注意書き

※カミサマ(ノア)の気紛れで、サーガが2歳児として具現化されています
※ダイナがチビサーガのお父さん代わりで、ティガが母親役をしています
※びみょーに腐向けです
※ダイナがティガさんにべた惚れです
※細かい設定はコチラのネタをご覧ください

以上ご了承いただけましたらどうぞ↓




カミサマのお戯れで具現化された、幼児なサーガを預かった状況での、地球時間5月5日。
ダイナは、とても浮かれかつ張り切っていた。

まずは、前の日とかに一緒に折り紙や新聞紙の兜と、ぬり絵とかはり絵で鯉のぼり作って、
午前中は前からたまに野球を教えていた小学生達との草野球大会の約束があるから、その
間だけサーガはティガに預けて、午後は動物園の代わりにコスモスの職場に怪獣達を見たり
モフったりしに行って、オヤツに柏餅食って、夜は菖蒲湯に入る。との予定を嬉々として考え、
弁当とか差し入れとか作ってくれると嬉しいなー。と試しにティガに頼んではみたけど、「気が
向いたらね」っつってたしな。と、その辺はあまり期待し過ぎないことにしておいた。



そして、地球時間5月5日のこどもの日当日。昨夜作った紙の兜や鯉のぼりをサーガに被せたり
持たせて、まだ解らないかもしれないが「今日は、地球では『こどもの日』っていう日なんだぞー」
などと、拙い説明をしていると、
「お昼までには合流するけど、午前中のサーガの子守りは、UFZの子達に頼んだから。あの子達も
 草野球参加するんだよね?」
と、水筒とサーガ用の10時のオヤツを用意しているティガに告げられた。

「え、ああ、うん。ゼロ達は代打とか代走の助っ人で声掛けてあるから、ついでに子守りも
 頼めると思うけど、何か用あんのか、ティガ?」
「マンさん達とちょっとね」

ちゃんと水分や休憩を取って、熱中症には気をつけなよ。特に、子供達は君やUFZの連中程の
体力は無いんだからね。などの注意を、水筒と帽子を手渡しながら言い聞かせてくるティガに、
(そっか。午前中はティガ居ないのか)
と少し残念には思ったが、まぁ仕方ないか。気を取り直し、支度を済ませた後。サーガを抱いて
子供達の待つグラウンドに向かうと、小学生の集団と、UFZの5人がレイ(とゴモラ)も連れて来て
おり、サーガおよび小学生達が連れて来ている下の子や練習はともかく試合はまだ難しい低学年の
子達の子守りは、ミラーナイトとジャンボットが担当し、試合に参加するのはゼロとグレンファイヤーと
レイとジャンナイン。ということになった。
そして、しばし練習した後。ダイナは監督兼審判で、子供達とUFZを2チームに分かれ試合をしている最中に、
何やら大きめの風呂敷包みのものを持ったティガが、同じく大きめの何かを抱えたガイアと共にやってきた。

「お疲れ様。コレ、差し入れだから、試合終わったらみんなに配って。何人居るか聞いていなかったけど、
 多めに作ってきたから多分足りると思う」
「僕のはお茶とスポーツドリンクだよ」
「おう。あんがとな、2人共」

試合終了後。ティガが開けて見せた三段重ねの重箱の中には、一段辺り十数個の柏餅が詰められていた。

「もう一個あるけど、こっちのは?」
「お弁当。僕らの分と、怪獣見学のお礼代わりにコスモス達に持って行く分と、マンさんから預かってきたゼロ達の分」
「てことは、今日のマンさん達との用事って、コレ?」
「そう。ちなみに、柏餅は1段目の白いのがこしあんでマンさん。2段目の草餅がつぶあんでジャックさんで、
 3段目のピンクのがみそあんで僕が作った奴だから」

1人2個位はあるから、うまく分けてね。それと、君の分はお弁当と一緒にしてあるから、子供達とUFZで分けちゃって。
とのティガの説明に、ダイナは頬が緩みかけたが、
「おねーさんとチビちゃんは、ダイナさんのお嫁さんと赤ちゃん?」
との子供の1人の問いに、ニコリと微笑み「違うよ」と答えるティガに、「ですよねー」と我に返った。


「ところで、スポーツドリンクって、既製品だよな?」
「ううん。僕のお手製。レシピはセブンさんのをマンさんが改良した奴だけど」

そーだよなー。小学生の中にボーイも居るから、妙なこと言えないもんな。とちょっとがっかりしつつ、柏餅と
飲み物を配りつつガイアに尋ねると、まさかの答えが返って来たので「大丈夫なのか!?」と目を剥いたが、

「大丈夫。『ダイナやUFZの連中はともかく、警備隊員が子供達に劇物を与えて責任問題にまで発展。だなんて、
 冗談じゃないから』って釘を刺しておいたから、余計なアレンジは加えられてないよ」

との―どこかちょっと引っかかる―答えがティガから返って来たし、実際サーガが、ティガの支えているコップで
そのガイア製のスポーツドリンクを飲んでいたので、本当に大丈夫なんだな。と解釈した。


