○月×日
隣の席の黒木が何か食べていたので、
訊いたら「食べる?」とスルメを
差し出された。
うまかったけど、何でスルメ
○月●日
今日は昆布だった
○月△日
珍しく、黒木が袋に入った何かを
食べていたので覗きこんだら、煮干しだった。
しかも、アレたぶんダシ用
○月□日
何やら見知らぬものを黒木が
食べていたので訊いたら、
「乾燥パパイヤ」
との答えが返ってきた。
微妙にムカつくのは何故だろう
○月☆日
課題のことを訊きに鉢屋先生の研究室に
行ったら、オヤツのお裾分けをくれた。
何やら怪しげだったので何かと訊いたら
「黒木くんにもらった干しナツメ。
彼の家乾物屋だから」
だそうだ。…何か納得がいった気がする。
”乾物屋” 友人(?)今福くんの日記抜粋。
「胃薬の売上げの、約半分を3人が占めている」
「うちの品揃えがドンドンマニアックに
なっている原因は、間違いなく直属上司の片割れ」
「うち魚屋だから、そういう特殊な顧客は別に…」
”薬局・本屋・魚屋” 最近のお客の話
(ちなみに薬局の「3人」は土井・任暁・富松)
とある昼前の出来事。
「おっちゃん。このメモの頂戴」
「お前、いい年してそのガキの使いみたいな言い方何だ」
店の前に立ちメモを突き出した小平太は、大木を「おっちゃん」と
呼ぶが、自身もいまや30代半ばの立派な「おっさん」である。
「えー。だって読めないんだもん」
幼い頃から変わらぬ口調に呆れながら、大木がメモを見ると、そこには
”南瓜 舞茸 茄子 生姜 万能葱 青紫蘇 茗荷”
と、滝夜叉丸の字で書かれていた。
「あー。今日の昼はそうめんと天ぷらってとこか」
「ううん。冷麦だってさ」
”八百屋” お使い若(34) 滝さんは素でうっかりこんなメモを託してればいいですよ。
一応、読みは「かぼちゃ まいたけ なす しょうが ばんのうねぎ あおじそ みょうが」
です
「合い挽き肉を3kg下さい」
「3キロで足りるのか?」
「ええ。餃子ですから、他の具もありますし」
「・・・あの連中の分となると、大変だろう」
「いえ、そうでもないですよ。皮とタネだけ用意して、後は
各自で包んでホットプレートで焼くよう指示を出しますので」
”肉屋” どんどん母スキルが上がり、手も抜けるようになった滝さん。
肉はkg単位で買うのが日常です。
「ほら、若。帰りますよ。立って下さい」
「ん〜。滝ぃ?」
「珍しいですよね。所長がここまで酔っているのって」
「うるさい藤内。いいだろうたまには」
「義兄さん平気? あんま強くないんだから呑みすぎないでよね」
「ごめんねぇ数馬。このままだと、無事に帰りつけそうになくってさぁ」
「中在家館長ー。意識ありますー? ご自宅まで送るだけでいいっすよね」
「・・・ああ」
「あー、俺は平気だ。自力で帰れる。けど、そいつら送ってくのは
流石にムリな気がしてな。呼び出して悪い」
「いえ。お気になさらず」
「放置すると後が怖いですから」
「酔ってなくても危なっかしいもん。この人」
「明日でも送り賃もらえれば、れっきとした仕事っすから」
「では、俺らはコレで」
「はいはい。気をつけて帰るのよ。…ところで、潮江くんのお迎えは誰か頼めたの?」
「居なかったんで、その辺の道にでも転がして置いてください」
”食堂” 文次郎イジメ。嫁(代わり)もいないし、部下も身内も頼めません。
何でも屋は、翌日覚えてなくて料金回収出来なかった前例があるので、もう送ってくれないのです。
「愚息! アンタまた店の大吟醸持ち出したわね」
ある日、いつも通りに兵助の部屋で4人が八左ヱ門持参の酒で
酒盛りをしていると、八左ヱ門の母が怒鳴り込んできた。
「あ。ごめんなさいおばさん」
一番奥に座っていた雷蔵が、正面向きであることから反射で頭を下げると
「ううん。雷ちゃんは悪くないの。いつだってろくでもないこと
しでかすのは、ウチの馬鹿と三郎だもの」
八左ヱ門の母は雷蔵にだけ笑いかけてからから、2人のことを見た。
「おばさーん。今日はハチの単独犯なんだけど」
一応とばかりに三郎が不服申し立てをすると、
「今日は。でしょ?」
と返された。さらにそれに残る1人が「確かにな」と同意して笑うと
「兵助。アンタも止めなかったし、呑んでる時点で共犯だからね」
