ホワイトデー風景
体育の奥様とお義姉さん達
「お義姉さん方に前々から訊いてみたかったのですが、明らかに『花よりだんご』の小平太さんが、
記念日などの際には、必ず花と他に何か贈って下さる理由をご存じですか?」
「うん。多分父さんを真似したんだと思う。父さんそういう所マメだから」
「ああ。お義父さんを見習われて」(納得)
「しかし父さんや留三郎は、花の種類や色なども相手に合わせてそつなく選ぶが、小平太はそうでも
ないだろう? 今回は何の花だったんだ?」
「そうでもないですよ。変わり咲きのチューリップがメインで、子供達からの1本づつを足して完成でした。
そもそも、『私の為』に選んで下さっただけで、充分嬉しいですし」
「いいなぁ滝ちゃん。ウチの文次は、その辺の情緒が欠けてるから」
「だからといって、へそをまげて1年近く家出するのは、私ですらどうかと思うぞ」
「同感です。ところで今年は?」
「とりあえず、今の所まだ反省は生きてるかな」
※中在家さんちの男どもは、「記念日には花束」が基本です
♥
木下兄弟(次男三男)
「孫兵兄ちゃん。たしか兵ちゃんのお姉さんに、蛇型チョコつくってもらってたよね」
「ああ」
「それじゃあ、ちゃんとお返ししないといけないと思うけど、何お返しするの?」
「…何がいいんだ? こういう時は」
「アメかクッキーかマシュマロが定番だって、兵ちゃんは言ってた」
「そうか。なら―」
「虫入りのべっこう飴はやめた方がいいと思うよ」
「ダメなのか。でも、何で僕の考えたことがわかったんだ三治郎」
「うーん。慣れかなぁ? 兄ちゃんが変なことすると、僕にまでとばっちりがきそうだから、よく考えてね」
※結局無難なクッキーをコンビニ辺りで買ってきたかと
♥
土井家長男(職場にて)
「あの、コレお返しです」
「あらぁ。ありがとうね土井くん。…やぁだ手作りのクッキー? こんなちゃんとしたの
作ってくれる彼女ちゃんがいるなら、おばちゃん達余計なことしなかったのに」
「そういえば、土井さんのお弁当って、いつもけっこうしっかりした手作りですよねぇ」
「確かにそうね。…どんな子なの? 付き合ってどれ位? 結婚の予定はあるの?」
「申し訳ありませんが、そのクッキーも弁当も、作ってくれたのは弟(兵助)です」
「あらまぁそうなの。将来有望な弟くんなのねぇ」
「今の時代、家事ができる男子はポイント高いですもんね」
「……。ありがとうございます。弟に伝えておきます」
※相手は事務とか経理のおばちゃん&お姉さんかな。
半助さんの仕事は特に決めてませんが、従業員10人位のアットホームな職場希望で
♥
高校1年生s
「…あ。そうだ。忘れるとこだった。手ぇ出して兵助」
「ん」
「ホイ。先月のお返し。アメがチビ達からで、クッキーが親父」
(チュッパチャップス×5本とおからクッキー)
「ありがと」
「んで、コレが俺から」
「やけにデカイ袋持ってると思ったら…」
「邪魔だってんなら、帰りに渡し直すけど?」
「いいよ。もらっとく。今日はそのままバイト行くんだっけか?」
「おう。夕飯よろしく」
「何か食いたいもんはあるか?」
「いや。任す。けど、出来れば魚より肉が」
「わかった。で、コレ何だ?」
「豆腐」
「…のぬいぐるみか」
「一応クッションらしいぞ」
「そうか。…枕にちょうどよさそうなサイズだな。お前の部屋に置いといていいか?」
「おう。いいぞ」
※昇降口から教室に至るまでの間でのやりとりでした。
「枕」と言っても、ハチの部屋で転がってマンガ読んだりする際に使用するってだけで、深い意味はありませんよ。
♥
潮江夫婦+子供達
伊「それじゃおじさん。子供達のことよろしくお願いします」
乱「おかーさんどこ行くのー?」
伊「お父さんとお出掛けするんだよ。映画見てご飯食べてくるんだ」
伏「いーなー。僕も行くー」
さき「ダメだよ伏。今日はお父さんとお母さんだけで出掛けるの」
伊「お土産買って来るから、じいじのおうちでいい子にしててね」
乱伏「はーい」
さも「母ちゃん。みやげ何買ってきてくれんだ?」
伊「何がいい?」
団「えっと、何か食いもん!」
伊「うん。わかった。それじゃ、行ってきます」
数「行ってらっしゃい」
左近「珍しいね。数兄が素直に送り出すなんて」
数「だって。留おじさんから聞いたんだけど、デートらしいデートというか、
二人きりで出掛けるの自体が、僕が生まれて以来じゃないかって……」
左近「うっわぁ。それは父さんひどい。通りで母さん、はしゃいで準備してたわけだ」
♥
〜おまけ〜
用具父子
今朝、父さんが出がけに僕ら全員にミルキーをくれた。そしてその後、
「1粒ずつ俺にも分けてくれるか?」
って。別に、そこまでしてホワイトデーまでやらなくていいと思うんだけど。
「ところで、伊作おばさんへのお返しは?」
「昨日潮江に『これで誘って出掛けろ』って、映画のチケットやった」
…間接的にもらったようなものだから、間接的なお返し。ってこと?