						☆

差し入れを食べ終え、道具も片付け子供達を帰した後。ゼロ達はセブン宅に遊びに行くそうで、ダイナとティガと
サーガは、予定通りコスモス達の所へ怪獣を見せてもらいに行くことにしたが、その前に折角だからみんなで
お弁当食べてったら?  と、ガイアが提案した。

「僕らは、これから用事があって、予約も入れてるからそっちで食べるけど、お弁当組はここで食べてけば
 良いんじゃない?  いっそのことマンさんやセブンさんも呼んでさ」
「そうだな。折角だもんな」

ということで、にわかピクニック状態で食べることになった、マンとジャックとティガ製の弁当は

「おー、すげぇな。鯉のぼり型の……巻き寿司とかいうんだったか」
「混ぜご飯で作った細巻きを切って並べただけだから、そんなに難しく無いよ」
「いえ、すごいですよ。色は何で?」
「黒は海苔で、緑は青菜漬け。黄色が薄焼き卵で、ピンクは梅シソご飯でカリフォルニアロールのように海苔を
 内側にして巻いたんだ」

3人で手分けして作ったから、結構楽だったよ。とはいうが、だいぶ手の込んだ巻き寿司を始めとし、オカズも
肉類と野菜が一体化したものが多かったのは、放っておくと肉類ばかり食べる若手対策らしく、全体的に母親的
心遣いや工夫が満載のように思えた。

そして、食後の柏餅まで含めた昼食後。今度こそセブン一家(マン含む)+UFZ別れ、コスモス達の所へ向かい、
思う存分怪獣達と触れ合った後。
警備隊の寮ではなく、郊外ある滅多に帰らない自宅の方に帰宅し、ティガが夕食を作っている間にダイナが
サーガを連れて菖蒲湯に入り出て来ると、どことなくこどもの日仕様の夕食を食べ、ダメ元で提案してみた
親子川の字は却下されたが、それでも「家族」や「父親」への憧れや思い入れの人一倍強いダイナにとって、
充分幸せで夢が叶ったといえなくもない一日だった。
そして、普段は表立っては何も出来ないけど、今年はサーガをダシにして、冗談めかしたノリでなら、
母の日でも何でも出来るんだよな。と気付き、何をしようかアレコレ考え始めたら、中々眠りに就けず、
ようやく眠れたのが遅かったので、翌朝はサーガに腹の上で跳ねられた後ティガに叩き起こされる。
という、ベタで憧れの状況と言えなくもないが、結構キツい起こされ方をした。
それでも、「朝ご飯が冷める前に起きてきなよ」と起こされ、目付きは悪いが愛想が良くて可愛い息子を
抱っこして食卓に向かうのは悪い気分ではなく、素は結構愛想なしだが超絶美人の妻が、何も言わなくても
好みの焼き加減のトーストと目玉焼きを用意してくれる様は、この上なく幸せな光景な気がした。


						☆


「……紫のカーネーションなんてあるんだ」
「ああ。俺も見つけた時驚いた」

事情を知っているガイア達やマン達のみならず、タロウやナイスなどにも、計画通りサーガをダシに
参考意見を求めてみた所。地球のテレビ番組で取り上げられていたという、紫のカーネーションの
話を聞き、「コレだ!」と思い取り寄せたのだが、全て紫のみの数色のバリエーションで構成された
花籠は、思った以上にティガに似合っていた。

「それから、コレがサーガからの似顔絵と、ナイスんとこで折ったカーネーションだってさ」

あい。とサーガ自ら手渡して来た似顔絵と折り紙のカーネーションは、2歳児の作なので、どちらも
説明無しではわからなかったが、ティガはとりあえず「ありがとう」と受け取り、頭を撫でてやった。

「で、コレは俺とガイア達から」

そう言ってダイナが取り出して来たのは、やけに大きな、地球の家電量販店の紙袋だった。

「ちなみに、ゼロとセブンさんからマンさんへと、エース兄ちゃんとタロウ兄ちゃんからウルトラの母へも、
 色違いでおんなじやつ」

そんなプレゼントの中身は、マッサージクッションとホームベーカリーで、ダイナと一緒にアレコレ
リサーチしたゼロから弟達のプレゼントをきいたセブンが、
「母と同じものだ。と言えば、マンも怒らないか?」
と考え、ダイナも
「マンさんと同じとか、喜ぶかもな」
ということで、便乗してみた。とのことだった。

尚、それぞれの反応は、ウルトラの母は
「まぁ、ありがとう2人共。早速使わせてもらいますね」
と喜び、マンは
「だから私は、君達の母親でも奥さんでも無いってば。ああ、でも、物としては有難いし、母上とお揃い……」
と、セブンの目論見通りに複雑そうな反応で、ティガは
「ああ、コレ、一番色々作れるやつか。高値かったでしょ。マッサージクッションは最新のじゃ無いみたい
 だから値下げされてたかもしれないけど、どっちか片方で良かったのに」
などと主婦目線で無駄遣いするな。とは返してきたが、
「でも、ありがとう。有難く使わせてもらうよ」
と、それなりに喜んでくれたのだった。 



チビサーガでだいぶ遅刻なこどもの日&母の日ネタでした。 とにかく、幸せそうなダイナちゃんが書きたかった。ということで (某所に投下したものとは、少しだけ内容が違います) 2014.5.12