成り行きで引き取った義息子(的な)のサーガが可愛くて可愛くて仕方ないダイナは、地球時間で
12月に入った辺りから、サーガへのクリスマスプレゼントを何にするか悩んでいた。
上司で先輩で親友以上の筈で同室でサーガの母親代わりをしてくれているティガは、
「むやみやたらと高価いものや、場所をとるようなもの以外なら、好きにすれば」
と、ダイナ任せで、ガイアは面白グッズを見つける度に「これは(笑)?」と勧めてくるが、
「そういうんじゃなくて、マトモなもん贈りたいから」
と断わっておいた。
そんなこんなで、しばらく1人で考えた後。「先輩お父さん達に訊いてみる。って手があんじゃん」と
気付き、レイや、時々ゼロにも高価かったり嵩張って邪魔なものを買い与えてはマンの説教を
食らっているセブンや、息子達が小さかったのは遥か昔な上にセブンと同類っぽかったらしい
ウルトラの父は外し、ウルトラのお父さん代表で保育士のナイスや、まだ小さい息子が居て常識人な
ジャックに訊いてみた所、
「私の息子は何でも喜んでくれるけど、あんまり高価いものはあげちゃダメって、妻には言われててねぇ。
ちなみに、今年はウルトラエッグのギンガセットだよ☆」
「私も、あまり小さい頃から高価なものを与えるのは、感心しませんね。かといって、本人が
欲しがっているものを完全に無視するわけにもいかないのが、難しい所でして」
とのことだったので、
「高価くなくて、本人が欲しがりそうなもの!」
とだけ決め、最初に思い付いたのは、
「でっかい長靴か靴下に、お菓子詰めんのはどうかな」
「悪くないとは思うけど、この子に食べられるお菓子ってことは……」
「ふ菓子とたまごボーロとベビーせんべい辺りで」
「それを、馬鹿でかい靴下に詰めるの? 喜ぶかなぁ」
発想がガキ。とティガにもガイアにも微妙な顔をされたので保留にし、次に思い付いたのは
「親子でお揃いの服とか憧れだったんだけど、アリ?」
「女物や、女性向きの色柄のを買ってさえ来なければ、別に構わない」
「ラジャー!」
ということで、アレコレ見て回り、サーガが茶色、ダイナが黒、ティガが白の色違いで、デザインも
わずかに違うが同じシリーズのフード付きのパーカーを選んだが、
「……ダイナ。この、フードに付いているのは何だ」
「えっと……猫耳、です」
「何でそんなものが付いているのを選んだ」
「いや、その、サーガのはクマなんだけど、このシリーズ可愛かったし、耳だけのシンプルなの
だから、フード被ってなきゃわかんないかな。って」
だからほら、俺のは犬耳。と説明されても、確かにこの手のを着せられた幼児は可愛いし、
若い子ならアリかもしれないけど、こんな、ガイア達に見られたら、徹底的にいじられるに
決まっている代物を買って来るな!
そう怒られはしたものの、犬耳フードのダイナがクマ耳フードのサーガを連れて出勤してたり
非番の日に遊んでやっている姿は度々目撃され、
「ティガはお揃いじゃないの?」
とガイアに訊かれ、渋々バラしたら
「着てるとこ見たい!」
とせがまれ、「嫌だよ」の一言で拒否したが、部屋着にはしているとかいないとかで、更には
お揃いのパーカーで寝ているティガとサーガを密かに写メったものが、ダイナの携帯の待ち受け
画像らしい。という噂もまことしやかに流れてはいたが、ひとまず写メに関してはガセだと
ダイナが否定ーというか必死の弁解ーをしていた。
尚、余談になるが、息子達へのプレゼント選び中にダイナと遭遇したセブンが、ダイナの選んだ
シリーズを気に入り、レイに茶色の犬耳、ゼロに黒のうさ耳、マンに白の羊角を選び、消去法で
選んだ自分用のグレーの象耳が一番恥ずかしいとはいえ、ゼロとマン(と義弟達)から、「何考えてんだ」
と散々ダメだしされたが、結局レイの
「みんなでお揃いはダメなのか?」
との他意も含みも何も無い純真な問いに負け、「外では着ないし、写真も動画も撮るな」との条件
付きで、家ではお揃いのパーカー姿でいるとかいないとかいう噂も流れたが、そちらも当人達が口を
割らないーセブンは口止めされているっぽいーので、真偽の程は定かで無いという。
せっかくクリスマス前にチビさっちゃんのシリーズを始めたので、思う存分迷子をはしゃがせてみました。
もこもこのけもみみついた服着せられた幼児って可愛いですよね
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