弟達のサンタ捕獲計画をどうすればいいか、うまい打開策を思いつけなかった八左ヱ門は、
友人兵助に知恵を借りようとしたが、兵助にも妙案がなかったので、悪知恵と屁理屈に
長けた1歳上の悪友三郎を頼ってみることにした。
すると話を聞いた三郎は、少し考え
「……兵助。お前、高校ん時の担任の携帯番号解るか?」
「解るけど?」
首を傾げる兵助に、三郎は携帯電話を借り受け、目的の人物に電話を掛けた。
「よ。久しぶりだな勘右衛門」
「その声は、三郎? 何でお前が、土井の携帯から掛けてくるんだよ」
兵助の高校時代の担任である尾浜勘右衛門は、三郎の母雷蔵の中学の同級生で、幼少期から
面識があったりする。
「お前に用があるが、私はお前の番号を知らないので借りた。私と兵助が友人なのは知っているだろう?」
「あっそ。で、何の用?」
「12/24の夜はヒマか?」
「……。どーせ、30半ば過ぎて、イブに何の用もないよ。悪かったな」
「いや、頼みがあるので好都合だ。ハチの所の末の弟が、『サンタを捕まえたい』と言い出し、
サンタ役を任されたハチが困って兵助に相談し、2人でも妙案が思いつかなかったので、私の
知恵を借りに来たんだ」
「ふぅん。それが俺と、どう関係するんだ?」
「お前ならその末の孫次郎と面識がないので、サンタ役を頼みたい」
「解った。いいよ」
「恩にきる。謝礼は、兵助の料理を残しておいてもらうから、それで良いか?」
「うん。それは構わないけど、一応お前のお母さんの友達で、恩師に当たるんだけど、俺」
父親の方の三郎とも友人だったため、勘右衛門は彼らの勝手な言い草には慣れているが、
それでもたまに、一応主張しておくべきだと思う事柄がある。
「口の訊き方についてなら、以前……小学生の頃か。に、キチンと敬語を使ったら『うわ、何かキモイ』
と言われた覚えがある」
「え? 俺そんな反応した?」
「した」
基本が唯我独尊の三郎も、雷蔵にたしなめられればそれに従うが、流石にこの件に関しては雷蔵も
「うん。まぁ、仕方ないか。三郎だし」
と苦笑し、以降は放っておくことにしたという。
コレのオマケです
勘ちゃんの初書きが、現パラで年齢操作って、どうなんでしょうね
(確認したら、初では無かったです。が、それでも……)
2009.12.4
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