第一回サンタ騒動の翌朝。無駄に上機嫌な伊作は、子供達に
	「朝ご飯食べたら、支度しておうち帰るよ〜」
	などと声を掛けて起こした。そしてそんな伊作は、子供達の大半が寝ぼけ眼で困惑している朝食の席で、
	顔を合わせた兄留三郎には苦虫を噛み潰したような顔で首筋を叩いて指され、仙蔵には

	「今すぐ、もう少し襟の詰まったものに着替えてこい!」

	といきなり言われたが、何のことか解らずにキョトンとしていると、小平太に

	「姉ちゃん、首んとこの痕、結構目の毒」

	とズバッと指摘された。そこでようやく、滝夜叉丸なども若干気まずそうな顔をしていて、文次郎に至っては
	その場から逃げ出したそうなくらい、居た堪れない様子で真っ赤になっている原因が解った。

	けれど伊作本人は、とりあえずすぐに着替えはしたが、「あちゃー」位にか思わなかったという。


	そんな大人達のやり取りを見ていた、仙蔵の双児の娘達は
	「え? 何? どういう意味??」
	と目を輝かせて姉藤内に
	「いや、まだ解らなくていいから……」
	と止められ、同じく意味が解らず騒ぐ左門・三之助・団蔵・伏木蔵などの馬鹿やおチビは、作兵衛に
	「黙れお前ら!」
	と一喝されたが、作兵衛もハッキリとは意味は解っておらず、とりあえず騒ぎ立ててはいけないことだけ
	感じ取っていただけのようである。

	そして残る左近・久作・きり丸・左吉辺りは、「よく解らないけど放っておいた方が得策」と考え、
	数馬は珍しく作兵衛並に内心グルグルしていたが、顔には出さないように努めていた所、祖父長次と
	大伯父新野にポンと肩を叩かれ、「心中は察するが、気にしたら負けだ」的な顔をされたという。



下世話で蛇足なオマケでした☆ 尚、雷蔵さんは三郎のクリスマスプレゼントとして、大川家に出向いているのでこの場には居りません。 2009.12.15