※VDと対 / 一部姉さんちのネタに便乗

1.コスモス一家

	1ヶ月前のバレンタインデーには
	「今年はジャスティスのチョコがほしいなぁ」
	とおねだりし、出来はともかく作っている最中の動画も込み込みで大満足な収穫を得たコスモスからの、
	ホワイトデーのお返しは、レジェンドと一緒にクッキーを作っていたので、それだと思いきや、

	「これは、何だ」
	「ホワイトデーのお返しの、わんこのぬいぐるみだよぉ」
	「ぬいぐるみであることは、見れば分かる。けれど、お返しはレジェンドと一緒にクッキーを作っていただろう」
	「あれはぁ、他のひと用だよ〜。もちろんジャスティスの分もあるけどぉ、ジャスティスは特別だから〜」
	「それにしても、このサイズは……」
	「売り場でねぇ、『僕のねぇ、一番大事なひとに贈るんです〜』って店員さんに相談して〜、一番大きくて、
	 触り心地が良いのを選んだんだよ〜」

	ニコニコ微笑みながら答えるコスモスが抱えていたのは、コスモスの身長の半分はある、真っ白くて毛足の
	長い、犬のぬいぐるみだった。

	「リドリアスとはぁ、また違ったもっふもふだから、触ってごらん〜」

	そう促され、ひとまず頭をくしゃりと撫でてみたぬいぐるみは、確かにもふもふで素晴らしい触り心地だった。

	「ねっ?  もふもふでしょ〜」
	「そ、そうだな」
	「これだけ大きかったらぁ、ぎゅっと抱きしめても〜、顔を埋めても〜、マクラや座椅子代わりにしても
	 大丈夫だよ〜」

	ジャスティスが、もふもふした生き物や可愛いものや乙女な物が実は好きなことは、本人的には
	ひた隠しにしているつもりだが周囲には結構バレバレで、特にコスモスは「自分には似合わない」と
	言い張るジャスティスをその手の物で埋め尽くし、ベッタベタに愛でることを好み、ことあるごとに
	ぬいぐるみだの花だの可愛らしい小物だのを与えている。そんな訳で、元々本当はとても嬉しかった
	ジャスティスは、コスモスに「大事にしてね〜」と言われずとも大事にしない筈がなく、
	「お部屋でお留守番は寂しいだろうから〜、定位置はリビングのソファーで」
	とのよく解らない理由に反論するものも、別に居なかった結果。
	初めの頃はコスモスやレジェンドの目を盗むようにこっそりモフっていたジャスティスも、レジェンドが
	思う存分モフったりそのお腹をマクラに昼寝している様を見ている内に、次第にモフることに抵抗が
	なくなって行き、うっかり油断して抱きかかえてうたた寝をしている所をコスモスに見つかり、
	「僕があげたのだけど〜、ちょっと妬けるなぁ」
	などと呟かれた挙句、ぬいぐるみをどうにか外してコスモス自身がそこに潜り込み、目が覚めたら……。的な
	「やってろバカップル」な光景が度々繰り広げられるようになったが、唯一の目撃者であるレジェンドに
	とっては日常の一コマなので、特に誰かに話すこともしなかったので、腐女子姫様御一行や愉快犯ずにバレて
	いないことが、ジャスティスにとっては唯一の救いかもしれない。


2.ナイスんち

	ゼ:警備隊の皆さんの、ホワイトデーのお返しランキングはやったけど、ナイスは奥さんにどんなお返しするの?
	ナ:私かい?  夕飯を作るよ
	ゼ:え。ナイス、料理出来るの?
	ナ:保育士だからね、手作り給食での食育もバッチリさ!
	ゼ:ヘェ〜、そうなんだ(意外)。ところで、メニューは何を作るの
	ナ:クリームシチューと、コールスローサラダに、デザートはブラマンジェかババロアかで迷っているんだが、
	  ゼアスくんはどっちが良いと思うかな?
	ゼ:ブラマンジェって何。ていうか、白っ。全部真っ白だよねその献立!?
	ナ:もちろん、ホワイトデーだからね
	ゼ:うわー、そのドヤ顔と親指ポーズ、本気でイラっとくる
	ナ:失礼だなゼアスくん。妻にも息子にも、大好評だよ
	ゼ:……。前から思ってたんだけど、ナイスの奥さんって、某ピンクの戦騎と気が合いそうなタイプ?
	ナ:何言ってるんだい。うちの妻は、もっと清楚で可憐で奥床しいタイプだ
	ゼ:でも、ナイスのギャグやネタで笑うんでしょ?  てことは、笑いの沸点が低い人なのかな
	ナ:重ね重ね私達に失礼だぞゼアスくん。私を、宇宙で一番面白いと言ってくれる、ナイスな妻なんだからね



