〜双児(左&団)編〜
『きょうは、おたんじょうびなので、お母さんのところにおとまりです。
ごはんも、ぼくたちのすきなものを、つくってくれました。
お母さんと、お兄ちゃんたちと、お姉ちゃんと、だんぞうとらんたろうと
ふしきぞうと、みんなでお買いものにも行きました。
うれしかったです。』
『きょうは、おれたちのたんじょうびだから、プレゼントをみにいきました。
でも、きょうは見てほしいものをかんがえるだけで、買ってもらうのは、
さもにいのたんじょうびの時に、いっしょに父ちゃんに買ってもらいなさい
って、母ちゃんにいわれました。』
※共に夏休みの日記より抜粋
〜左門編〜
「父ちゃん、父ちゃん、父ちゃん」
「んだよ。うるせぇな。1回で聞こえる」
「今年の誕生日は、父ちゃんと買い物に行けって言われた!」
「誰にだ。…って、伊作にか」
「そうだ! だから早く出かけよう! 団蔵達のも一緒だそうだ」
「ああそうかよ。別に出掛けんのも買ってやんのも構わねぇが、
あと3時間は後にしろ。まだ8時だろ? 休みの日くらい寝かせろ」
〜三之助編〜
「四郎兵衛! 金吾!」
「「はいっ!!」」
「三之助を連れて、お昼まで遊びに行って来い。午後は、お父さん(小平太)が
プールに連れて行ってくださることになっている。私はお前達が出掛けている間に
ケーキを焼いたりする予定なので、邪魔しないように! 解ったか?」
「ことしはさも兄といっしょに、ひろじぃのおうちでおたんじょうかいじゃないの?」
「まぁ、色々あって、ウチだけで祝うことになったんだ」
「いろいろって?」
「色々は色々だ。とにかく、三之助を見失わないように遊んでくるんだぞ」
「「はぁーい」」
〜小平太編〜
「じゃあ、伊作姉ちゃん。今年も頼んだ!」
「うん。明日の朝まででいいんだよね?」
「三兄と、しろ兄と、金吾兄、今日お泊まりなの?」
「そうだよー、伏ちゃん。今日は、こへおじさんのお誕生日だから」
「…って母さん。それで解るの、僕と精々左近が限界だと思う」
「いや、数兄。僕も解らないから」
「自分の誕生日くらいは、夫婦水入らずでいちゃつきたいからって、
こへは毎年僕や、父さんとか留兄の所に、子供達預けるんだよ。
……いいよなぁ。来年こそは、僕も文次に言ってみようかなぁ」
〜文次郎編〜
その日文次郎が帰宅すると、居間のテーブルの上に、
綺麗にラッピングされた細長い箱があった。
添えられていたメッセージカードには
”Happy Birthday dear 文次郎
34歳おめでとうv 1週間以内に、絶対に会社に締めていってね
(最低でも1日中締めていること!三木くんに監視を頼んであるからね)”
と、家出中の妻伊作の字で書かれており、中を見てみると、
某猫型ロボットのシルエットを散らした柄のネクタイが入っていた。
その嫌がらせじみた(というか完全に嫌がらせの)誕生日プレゼントに
隠された、伊作の嫌味と主張に気付くまで、あと5か月……
2009.8/6〜/22までの期間限定拍手お礼でした
2009.8.23
戻