by作
♥
学級(+α)
「三郎兄さん。何してるんですか?」
「ん? ちょっと飴細工に挑戦中。庄左ヱ門達もやってみるかい?」
「やってみたいけど、難しくないですか?」
「大丈夫。簡単なのもあるさ」
・
・
・
「母さん。コレ、三郎兄にお返しでもらったんだけど…」
「相変わらず、無駄にクオリティが高いな。あの小僧は。バラに、こちらは不格好だがウサギか?」
「らしいよ。バラが三郎兄で、ウサギは彦四郎。で、この白鳥が庄左だってさ」
「母ちゃん。コレ、三郎兄ちゃんから」
「え? バラ? ガラス? …じゃないね。アメだ。でも、何で?」
「俺らへのお返しのついでだってさ。けど、どう見ても明らかに母ちゃんのが一番出来良いのだと思う」
バレンタインデーおまけ話
体育一家 ラブラブな両親の脇で…
「えっと。じゃあ、まず同じのを取っていって、余りは1個ずつ欲しいのを取ればいいよね」
「うん。僕コレ欲しい」
「あ。1個余っちゃった。金吾取っていいよ」
「ううん。しろ兄ちゃんにあげる」
「いいよ。僕より金吾が…」
「でも……」
「俺の1個やるよ。そうしたら、同じ数になるだろ」
「ありがとう三之助兄ちゃん!」
「俺だけ丸々1袋貰ったしな。あと1個か2個ずつ、好きなの取っていいぞ」
「わぁい」
※今年はチロルチョコアソートパック(27個入)でした
♥
図書一家(多分当日の夕方辺り)
「久作兄。これあげる。左近姉ちゃんのとは、違う種類だから安心しなよ」
「べ、別にそんなの気にしてない!」
「おかーさん。おねーちゃんにもらったの。食べていーい?」
「怪。今はダメだぞ。ご飯の後にな」
「…えっと、いっこだけ。ダメ?」
「しかたないな。1個だけだぞ。…母ちゃん。あとは預かっててやって」
「微笑ましいですねぇ、先生」
「ああ。そうだな」
♥
作法姉妹(当日)
「兵太夫。出掛けるなら、一緒に行こう」
「えー。何、別に保護者とかいらないんだけど」
「そうじゃなくて、どうせ行く家同じだろ?」
「え? お姉ちゃんの彼氏って、三治郎のお兄さん??」
「違う伝七! 妙なこと言うな。木下(孫兵)にちょっと頼まれたことがあるだけだ!!」
「そっかー。…チッ。つまんないの」
「舌打ちするな兵太夫。それと、2人とも今のは絶対数馬の前で言うなよ」
♥
お姉ちゃん達と潮江兄弟
さも「チョコ出来たか藤内」
藤「ああ。そこの皿の上のが、食べていいやつ」
さき「…なんでお皿のままなの?」
藤「お前ら相手に、ラッピングしても無駄だから」
数「そうかもしれないけど、あの状態じゃ馬鹿ども(さも・団)に食べつくされるじゃないか」
左近「大丈夫。数兄とチビ達の分は、こっちのお皿にわけてあるから」
乱「おねーちゃん。ありがとう。おいしいよ」
伏「うん。おいしいよぉ」
さき「数兄、早くとらないと、たぶんこっちもなくなるよ」
数「乱! 伏! お前らはそこまで。あとは僕の!!」
藤「……。来年からは、個別に包んでやるか」
左近「そうですね。でなきゃ、1人1個な何かにしましょうか」
藤「だな」
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