3.8兄弟的ホワイトデー

	ハヤタさんちのレナさんが、ダイゴくんが付き合い始めて初めてのバレンタインデーは、モロボシさんちの
	アンヌさんと一緒に作ったチョコをあげ、ホワイトデーのお返しには、その当時一番流行っていたお菓子と
	ハンカチのセットをもらいました。

	以降10数年。レナさんからは、手作りの年もあれば既製品の年もありましたが、ダイゴくんのお返しは、
	必ずその年一番流行っているお菓子+小物で、しかもコンビニやスーパーなどの特設コーナーではなく、
	ちゃんと本来のお店で買って来たりお取り寄せしているのが、すごいし嬉しいんだけど、ちょっと
	キザったらしい。と、ダイゴくんの友人達の彼女で、自身とも顔見知りのリョウさんやアッコさんに
	グチってみると、

	「綺麗さっぱり忘れてるか、覚えててネタに走るより、全っ然良いと思う」
	「そうよ。アスカなんて、高確率で駄菓子よ」

	との反論が返ってきました。しかも、

	「ダイゴくんは、何贈ってもケチつけたりはしないんでしょ?  我夢なんて、私が作ったクッキーが
	 堅かったとかいって、私があげたのより何倍も出来が良くて美味しいクッキーを、自分で作って
	 返して来たりするのよ!」
	「うわー、それはひどいわね。アスカは、高価いのをあげてもどうせわからなくて、安物でも量が多い方が
	 喜ぶ馬鹿だけど、我夢よりはマシかな」
	「……ダイゴも、手作りにはアレコレ品評してくるから、ここ数年は既製品にしてるんだけど、そっちも
	 詳しいから、ホントうるさくて」

	というわけで、単純馬鹿で安上がりなアスカが一番マシ?   という、よく解らない結論に辿り着いたり、
	後日娘のメグちゃんや七海ちゃん経由で、郷さんや北斗さんのお返しを聞いてみたら、毎年工夫を欠かさず、
	自己満足ではなく奥様方が一番喜びそうなものを贈っている。と聞き、
	「どうやったらうちの男子たちもあのレベルに達するか」
	という、有益なんだか不毛なんだか……な作戦会議が、開かれたとか開かれなかったとか。




4  三男次男

	地球の日本時間で、3/14の夜。夕飯の支度に取り掛かろうとした所で呼ばれ、何か手渡されたマンは、
	それを渡してきた、義弟兼親友兼同居人に、心底怪訝そうな顔で問い掛けた。


	「……セブン、コレは?」
	「ホワイトデーのお返しだ」
	「そう。で、何コレ?」

	見た感じは、フタの部分がおろし金というよりはカンナか鰹節を削るアレに似ている、タッパーっぽい
	代物に、何かどこかで見たことあるような無いような……と首を傾げながら、マンが重ねて問うと、
	セブンは自信満々にドヤ顔で

	「スライサーだ。これ一つで、千切りも薄切りもかつらむきも思いのままで、切れ味はスラッガー並という
	 優れものだぞ」

	等々、性能について語り始めた。


	「黙れウゼェ」
	「え」

	ボソリと、まるでゼロのような口調-しかも舌打ち付き-で吐き捨てたマンに、セブンが耳を疑うと、マンは
	「ああ、間違えた」と呟いてから、

	「御託はいらないから、今すぐ黙ってくれないかな。ホントうざいよ君」

	と言い直した。

	「いやそれ、言い直しても結局同じこと言ってるだろ」
	「事実なんだから仕方ないだろう。これならまだ、お菓子の解説された方がマシだったよ。ホワイトデーに
	 実用品って、私は君の奥さんじゃないって、どれだけ言えば解ってくれるの?」
	「いや、でも……」
	「でも何。訳のわからない余計な弁解は要らないからね。……まぁ、物に罪は無いから、貰った以上は
	 ありがたく使わせてもらうけど」

