12/24夜。ひ孫―のようなもの―にプレゼントを贈るのぢゃ☆なキングジジイが、サンタコスで
		セブン宅を訪れると、同じくサンタ姿で居間で義息子達と茶をしばいている孫娘―マリーさん―の
		婿殿―ケン氏―に遭遇した。

		「なんぢゃ、お前さんもプレゼントを渡しに来とったのか」
		「ええ、まあ」
		「もうプレゼントは渡して、帰る前にくつろいどる。という所か?」
		「いえ。ゼロの所には置いて来れたのですが……」

		若干遠い目をするケンと、苦笑いを浮かべるセブンとマンにどう意味かと訊くと、3人から「実際に
		レイの部屋に行けば解りますよ」と返されたので行ってみると、黒サンタの集団が居た。

		「なんぢゃ。こやつらがおるから部屋に入れなかったのか」
		「……誰だお前は。私の可愛いレイモンに何の用だ」
		「そういうお前さんこそ誰ぢゃ」
		「私は、レイモンの姉だ」

		ミニスカサンタの美少女なのに黒って……。なケイト嬢と、彼女の愛しのゼットン集団が居た所為で、
		マンもセブンもケンもレイの部屋に入れず、プレゼントも託しても勝手に開けて品定めされそうだと
		思ったので渡せていないのだと、居間に戻ってから聞いたが、流石のジジイは

		「そうか。お主はレイの姉なのか。それでは、お主にもプレゼントをやろうかのう」

		と2人分のプレゼントを渡して来たのだという。


		「そういえば、何日か前に『良い子にしていないとサンタにプレゼントを貰えないのか?』って
		 訊かれて、『レイは良い子だから大丈夫だよ』って答えたら、『ゼロも良い子か?』に続いて
		『ケイトは?』って訊かれて困ったよねぇ」
		「そうだな。ゼロはまぁ、ここ最近は更生してきたけど、ケイトが『良い子』だとすると、世の中の
		 大半が『良い子』だもんなぁ……」
		「だよねぇ。しかも、プレゼントの希望を訊いたら、『ゴモラが、クリスマスにはお菓子の長靴を
		 もらえると言っていたが、ゴモラはお菓子よりカレーが良いと言っている』って返されたし」
		「カレーの長靴は、メビウスも小さい頃に言っていたな。あの時は、どう誤魔化したんだったか」
		「確か、カレースプーンとレトルトのカレーを入れて、夕飯にカレーを作ってやった筈だけど
		 ゴモラの希望はカツカレーなんですよ……」		

		そんな過去のデジャブを含む保護者達の悩みに、割と部外者なキングが

		「カツカレーの長靴か。おもしろそうぢゃのう」

		と無責任なことを言い出し、全員から「やめて下さい!」と反対されたのだった。


		しかし、翌12/25朝。枕元に置かれていたプレゼントを抱えて起きてきたレイの手にしていた
		プレゼントの中に、カツのパックとレトルトカレーとサトウのごはんの入った袋があった。

		「え。誰!?」
		「俺んとこにも、カキフライとカレーあったんだけど……」

		少なくとも、セブンとマンからでも、ケン祖父さんからでもキング爺からでも、多分ケイト姉さんから
		でも無いだろうが、じゃあホント誰だよ。と全員で顔を見合わせたが、夜中に目を覚ましたゴモラの
		証言(レイ訳)によると、
		「銀色の胡散臭い人が来たヴぉ」
		とのことで、やっぱりアノ傍迷惑なカミサマだったという。
		



光の国家族モノ 2012年クリスマス2つめ メビたんなら、きっと結構大きくなってからでも「長靴いっぱいにカレーが入ってたら素敵じゃないですか!」 とか言いそうだな。と思ったのと、「ケイトは?」なレイちゃんが浮かんだので書いてみました 2012.12.23