とのことだった。
「…何だろうな。この扱いの差は」
今後無断で持ち出さずに代金を払う。と、何度目になるのか誰も覚えていない
約束を取り付けて、ようやく八左ヱ門の母が去った後、兵助がポツリと呟くと
「まぁ、今に始まったことじゃないじゃん。母ちゃんが、雷蔵と
こへ兄んちの滝ちゃんにだけクソ甘いのは」
さっさと呑みを再開し、つまみに手を伸ばしながら八左ヱ門が笑って返され、
原因の一端は日頃の行いにある三郎達と、自分まで一緒くたにされるのは
どうも釈然としないが、今更なので諦めた兵助だった。
”酒屋” すいません。オリキャラ出張りました。竹母は親友である雷母と、
彼女似の息子がお気に入りの模様です。もう一人の方は、中身が父親似なこともあり
息子の悪友扱い。豆腐は完璧とばっちり(笑) (ついでに滝のことは義妹扱いしてます)
「おとーふくやしゃい」
とある週末。兵助が店番をしていると、ボウルを抱えるようにして持った
幼児(こと、四郎兵衛)がお使いにやってきた。
「いらっしゃい。数は?」
「うと。3ちょ?」
腰を落として目線に合わせて訊くと、四郎兵衛はたどたどしい様子で
記憶をたどりながら答えた。それを、おそらく「3丁」と言われてきたの
だろうと兵助は解釈し、ボウルに入れてやり、
「まいど。落とすなよ」
「あい」
代金を受け取ってからしっかりと抱え直させ見送った。
「…で、そこの見張り役。追加は何丁だ?」
四郎兵衛が2軒ほど先まで行ったのを確認してから、見つからないようにそっと
後をつけるよう命じられたと思われる、電柱の影の金吾に向かって声を掛けると
「あ、大丈夫です。晩酌の冷奴用なので」
とのことだった。
「そうか。ところでそのカメラはなんだ?」
「…撮ってこい。って、若が」
「大変だな。お前も」
”豆腐屋” はじめてのおつかい。これだけ14年前です。
幼児(しろ)を子供(金吾)が守れるのか。とも思いますが、主に商店街辺りは、
周りの知ってる人達みんなが保護者。なイメージですし、組の関係者ちゃん達ですから…
「配達に来ましたー。米屋です」
「ご苦労様です。珍しいですね…えーと、どちらで?」
「1俵片手で持てる方です」
「ああ、雷蔵さん。お一人ですか?」
「いえ。車は三郎が出してくれました」
”米屋” 三郎は過保護だけど非力。だと面白いかな、と
(ついでに酒屋の馬鹿息子は、瓶ビールのケースを片手で持てそうなイメージで)
「分かってます判ってます解ってます。『銃とは、指一本で他者の
命を奪うことが出来、その感触が己の手に残らないもの』です。
だから、不用意に扱っていいものでは決してないです。…解ってるから、
銃がらみの事件のたんびに説教はやめて、父ちゃん」
”銃砲店” 模造銃で動物が…的な事件でも説教(言い聞かせる方)が始まる佐武家。
説教内容の元は、落乱の原作と『鋼の錬金術師』の中尉のセリフから。なつもり
しかし、両方今はちょっと手元に無くて確認できなかったため、あやふやです
「申し訳ありませんが、こちらはお売りできません」
「何故だ。金が足らんとでも言うのか!」
「いえ。この子が、貴方に買われたくないそうですので」
「はぁ?」
「てんちょはねぇ、そういうの、見えたり聞こえたりするんだって」
「何馬鹿なことを…」
「この子、今はうちを気に入って大人しくしてくれていますが、
いわゆる”呪いの人形”ですから、ムリに買っても、いいことありませんよ?」
”古物商” 視える店長と天然バイトちゃんv.s.金だけはある客
「店長って、大学を中退してこの店を開いた。って聞いたんですが…」
「あぁ。確かにそうだが、誰から聞いたんだ?」
「伏木蔵からです。伏ちゃんは、三反田さんから聞いたそうです」
「数馬の所の、医学生の方の子か。…珍しい。進路相談に乗ったのか」
「えーと、すいません。流れがわかりません」
「僕は、動物実験や解剖が耐えられなくて獣医大を辞めたんだ」
「ああ。伏ちゃんもそういうの苦手だから」
”ペットショップ” 実は「運命の出会い」の補完ネタ。
「4歳違いなので、初島君が高3の時は店長大学生の筈じゃ?」と自分で気付いてしまったので
えー。今まで来た中で、一番変わったお客さんですかー?