	そこですぐにデレるから、セブン兄さんが調子に乗るんだと思うんだけどなぁ。とは、後で話を聞いた六男の
	言で、便利グッズや高機能な製品を見つけると、気になるよね。と三男の肩を持ったのは長男で、確かに物に
	罪はありませんし、便利な道具はあれば役に立ちますね。と次兄に賛同したのは四男で、そういうやり取りも
	込み込みで、一連の流れが熟年夫婦の域だよな。と思っても言わなかったのは五男だった。

	尚、余談になるが、翌日のセブン宅の夕飯は、大量の千切りキャベツの添えられたしょうが焼きだったという(笑)




5.妙案=墓穴掘り

	あまりにも毎日毎日しつこくて煩かったので、仕方なくバレンタインデーに、お徳用袋の余りとはいえ
	チョコレートを21にあげてしまったネオスは、どうやったら21からのホワイトデーのお返しを、無難な
	もので抑えられるか悩んでいた。
	放っておけば、愛だの何だのこもりまくりの、悪趣味で邪魔で使い道が無くて、しかしアホのように高価な
	お返しを用意することは目に見えている。何しろアイツは、味覚も趣味もなんかおかしいし。
	ああ、それにしても、何で僕がこんなことで悩まなきゃいけないんだよ……。
	等々、しばらく悩んでいる最中に、ふと「世の女性の逆っぽいよなぁ」という自嘲がよぎり、気が付いた。

	「そうだ!  女性達のお返しのリクエストの、逆をいけば良いんだ」


	そんな訳で、

	・あげたチョコと同額以下
	・消えもの(食べ物)限定

	との条件を叩きつけた結果。


	「野菜は家庭菜園のを分けてもらって、卵も貰い物。調味料は元々あったから計上しないで、予算内に収めたよv」

	ということで、朝目が覚めたら、いつの間にか自室に侵入していたストーカーが、勝手にキッチンを使い、
	それはもう見事なブレックファーストを用意しており、自分の発言がとんでもない墓穴を掘ったことに
	気付いて朝一からかなり凹んだ上、ジンギスカンキャラメルを美味しいと言ってのける味覚の持ち主の
	作った料理の味は推して知るべし。ということで、本人も料理も、見た目はそこそこだけに、だいぶ残念な
	感じだったという。




6 サコミズから愛を込めて

	3月上旬のある日のこと。
	「私的なことなんだけど、ちょっと良いかな」
	と、総監であるサコミズから質問を受けた、総監代行のミサキ ユキが、にこやかに
	「構いません。なんでしょうか」
	と返すと、サコミズの口からは、少し意外な質問が出て来た。

	「ホワイトデー、っていうのかな?  先月チョコレートを貰ったお返しをする日。そのお返しって、
	 どんなものが良いのか、教えて貰えると助かるんだけど」
	「ホワイトデーのお返しですか。お相手は、どのような方でしょうか?」
	「えーと、恩人、かな。要職に就いている、とてもすごい人なんだけど、気さくで優しくてね」

	少し照れ臭そうに説明するサコミズに、「大切な方なんですね」とミサキは微笑み返し、趣味や好きな物などの
	キーワードを聞きながら、いくつか検索しピックアップしたものを見せながら、アレコレ相談した結果。

	「この、ホワイトコーヒーっていうのはどうかな」
	「よろしいのでは無いでしょうか。総監と共通のご趣味がコーヒーな訳ですし、ホワイトデーにホワイト
	 コーヒー。というのは、面白いと思います」
	「ああ、でも、インスタントのしか通販で無いんだ」
	「そのようですね。では、別のものになさいますか?」
	「うーん。でも、やっぱり気になるなぁ」
	「それでしたら、このインスタントのコーヒーと、カップなどを贈ったらいかがでしょう」

