「次はマックス君の出番だよ。いっぱい応援しようね!」
「フォ」
「お兄ちゃんも応援してくれる?」
「ふぉ」
「パパ、コスモス君の時はシルビィと一緒にがんばれーって言ってね」
「ふぉふぉ」
こちら仲良しバルタン星人御一同様の隣では、
「えー、勝者予想レースはまだ参加間に合うよ。未知数のレジェンドに最強最速のマックス、二回戦決定の
ティガなんかどうだい?」
本領発揮とメフィラスは賭け事の胴元で声を張り、その向こうではオカマ達の会合、また向こうでゴザの上に
ちゃぶ台を置いたメロトンがメロトン茶をおすそわけ。している。マグマ達レポーターが来ると、さすがに
賭け事は秘してコメントなどに答えるが、
「そこの少年、なんでもほしいものをあげよう、そのかわり地球を私にくれると」
「メフィラス、その子地球人じゃないし、同じ年代の子におんなじこと言うの、癖?」
「おっといけない」
和気あいあいとする中、第三試合が始まりを告げる。
先ほど以上に、淡々と、むしろ醒めた声でゼノンが対戦者を読み上げるが、
「では、試合前インタビューを、どうぞ」
「あの、ゼノンさん、そこまで静かに言われると、現場として盛り上がりに欠けるっていうか」
「どうぞ」
気圧された21は、ではと一つ咳をつき、
「相手が誰だって負ける気はないぜ!! だって俺は最強最速、ウルトラマンマックスだ!! タイニー見てるー?
やっほー」
「うるさい。さっさと終わらせる」
ピースするマックスと、不機嫌なアグルを交互に映し出すカメラの向こうで、
「以上、再現は21でしたー」
「本人達写してあげなよ! なんで今変装して中継するんだ!」
「むむむ、21もネオスくんも漫才が上達してきたなぁ。こりゃ私達も負けられないぞ!」
カネゴンのところでバイト中のゼアスが、いやいやいや!と顔の前で否定のジャスチャーをとっているがナイス
まで届くはずもない。
一層熱い口調で息次ぐ暇もなく語るボーイの解説の中、試合開始の鐘がなった、のだが。結果を言おう。
先手をとったアグルが、マックスを場外に落とし、「いててて、なにすんすか?」と手を伸ばしたその先で、
「KILL YOU」上等の真っ黒いオーラで睨みつける海の化身が、十秒後に勝利を収めた。
「さすがアグルさんです! 少ない労力で最善の勝利を手にしました!」
「うん、ほんと全然動いてないねっていうか脅しは正々堂々なのかな?」
「かっこいいですアグルさん!」
「…ボーイ君、あんな風にならないでね? かっこいいかもだけど、目指す道じゃないよ?」
ナイスのツッコミはことごとく無視されて、第三試合が終了した。
一回戦 第3試合
マックスvsアグル 勝者アグル
NEXT vsゾフィー
next
姉さんパートその2
勝敗も瞬殺ルートも端から決まっておりました(笑)
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