レイやゼロを引き取るまで、セブンは警備隊本部に隣接している社員寮で暮らしていましたが、2人を
	引き取るに当たり、寮を出て近所に家を借りることにしました。しかし……


	「そういやセブン兄って、料理出来んの?」
	「多少は、出来なくも無いこともないような位だけど」
	「とっくに育ちきっていて自己責任の兄さん自身はともかく、幼児と成長期の子供に、変なものや出来合いの
	 ものばかり食べさせることになるのは、関心しませんね」
	「ああ。確かに……」
	「そこで私を見るな、タロウ。私の背は、幼少期に多少栄養が足りていなかった可能性も否定はしないが、
	 おそらくただの遺伝だ」
	「というかマンの場合、伸びるのは遅いのに、成長期が終わったのが早かったからねぇ」
	「……無駄に見目だけは良い、でくの坊よりはマシですから」
	「えっと、それで、セブン兄さんがご飯作れないとすると、どうするんですか?」

	(お。珍しく、メビ坊の空気読めない天然ぷりが役に立った)
	(更に珍しく、質問内容が的確だな)
	(ですねぇ。それにしてもゾフィー兄さんは、何でいつもああいう、言わなくて良いことばかり言うんでしょうね)
	(メビウスとは違う意味で、空気が読めないからだろう)

	「……マン。その、良かったらお前も、一緒に来てくれないか?」
	「家賃折半で、料理と育児要員としてか?」
	「いや。レイもゼロも、私が責任を待って育てるから」
	「食事は頼んだ、と。……まぁ、子供達に妙なものばかり食べさせて、栄養が偏ったり味覚がおかしくなる
	 よりはマシか」
	「な? だから頼む」
	「仕方ない。残りの家事はお前とゼロで分担して、私の部屋をきちんと一部屋確保してくれるなら、良いだろう」	
	「もちろんだ」
	「ああ、あと、ゼロに何か言われたら、弁解は全てお前がするんだぞ、セブン」




レイを引き取った当初、一旦は近場の保育所に預けようとしましたが、体験保育で1日預けて迎えに行った所 「他の子とも全く遊ばず、お昼ごはんもオヤツも食べずお昼寝もしないで、黙ったままぬいぐるみを抱えて、  ただひたすらジーっと外を見ながらお迎えを待っていました。なので、その、大変申し訳ないのですが、  当園……というかどこの園でも、お預かりするのは難しいかと」 といった状態だったらしく、預けることは断念して、ベビーシッターを雇って馴れさせるか、セブンが育休を 取るかなど、色々検討した結果。平時は警備隊の医務室の母に預けるか、非番もしくは事務仕事のみの兄弟で 面倒を見、有事や全員が無理そうな時はゼロなり他の都合がつく知人に頼む。ということになりました。 そんな訳で今日もレイは、医務室や執務室の端の方で、大人しく絵本を眺めていたり、ゴモラと遊んでいるのです。