	というわけで、サコミズ自身も気になるそうなのでホワイトコーヒーを2袋と、ペアのマグカップを注文
	する所まで手配し、後日
	「とても喜んでもらえたよ、ありがとう」
	と礼を言われたミサキは、
	「それは良かったです」
	と笑顔で答えながらも、

	(相手の方って、どなたなのかしら。総監の恩人で、あの口ぶりからすると、総監よりも立場が上で、歳も
	 もしかしたら上かもしれないけれど、そんなご婦人は、私の知る限りでは居ないし、あくまでも感謝や
	 親愛の意で男性だとしても、タケナカ最高総議長やハヤタ顧問などでは無いような気がするのよね。
	 それにしても、本当に嬉しそうね、総監)

	と、アレコレ思考を巡らせたが、結局あえて気にしないことに決めた。


	尚、サコミズからのお返しは、もちろん地球から遠く離れたM78星雲光の国の、宇宙警備隊の隊長の手に渡り、
	狂喜乱舞された後、しばらく義弟達や部下や友人らへ自慢されまくったのだった。



7  ヒカメビ

	地球の日本時間で3/14のお昼休み。
	今日は内勤のメビウスが、机の上に置いた小さな箱を、嬉しそうに撫でたり眺めたりともてあそんでいるのを
	目撃したゾフィーが、「それは?」と尋ねると、

	「今朝ヒカリにもらったんです!」
	「ああ、ホワイトデーのお返しか」

	箱の来歴に納得するゾフィーに、メビウスは普段から星が入って見える瞳を、更にキラキラ輝かせながら、
	その小箱を差し出して来たので、受け取って軽く観察した限りでは、シンプルなアクリル製で、上の面が
	フタになっていて開くようだった。そして、許可を得てからそのフタを開けてみると、中には何やら金属の
	ごちゃごちゃした装置らしきものが入っていたが、これは何かと尋ねずとも、開くなり鳴り始めた音で、
	オルゴールであることが分かった。

	「へぇ。オルゴール。ヒカリちゃんにしては、洒落たお返しだね」

	それにしても、何だか何処かで聞いたことあるような……。と、ゾフィーがどこで聞いた何の曲なのか
	思い出そうとしていると、通りすがりのジャックが、

	「ワンダバのオルゴールなんてあるんですね」

	とのコメントを口にした。

	「あ!  そうか。これワンダバか。しかもメビウスの所の」
	「はい!  ヒカリが作ってくれたんです」

	オルゴール特有の音階で、所々途切れてもいるので分かりづらいが、確かにワンダバのメロディで、よく
	見れば、フタの内側にはとても見覚えのあるファイヤーパターンの描かれているそれは、どう考えても
	既製品な訳は無いが、オルゴールって自作出来るの?   と思ったゾフィーが、ヒカリ本人に訊いてみた所。

	「休憩中と、帰ってからや休日に作った」
	「そう。仕事中に作った訳じゃないんた。……って、そこじゃなくて、オルゴールって自作出来るのか
	 訊いたんだけど」
	「作ろうと思えば作れたから、実際出来たんだが?」

	といった感じで、訊いたゾフィーの方が「何言ってんだお前」的な扱いを受けたが、三男を除く義弟達に
	言わせると、職場である科技局はともかく自宅にも工具が揃っているヒカリの方が例外とのことだった。


	そして余談になるが、この話を聞いて何か対抗意識を燃やした三男セブンが、「俺も多分作れる」と、
	義息子であるレイの誕生日プレゼントは手製のオルゴールにすることにしたようだが、肝心の曲を何に
	するか悩みに悩んでいた。

	「レイの所には、ワンダバどころか隊のテーマ曲も無いし、主題歌のどれかもあんまりピンとこないし……」
	「あのさぁ、セブン。『ウルトラスマイル』とか、他のボイジャーの曲じゃダメなの?」
	「あ」

