1.大川家(数年前?)
	「おじゃましまーす」
	「いらっしゃい。……三郎、お友達遊びに来たよー」

	「……なぁ、大川(三郎)。今のお前そっくりの人って、お姉さんか何かか?」
	「いや、母親だ。15で私を産んでいるから、見た目通り若いけどな」
	「へぇ……。じゃあ、さっきすれ違った若い男の人が、親父さんか?」
	「違う。アイツ、勘右衛門は……まぁ、伯父みたいなもの。にしといてやるか」
	「おじさん『みたい』って?」
	「死んだ実の父と雷蔵の共通の友人で、私の父親代わりと言えなくもなくて、たまに遊びに来るが、
	 あくまでも雷蔵とは兄妹みたいな関係らしいからな」
	「ふぅん。ところでお前、お母さんを名前呼びしてんだな」



	
2.中在家&潮江家(数年後 高校にて)
	「きり丸。コレ、母さんが祖父さまに借りてた本らしいんだけど」
	「ああ。聞いてるんで、渡しとく。……ああ、そうだ。左近姉、先週来た時、上着忘れてっただろ?
	 取りに来るのと、俺が持って来て学校で渡すのとどっちが良いか訊けって」
	「アレ、見つかんないと思ったら、そっちに忘れてたか。じゃあ、今日の帰りにでも取りに行く」
	「解った。そんじゃ、そうメールしとく」

	「……中在家。お前、潮江先輩とどういう関係なんだ?」
	「叔母と姪」
	「は?」
	「左近姉の母親が、俺の姉貴なんだ。だから、俺が叔母で、向こうが姪に当たる。……けどまぁ、
	 普段は従姉妹レベルの関係だけどな」




3.土井家(職場にて)
	「土井くーん。こないだのお休みに、すっごい美人さんと歩いてるの見掛けたんだけど、彼女さん??」
	「……叔母です。亡くなった母の妹で、ああ見えて結構いい年いっていますから」
	「そうなのぉ? つまんないわー」
	「まぁ、若く見られるのは好きな人ですので、伝えてはおきますが」





4.潮江家
	「こないだクラスの友達に、親戚みんなで集まってる写真見せて説明してたら、仙さんと照代さんが
	 姉妹で、留伯父さんと父さんが兄弟か。って言われたんだけど……」
	「……。確かに、どっちも何となく似てるよな。特に母さんと照代さんは、うちの兵太夫と伝七みたいな
	 双児に間違われた。って話は、何度か聞いたことあるし」
	「けど、『おばさん』て呼ぶと怒る伯母さん達はともかく、父さんも伯父さんも、全力で思いっきり
	 否定しそうだよねぇ」
	「そうだな。……そんな光景を、伊作叔母さんは楽しそうに笑って見てそうな気がするのは、俺だけか?」
	「ううん。僕もそう思う」




5.斉藤家(職場にて)
	「あのー、斉藤サンの話にいっつも出て来る『きーちゃん』て、妹ってマジッすか?」
	「そうよ。知らなかったの?」
	「いやだって、アノのろけっぽい話ぶりからしたら、彼女だと思うじゃないすか」
	「……まぁ、確かにね。でも、一応実の、可愛い可愛い末の妹らしいわよ」





断片的に、浮かんだ奴らのみ 年齢不詳と紛らわしい関係が多いことの再確認ネタでした 2010.5.16