「うっわ、この子斉藤サンの彼女ですか? 若ー。いくつ違うんです?」
	「えっとー、13歳」
	「へぇ。って、斉藤サンいくつでしたっけ?」
	「今月で32歳だよー。だから、きぃちゃんは19歳」
	「きぃちゃんって言うんスか」
	「うん。喜八郎だからきぃちゃん。……だけど、気安く呼んだり近寄ったりしないでねぇ」

	(「……。あの子さぁ、斉藤サンの妹さんだよね?」
	 「の筈。でも、良いんじゃないの。アノ馬鹿に下手に手出しされない為には」)

タカ丸とお店の新人くん+他のスタッフさん



「斉藤ー。こないだ美人さんと歩いてんの見たけど、どういう関係?」 「いつ、どんな相手でした?」 「ん〜とな。日曜に、キツメの美人とショッピングモールに居ただろ?」 「ああ。それなら姉です。秋物の服などの買い出しに、荷物持ちとして付き合わされたんです」 「ちなみに、そのお姉さんて独身?」 「小学生の息子が3人居ます」 「そっか。なーんだツマンネェの。……所で、さっきの訊き方だと、他にも美人の心当たりあんのか?」 「妹や、義理のお姉さん方などの可能性が」 「へぇー。ちなみにその人達は……」 「お義姉さん方は子持ちで、妹は……うちの兄に蹴り殺される覚悟があれば紹介しますけど、本人もブラコン  ですから、多分無理だと思います」 「あっそ、それは残念」 (そして、ついでに義理のお姉さんの1人は、潮江課長の奥さんともいいますけど) 三木と同僚
タカ丸の誕生日に、弟妹達がプレゼントのリクエストを訊くと、 「たまには、久しぶりに4人だけでご飯食べに行きたいなぁ」 との答えが返ってきた。 そして当日。子供達を義姉伊作の所に預けてきた滝夜叉丸と、大学帰りの喜八郎が、残る2人を駅前で待って いると、見るからに頭の悪そうな男達にナンパされた。 初めの内は無視していたが、あまりにしつこいので「待ち合わせの相手が居る」と告げても引かない上に強引な 相手に、2人が抵抗していると、その男共は背後から早口の外国語で話しかけられ、振り向いた瞬間に、顔の 高さに回し蹴りを食らって吹っ飛んだ。そして男共が文句を言おうとしたのに対し、尚も外国語でまくしたてた 挙句に撃退したのは、 「……タカ兄遅い」 「ごめんねぇ、滝ちゃん、きぃちゃん。遅くなっちゃって。変なことされなかった?」 「ええ。はい。しつこかったですが、特には」 妹達の顔を見るなり、ヘラっと笑った、タカ丸だった。 ちなみに、後日喜八郎が耳コピーしたタカ丸のセリフを、旅行が趣味で言語に強い大学の知人に訊いてみた所 「斉藤さん、どこでそんなの聞いたの? あたしも完全には解らないけど、ソレものっすごいスラングでの  罵詈雑言だよ。意味は、『うちの姫さんらに何してんだ』とか『失せろ××野郎』みたいな感じかなぁ……」 といった、結構過激なものだったらしい。 家族モノのタカ丸兄さんの得意技は、かかと落としと回し蹴りで、双方有り得ない高さや角度や位置から。 そして英・伊・独・仏・西・中・露・ポルトガル辺りのスラングが操れ、長身金パの、実は怖い人です(笑) 2010.9.11&9.17