銀河一武闘会の、第一試合の勝者vsシードのウルトラ兄弟の第二試合の1回戦は、試合そのものもさること
ながら、応援の豪華さが半端無かった。
まず、「……親子対決は叶わなかったか」とこっそり凹んでいたセブンは、シードの一番手であることもあり、
「負けたら格好付かないですから、頑張って下さいよ」
「そうだぞブン兄。おまけに、親子で同じ相手に負けるとか、マジかっこわりぃし」
というタロウやエースなどの言い草は引っ掛かるものの、ウルトラ兄弟総出の応援に、負けはしたがその分
応援に力をいれることにしたらしいゼロとその仲間達&レイとゴモラの応援。と、実に華やかではあったが、
くじで不戦勝シードのミラーナイト以外、息子達は全員負けか不参加じゃないか? と、気付きかけたが
気付かなかったことにした。
一方、一回戦でゼロを難なく倒して勝ちあがったティガの方も、
「負けた以上は、精一杯応援に回るからね☆」
と宣言したガイアが、「お前、それ最初から用意してあったのかよ」なチア衣装で、アウラの親衛隊から言葉
巧みに勧誘して来た数人と、「ていうか、元々わたし達も居るんですけど」なティガファンの女性隊員(一部
男性隊員も含む)を率いて、ポンポンやらお手製のうちわやらペンライトを振りまくり応援しているだけでなく、
一般の星人・怪獣立ち見席の、ダダを筆頭とするカマ集団の野太いが黄色い声援もすごかった。
「流石。すごい声援ですねぇ、ティガさん」
「そうだね」
「テンション低いね。この程度は、『いつものこと』ってことかな?」
「まぁ、普段よりはすごいけど、ガイア主導だと大抵ああだから」
試合前インタビューに訪れた21達の向けた質問にも、相変わらず興味なさげなティガは、ガイアの女装も、
アウラの親衛隊からスカウトされてきた女性たちの「お姉様」も、特に気にしていないようで、
「大方、僕のことも女性だと錯覚させるような言い方で勧誘して来たんだと思う」
との分析も、大筋で当たっていた。
対するセブンは、「息子の敵を取る」&「兄弟の1番手として」と、実は割と熱血系な所を前面に出していた為、
一回戦程ではないが、やっぱり温度差が激しめだった。
「それでは、魅せる試合を期待します」
そんなゼノンの一言に続き、まず試合前の一礼をする際に、セブンが
「ところで、俺は3分の縛りが無かったのを知っているか?」
と問い掛けると、ティガはニコリともせずに、一言
「存じていますが何か」
と答えた。
それをお互いの宣戦布告だと捉えた面々は、どんな精神戦になるのかと、期待と若干の恐怖を抱き、実際
試合開始からしばらくは、お互い相手の出方を窺い間合いを取っていた。しかし、先に攻撃を仕掛けたのは
セブンで、正面切って投げられたようで変則的な軌道を描くスラッガーが、ティガの頬を掠めかけたが、
「先程の、ご子息の試合をお忘れで?」
そう呟きながら、ティガはそれをキャッチして投げ返した。しかし、手に持ったまま斬りかかってくるのなら
ともかく、投げられたのなら自在に操れる。とセブンは軌道を変えようとしたが、その隙を狙うように、空中
からハンドスラッシュを打ちこんで来た。
そして、10カウントを取られる前にリングに降りると、今度はタイマーフラッシュで目潰しをし、ひるんだ
頭上にティガフリーザー。という、無駄が少なく的確に弱点を突いた攻撃で見事に勝利を収めた上に、
「ほぼ、3分ですね」
勝利宣言のついでに時計を見て付け加えたゼノンのコメントに、観客は感心しつつもちょっと引き、この先の
対戦結果によっては当たり兼ねない選手達も、「あんまり当たりなくないなぁ」と思ったとか思わないとか
二回戦 第1試合
ティガ vs セブン 勝者ティガ
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あっさり負けたな70親子……
2012.12.1
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