※オリキャラ&捏造満載注意
始めに目撃されたのは、
「科技局か銀十字に、あんな若い隊員居たっけか?」
といった感じの、白衣姿のどこかで見たことがある気がしなくもない美少女で、
「新人か訓練生だと思うけど、何か妙に偉そうだな」
という印象を受ける若い男と、何やら口論を繰り広げていた。
続いて目撃されたのは、周りをキョロキョロと窺うまだ小学生とおぼしき2人の少年で、
1人はむやみやたらと楽しそうに辺りを見て回っており、もう1人はオロオロしながら
それを引き止めようとしているのが対照的だった。
そして、同じ頃に別の辺りでは、
「みんなどこ行ったんだ」
と言いながら爆走していた地球人年齢で5歳位の少年が、別の方向からやってきた相手を
指差し「居た!」と声を上げた瞬間、鋭い声で「ステイ!」返され、そう命じられるなり
ピタリと止まった。だとか、お転婆娘と妙に落ち着き払った少女の推定小学生2人と
おっとり系の女子中学生の、ちぐはぐなようで何か全員実はお育ちが良さそうな3人組他、
「アレ? 今日って、小学校とか施設なんかの見学予定入ってたっけか?」
と首を傾げる隊員が続出するほど、あちらこちらで幼児から小中学生程度の2〜4人組が目撃された。
しかし、隊長のゾフィーを始めとする警備隊員も、銀十字軍や科学技術局の誰も見学の予定は
聞いておらず、引率の大人も居ないことに気付き始めた矢先。
小学校高学年程度の少年に抱っこされていた、2〜3歳の赤毛の幼児が、通りすがりの1人の隊員に
「ぱぁぱ」
と飛び付いた。
「ぱぁぱ、ないの?」
「こら。いきなり飛び付くのはダメだ、って言われてるだろ。メビウスさん困ってんじゃん」
「は。え。エーッ!? どういうこと、メビウス??」
幼女の発言が「ぱぁぱ」=「パパ」=「お父さん」だと結びつくまで数秒、更にそれが自分を
指していると気付くまで更に数秒掛かった所為で、キョトンとしているメビウス当人より早く、
隣に居たタロウが困惑した声を上げた。
「えっと、その、僕も解らないです……」
「ぱぁぱぁ?」
全く心当たりが無いと答えるメビウスに、幼女が泣き出しそうになった瞬間。
「迷子とチビたん見ーっけ!」
「え。今度はツインテール美少女!?」
オレンジ色のツインテールを揺らし、どこぞのアニメの決めポーズか何かばりにビシっと幼女と
少年を指差した小学3〜4年生位の少女と、一緒に居た青い髪に大きなリボンを結んだ5〜6歳の
幼女の登場に、タロウとメビウスは更に目を丸くしたが、ツインテールの少女はお構い無しに
「なんかぁ、緊急事態みたいだから、とりあえず集まれってさー」
と少年達を誘導し、タロウ達に
「あとで多分説明あると思うんでー。ひとまず失礼しまーす」
と言い残して行った。
一方その頃。別な場所では、先程爆走少年を捕獲した少女と、通りすがりのとある隊員が
「おや。こんな所で何をしているんですか、貴女は」
「あらぁ、久しぶりね父さん。5日ぶり?」
「そんなに帰っていなかったでしたか?」
なんて会話を繰り広げていた。
そして、極めつけは
「離せ! 何故私がお前などと手を繋がねばならないのだ!」
「良いから! 状況判るまで、はぐれんなって言われてんだよ」
「だからといって──」
「お前は、こうやって無理矢理手ぇ繋いででもいねぇと、勝手にどっか行っちまうだろうが!」
地球人年齢10歳前後の、黒ずくめの美少女とそんな口論を繰り広げていたのは──
「……ゼロ?」
「ゼロ、だな」
なぁんかちょっと髪長いし、雰囲気も若干違う気がしなくも無いが、ウサミミのごときスラッガーあるし、
目付きの悪さも隊服の模様も、ほぼ間違いなく母親不詳な三男の息子だった。
「あ、お騒がせしてスンマセン。ほら、エースさん達にも迷惑だから、しばらく大人しくしてろっての」
「ゼロが俺らを、さん付け!?」
「その上、マックス並とはいえ、一応は敬語を使う気概はあるようだな」
「? 俺、何か変すか。……っと、はい。……ああ。こっちは、俺とケイトとレイの3人だ。……解った」
「なぁ、Aキラー。今ゼロ、『ケイトとレイ』って言わなかったか??」
失礼な位に驚くエース達に、訝しげな表情を見せたゼロ(仮)の通信機が鳴り、その相手との短いやり取りの
中で聞こえた名前に、エース達が又も首を傾げた直後。再びゼロ(仮)の通信機が鳴ると同時に、エースの
通信機にもゾフィーから一斉配信の通信が入り、お互い招集の指示だったようで、名残惜しいがこれ以上
違和感について問い詰めることは出来なかった。
しかし、相変わらず「離せ!」と喚く少女と、反対側で大人しく手を繋いでいる幼児とを連れて
立ち去ったゼロ(仮)達と、エース達が集められたのは、共に警備隊の食堂で、そこには20数人の
警備隊員+αと、同じくらいの人数の子供達が揃っていた。
続く
軽い気持ちで書き始めたものの、設定作り込み過ぎて長くなってきたので、
短期集中で連載扱いにすることに
2012.9.9
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