?」
「その件は別問題だし、個人の自由だと思います」
「あと、その話はタロウがキレるので、止めといた方がいいと思いますが?」
「え。あ、じゃあ、私達が『おじさん』なら、父は……」
「じいさんって呼んでも、文句は言われなかったぞ」
「俺、こないだキングとまとめて『ジジイ』って言ってんの聞いた気がする」
「……ゼロ」
「な、何だよ」
「その調子で母のことを、『ばあさん』や「ババア」なんて呼んだ日には、容赦しないよ?」
(うーわー、目が笑ってねぇよマン兄)
(生粋の「母信者」だからなぁ、アイツ)
(アレに逆らう程の気骨は、ゼロには無いようですね)
(何でこんな話題を振っちゃったんですか、ゾフィー兄さん)
(ごめん。だけど、コレって私が悪いの?)
「……。じいさん達と、ゾフィー以外はそういう呼び方はしない。それなら良いだろ?」
「別に、私達を『おじさん』と呼ぶ位なら構わないよ」
「いい。お前らはまだそんな年じゃないし」
「ちょっと、それはどういう意味かな、ゼロ??」
「どうもこうも、」
「エースとタロウはまだ20代で、」
「私とセブンとジャックは、ようやく三十路を迎えた程度ですが、」
「アラフォーだもんなぁ、ゾフィー兄は」
「高校生のメビウスに『兄さん』と呼ばれているからといって、調子に乗らないでください。本当は親子並に
年が違うんですよ」
「だから、だったらヒカリちゃんはー?」
「……ゾフィー兄さん。僕、その話題したくないんですけど?」
(あーあ。今度はタロ坊キレさせたよ、ゾフィー兄)
(タロウは、未だに2人のこと反対しているものなぁ)
(まぁ、メビウスの「好き」の定義は微妙な所だけどね)
(ほんのついさっき止められた話題を、どうして蒸し返せるんでしょうね)
「レイちゃーん。みんながいじめるんだ、なぐさめて」
「……ぞひ、うざい」
「え?」
「コラ、ダメだろゼロ。レイに汚い言葉を教えちゃ」
「ちげぇよ! 俺じゃない」
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