単によくある発想なのか、どこかで元ネタを拾って来たのかは知らないが、キングの

	「宇宙警備隊の精鋭達で武闘会を開いたら面白そうぢゃのう」

	との思い付き発言に、隊長のゾフィーはおろか大隊長であるウルトラの父ですら

	「はいはい。解りましたよ。開けばよろしいんでしょう?」

	とサクッとそれを承認し、短い期間でトーナメント表やルールの作成から、近隣星域や関係機関等々への宣伝や
	招待までこなしたのは、最早慣れと諦めの為せる技と言っても過言ではない。
	


	「会場は、ウルトラコロシアムで一番大きいコロッセオで良いよね」
	「そうだな。あそこなら、観客席も結構な数が取れるだろうし」
	「前の方は立ち見席だと盛り上がりそうじゃねぇ?」
	「入り切れなかったり、警備や何かで来れない人の為に、中継も用意した方が良いでしょうね」
	「あと、貴賓席も用意した方が良いのかな? キングの他にも、他の星のVIPも来る可能性があるし」
	「ところで、招待客って、誰を呼ぶんですか?」

	ウルトラ兄弟による打ち合わせは、そんな会場の話から始まり、総当たりでは時間が掛かるし、やっぱり
	どこもそうだし。ということで、トーナメント形式で、組み合わせはくじで決めることまでは決定したが、

	「一回戦からウルトラ兄弟同士がぶつかったら興ざめなんで、シードの方が良いと思います!」
	「私もタロウに賛成です。実力差はともかく、知名度で言うとその方が良いでしょうね」
	「えーと、じゃあ、私達六兄弟とレオ・80がシードかな」

	実力で言えば、出場選手に名を連ねている面々はいずれ劣らぬ猛者揃いではあるが、知名度や立場や
	エンターテイメント性を重視すると、タロウの提案は尤もで、一回戦の勝者8人対シード8人は、
	試合のバランスとしてもちょうど良さそうだった。

	「アストラは?」
	「『僕は兄さんのセコンドですから』って。あと、ヒカリちゃんも警備隊員としてはまだ新人だけど、一回戦の
	 メンバーに入れるのはどうかって気がしたし、意外と持久力ないんで、選手じゃなくて接待頼んどいたから」
	「そうか。わかった。レイと、あとついでにナインも外せよ。アイツらは、見た目と実力はともかく、
	 中身はまだ幼児だからな」
	「それじゃ、平成組4人にコスモスの所が3人に、マックス、ネクサス、メビウスにUFZ4人で……」
	「計14人。ですね」

	一応、キングが選出した隊員+αに出場の確認を取りに行った所。アストラとゼノンには辞退されたそうで、
	ゼノンの理由は、
	「私が出た所で、『誰!?』と言われるのが関の山ですから、審判で充分です」
	とのことだった。

	「偶数ではあるけど、半端ですねぇ。あと2人で16人ならちょうど良いのに」
	「せめてあと1人居りゃ、1人だけ不戦勝シードとかしても面白いのにな」
	「…………アウラちゃん呼んでみようか」

	他にあと2人参加させるなら誰か……。と頭をひねる弟達に、ポソリと提案したのはゾフィーだった。

	「確かに、実力は申し分ないし、折角なら女性選手も居た方が、盛り上がりはしそうですね」
	「でもって、相手によっては、『女だから』でなめて掛かったり油断して負ける。なんてのもありそうだしな」
	「アリと言えばアリですね」
	「けど、勝ち上がってきたら、俺らの誰かがアイツと当たることになるんだよな」
	「ですよねぇ。負けたら格好付かないけど、勝てるかなぁ……」

	等々、長兄の提案に対する弟達の反応は煮え切らないものだったが、最終的に「強くて恰好良い女性戦士」は、
	男女共に評判が良さそうだ。ということで決定し打診したところ、あっさり了承の返事が返って来た。


	そんなわけで会場も出場者も決定し、キングに選手に入れ忘れられていた、ネオスと21にはレポーター。
	ゼアスには一回戦の審判(二回戦以降の審判はゼノン)を任せることにし、その他のスタッフは、実況:ナイス。
	解説:ボーイ。救護班:銀十字軍に決まった。
	尚、観客や来賓からは、「何故子供が解説なんだ」と言われたが、光の国の面々にしてみれば、「アイツ以上に
	全てのウルトラ戦士に詳しい事情通居ないし」という、自明の理の人選だった。


	そして、観客は基本的にチケット購入制としたが、来賓以外にも、出場選手は各2枚ずつ招待券を渡され、
	それで好きな相手を呼んで良いことになり、

	「俺は、タイニーと彼氏だな」

	「僕はカコちゃんとファントン星人に送ります」

	「えっとぉ、僕のは〜、シルビィちゃんとそのパパで〜、ジャスティスはドギーさん達に送れば良いんだよねぇ。
	 レジェンドの分はどーする?」
	「ジャスティスと、一緒に送る」
	「うん。わかったぁ。デカレンジャーの、他の人達の分にしてもらうんだね〜」
	

	「俺、悟とハネジロー」
	「ハネジローは、誰かに抱っこでもしてもらってれば、席居らなくない?」
	「そっか。じゃあ、悟と、悟が誰か連れてくりゃいっか」
	「だったら、僕らは特に呼べそうな相手居ないから、僕らの分もあげるんで、御一同様で呼べば?」

	「私は、アウラちゃんとファイタスに送って、メロスに自腹切らせようかと思ってたけど、アウラちゃんの分で
	 呼ぶみたいだから、どうしようかなぁ。サコミズは時間的に来れないだろうしなぁ」
	「俺も、1枚は夕子に送るけど、1枚余んな」

	『私の分はナオとナインに。姫様はナイトが呼ぶので構わないな?』
	「ええ、そうですね。もう1枚は、ナオのお兄さんにもお送りしましょう」
	「俺は船長達呼びてぇけど、2枚じゃ足んねぇな」
	「んな目で見ても、俺の分はやらないからな。レイが、ZAPの奴ら呼びたいけど招待券無いんで、俺のと
	 親父ので呼んでやる約束してんだよ」

	等々、明確に呼びたい相手が居る選手以外の余ったチケットは、まとめてマンから『怪獣墓場御一同様』として
	シーボーズ宛てに送られることになった。

	ついでに、気付いたら招待券が紛失していたネクサスの分は、実はノアが勝手に
	「ファウストちゃんにv」
	と送っていたが、
	「ザギ様。良かったですね。ノアが招待してくれましたよ」
	と横流しされたりする(笑)

	

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某イベント情報を元に、柳佳姉さんと盛り上がりまくった結果、合作で書くことに 一回戦とシードの組み合わせはくじ引きで決定済みですが、一回戦の2〜3組を除き 勝敗は勢い任せでどうなるかわかりません