	マンに指摘されるまで、綺麗さっぱり忘れていたが、そうだよ。それが一番だろ。というわけで、曲は
	ウルトラスマイルで、箱にはゴモラやリトラやエレキングや、セブンやマンやゼロをあしらいまくった
	オルゴールは、精神年齢7歳児に、大いに喜ばれたのだった。





8  ダイナ→ティガ

	成り行きで、こもっている想い以外は本命仕様の、とてもキチンとした手作りのチョコを、バレンタインデーに
	ティガからもらってしまったダイナは、ホワイトデーのお返しを何にするか、とても悩んでいた。
	舌の肥えた拒食症。という、めんどくさい属性を持ち、何か流行りにも詳しいので、無難なお菓子はビミョー
	だし、アクセや小物も何か違うし……。とアレコレ考え、ふと「アレはアリ、かな」と思い付いたのは



	「花?  しかも、何この仰々しいケース」
	「えっと、前っていうかサーガん時にタイガから聞いた、火星の花なんだけど」

	ガラスっぽい特殊なケースの中で鮮やかに咲く花束を渡されたティガは、「何を考えている」とでも
	言いたげに眉を顰めたが、ダイナの説明を聞くと、軽く目を見開き、マジマジとその花を見つめた。


	「……ダイゴ達の?」
	「おう。伝手使って取り寄せてもらった」

	伝手というのは、おそらくノア辺りーというか、接点的にも能力的にも他に居ないーだろうが、ごく稀に
	ピンポイントでツボをついてくるから性質が悪い。などと思いながら、ティガが珍しく素直に礼を言うと、
	ダイナは

	「喜んでもらえて良かったぜ!  ケースから出すとすぐ萎れるらしいけど、ケースの下っ側に特殊な
	 吸水素材が入ってるんで、そこを湿らせとけばしばらく持つらしいから」

	から始まり、その他諸注意や花の名前や特徴などを説明していった。
	その説明に一応適度に相槌を打ちながら聞いていたティガは、花から視線を外さず相槌も生返事のように
	聞こえなくもなかった。けれど、実は嬉しさと照れ臭さが入り混じっており、花で顔を隠すようにして
	いたが、実はその影で、はにかむようなレアな笑顔を浮かべていたのがチラリと見えたのが、ダイナに
	とっては一番の収穫だったという。




9  最強最速の手作り

	義理もしくはお歳暮率100%で、手作りのものは多分8〜9割は男製とはいえ、もらった以上はお返ししないと
	マズいだろうけど、結構な数なんだよなぁ……。と、自分のサイフの中身を眺めてため息をついたマックスは、
	例えもらったのがお徳用チョコ1個だったとしても、同じようなお徳用のお菓子で済ませたら、しこたま嫌味を
	言われることは、カイトと同化していた頃に一応学習済みだった。
	そんな訳で、しばし所持金とにらめっこをし、友人らにもリサーチしてみた結果。


	「ゼノさん!  俺今年のお返しは手作りするから、ゼノさん手伝って!!」
	「……何故私が手伝わなければならないんですか」
	「だって、俺1人じゃ作り方わかんないし、ゼノさんならどうにかしてくれそうだから」

	何か間違ってるスかね?  と首を傾げる最強最速の馬鹿部下の主張が、一理あるかもしれないと、一瞬でも
	思ってしまったことに、ゼノンは軽い頭痛を覚えた。けれど、この馬鹿が他に気軽に頼れる知人友人の中に、
	快く手伝ってくれそうで、かつマトモに料理が出来そうな人材が浮かばなかったので、下手なものを作って
	ばら撒いたら、後で文句を言われるのは、多分何故か自分だろうから。と、仕方なしに手伝ってやった。
	そして、くれぐれも私と一緒に作ったとは言い触らさないように。特に、ユリアンやガイアや21には。
	と釘は刺したが、「マックス1人でこんなの作れるわけないし」と指摘されあっさりバラした挙句にネタに
	されたことが判明したので、ゼノンは
	「もう、今後如何なる明後日な苦情を受けるとなったとしても、あのお馬鹿を手伝うのはやめましょう」
	と、心に誓ったとか違わないとか。



遅刻したけどWD詰め合わせですー 糖度は、一部は高め……かな?(当社比) 2014.3.16