父さんの店に居た時は、女のお客さんばっかりだったし、
結構上品な人が多かったから、ここでお店持ってからだとー、
そーだなー。開店したての頃に、「適当に短くしてください」って
男のお客さんがいてねー、そのお客さんは普通だったんだけどー、
帰ってすぐに、「今さっきの客と同じにしてくれ」って、おんなじ
顔のお客さんが来てー。あ、うん。そう。芸大の双子さん。
その時は、ドッペルゲンガーかと思っちゃったんだけどねー
”髪結い” お客様の髪を切りながらの雑談。多分相手は商店街の誰か
双児はその後も、弟が髪を切ると直後に兄が来ます。必死なのはお兄ちゃんだけ。弟はマイペース
「加藤くん」
「え? な、何? 伊助ちゃん」
「これは、何かな?」
「…ジャージです」
「そうだね。間違いなく、君の高校ジャージだね。それじゃ次。このジャージが、
”カビる”を通り越して”腐ってる”ように見えるのは、僕の気の所為?」
「えーと、腐ってます。気の所為じゃない、です」
「そう。…どうして、腐っているのかな?」
「ラーメンの汁こぼしたの拭いて…で、そのままにしてたら」
「へぇ。わかってて放置してたんだ。すぐに洗えば、どうにかなったのに?」
「今、梅雨で、洗濯物、乾きにくい、し…」
「ジャージってかなりすぐ乾くと思うし、駅前のコインランドリーに乾燥機あるよね。
というか、実家には乾燥機あるんじゃなかったっけ?」
「ある、筈、です」
「それで何で、ここまでやらかすかなお前は。ああもう。他の洗濯物も山になってるし!」
「…伊助。それ以上絞めると、そろそろヤバイと思うよ」庄
「あ、落ちた」金
「うっわ、赤黒いぞ顔色」虎
「その辺転がしとけば、その内起きるでしょ」兵様
「だな。にしても、マジでいつ来てもきったない部屋だよな」きり
「そうだね。あの辺りなんか、特に澱んでるし」三治
「何か、見えるの?」しん
「あいてるよー。勝手に入っちゃって多分平気ー」喜
「ねぇ、何があったの? 何で私、来るなり介抱しなきゃいけないの??」乱
”クリーニング屋” 団蔵の部屋にて飲み会中オカン発動。笑顔でキレた伊助さん。
「そのまま〜」辺りから、チョークスリーパーが炸裂しているので、団のセリフはブツ切れ状態
下の各セリフは飲み会に参加してた傍観者達。1人だけ、遅れてきたようです。
(反転で誰だか書いときましたが、大体わかるんじゃないかと)
「あの、すいません。美術館は…」
「この道を―」
「駅から真っ直ぐ行って、坂を上って4つ目の信号を、右折して
少し行くと、看板が見えてきますから!」
「は、はい。ありがとうございました」
「先輩は、道案内をしないでください。と、何度言ったら解ってくださるんですか!!」
「なぁ、加藤」
「ん? 何さきっちゃん」
「…その呼び方やめろ」
「で、何?」
「神崎先輩ってさ、何で警官やっていられるんだ?」
「あれ左吉知らなかった? 神崎先輩、ものっすごい記憶力と視力良くて、
昔っから正確な目撃情報とか、指名手配犯見つけたりとかで表彰されてんだよ」
”交番” 方向音痴なおまわりさんの意外な能力。馴れ合いたくない任暁くんと、
誰に対しても気さくなバ加藤くん。道を訊くのは大抵地元民以外です。
「はぁ。十何回も同じ人に、同じ道を訊かれて怖かった、と。…ええと、その人物に
心当たりはありますので、厳重注意をしておきます。…はい。ご迷惑をおかけしました」
「交番で道を訊ねたら、まるきり逆方向だった。…駅前交番ですね。ええ。あそこの
巡査には1人、方向音痴がおりまして。…いえ。それ以外の点では、優秀ということで……」
「離婚調停でしたら、立花法律事務所よりも斜堂法律事務所の方をオススメします。
ええ。大変優秀ですが、依頼料が高額ですし、容赦ない物言いをしますから」
「薬屋の店員の態度が悪かった? それは、商店街のではない方のですか?
それでしたら、店主が趣味で経営している個人商店ですので、諦めてください」
「警察とヤクザの癒着? いえ、あの方々は単に古くからの友人同士で、たまたま
職業が相反するものなだけです。…え? 何やら言い争っていた? それも、単に
顧問弁護士の先生とその刑事の仲が悪いというだけのことでして」
「……もう嫌だ。こんな、知り合いに関する苦情ばっかりの相談窓口なんざ」
「まぁまぁ先輩。お茶飲みます?」
「もらう。…コレ何茶だ?」
「えーと、佐々木のおばあちゃんのお嫁さんが買ってきた、ウコン茶ですね」
「お前、またばあさん達のグチ聞いて物もらったのか」
「はい。…ダメですか?」
「…いや、いいんじゃないか? 一応仕事の一環ではあるし。ただ、忙しい時は手伝え」
「この間、1日中高橋のおばあちゃんの話につき合わされていたの、まだ怒ってます?」
「少しな」
”町役場” 迷子系の苦情は月1以上。七松組より、立花法律事務所や善法寺薬店の方が
相談や苦情が多いことにもうんざりしている生活相談窓口職員・富松さん。
後輩下坂部君は、嫁や知人のグチをこぼしにくるジジババの相手をしていることがほとんど
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